現在、採用・就職活動市場は売り手市場と言われています。実際に、2018年卒の内定辞退率は過去最多の64%にのぼるとの報道もありましたが、現在新型コロナウィルスの影響により、その傾向に陰りが見え始めています。
その一方で、例年以上に採用・内定率を高めている企業も存在します。それらの企業には、従来の新卒一括採用とは異なるユニークな採用方法を取り入れてる事例が多く見られます。
そこで、この記事では特徴的な採用方法を、そのメリットと共に紹介していきます。
先行きの見えない不透明な状況の中で、志望者の中からより良い人材を見つけていくために、好調企業が取り入れているユニークな採用手法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
<目次>
【事例1】ファーストリテイリングのグローバルリーダー社員 通年採用
まずは、「UNIQLO(ユニクロ)」や「GU(ジーユー)」を運営する大手SPAのファーストリティリングの通年採用をご紹介します。
通年採用とは一年を通じ応募が可能となる採用制度です。大きなポイントは大学一年生から応募が可能であること。これによって学生側には、一般的な就職活動シーズン以外に活動できるという大きなメリットが生まれます。
企業側のメリットとしては、他企業に先行して早めに人材を確保することができるという点、そして卒業までの長い期間に研修を設けることでき、卒業後に即戦力として期待ができる点が挙げられます。
内定から実際の就職までが長いため、内定辞退される可能性のデメリットはありますが、一方辞退をしない学生は、長い時間をかけて企業に入ってくる分、企業への思いが強い傾向にあるとも言えるのではないでしょうか。
【事例2】伊勢半の顔採用
コスメブランド「KISS ME(キスミー)」などを展開する化粧品メーカーの伊勢半では、2020年度の新卒採用のテーマを「顔採用」と打ち出しました。
「顔採用」と言っても容姿の良し悪しや性別で判断する採用ではありません。
従来の画一的な「就活メイク」ではなく、自分らしいメイクで面接に来て、自分らしさや新しい発想を見せてほしいというものです。
SNSからでも応募可能にしたこともあり、大きな話題となりました。その結果前年比2倍のエントリー数となったそうです。例年、同業種を志望する候補者が多い中、この年は他業種からの応募も増えました。応募者自身の本来の姿を垣間見れることはもちろん、応募者の裾野を広げるというメリットがあったようです。
また、ブランドメッセージである「私らしさを、愛せるひとへ。」に沿った採用テーマでもあり、ブランディングにも成功した事例と言えます。
【事例3】L&G GLOBAL BUSINESSのバイブス採用
次に、現役東大生が創業、コンセプチュアルでハイセンスなホテルを展開し人気を博しているL&G GLOBAL BUSINESSの事例をご紹介します。
同社ではスペックやスキルよりも「バイブス」を重視した採用を行なっています。バイブスとはマインドや精神性のこと。世界観を大切にする同社では、この採用基準で企業の価値観や文化にフィットする人材の獲得に成功しています。
従業員は企業のビジョンの代弁者と考え、この採用方法をとり入れているそうです。
また、企業の文化を十分に理解・共感して入社するので、コミュニケーションなどもスムーズに取れるというメリットもありそうです。
コンセプトを大事にする企業であれば、大いに参考になる事例と言えそうです。
【事例4】ベイクルーズのリファラル採用
「JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)」「IENA(イエナ)」などのファッションブランドを主軸に、インテリア、フィットネス、飲食の4事業を展開するベイクルーズグループでは、リファラル採用をとり入れています。リファラル採用とは社員が転職者を紹介する仲介制度のことです。
メリットとしてはまず社員が紹介する人物ということで、信用のおける人材であることは想像に易いと思います。また、転職市場に出てくる人材以外との出会いが期待できます。
社員が自社を紹介するということは、その社員がまず自社の社風やブランドを理解していなければいけません。自社をきちんと理解している社員からの紹介であれば、一般的な応募方法より、一層社風やブランドにマッチした人材が獲得できるのも大きな魅力と言えるでしょう。
求人作成〜リファラル採用まで。採用活動に「READY TO FASHION」を活用するための手順をご紹介
【事例5】ベイクルーズのファッションインフルエンサーセレクション
ベイクルーズグループのユニークな採用方法をもう一つご紹介します。
同社では、高度なセンスや感性の求められるマーチャンタイザー(MD)やプレス、バイヤーなどの職種を対象に、ファッションインフルエンサーセレクションという採用フローを設けています。
総合職では応募の際3パターンのスタイリング写真を提出するのですが、この採用フローでは15パターンのスタイリング写真をポートフォリオにまとめて提出します。多数の写真を提出することで応募者のファッションセンスだけでなく、それを磨く日々の行動や情報収集量などの可視化が狙えます。
また、写真の背景からも部屋の様子などでスタイリング外のセンスが伺えます。ベイクルーズグループではこのような採用方法で新しい感覚を持った次世代の人材の発掘に努めています。
READY TO FASHIONを選ぶ、ベイクルーズの採用とは?
まとめ
様々なユニークな採用事例を紹介しました。
現在、就活中のヒール着用の廃止を求める動きが大きくなるなど、従来の画一的な就活に疑問の声が上がり始めています。従来の就活では志望者本来の特性が見えにくいことに企業側も志望者側も気づき始めています。
また、このような流れの中で、革新的かつ先進的な採用を実施する企業には好印象を抱く人も多く、志望者増加に繋がると考えられます。より多くの自社に合った人材獲得に向けて、ぜひユニークな採用を検討してみてはいかがでしょうか。