これから就職活動を始める皆さんは、「希望の会社に内定を貰い、楽しく働きたい!」と考えていると思います。
しかし、どうすれば希望の会社に内定を貰えるか分からなかったり、入社した会社で楽しく働けるか不安な方も多いと思います。
この連載では『人生を楽しく、豊かにする』ために、新卒採用担当目線・社会人目線で就職活動についてお話していきます。
皆さんの誰かひとりにでもメッセージが届き、良い就職活動に繋がれば嬉しく思います。
就職活動を始める前に知っておくべきこと
新卒採用担当として学生を見ていて「間違った就活としている学生が多い!」と感じることが多々あります。今回と次回の2回に分けて「就職活動を始める前に知っておくべきこと」について解説します。
就活状況と学生の傾向
まずは今の就活市場がどのような状態なのかを把握する必要があります。
世の中では「売り手市場だから、就活は楽勝」のような情報が流れていますが、油断は禁物です。
現在の就活状況は以下の4点が特徴です。
①スケジュールの短期化
②売り手市場
③学生の就業観の変化
④3年以内の離職率が約3割
今回は①②を1つずつ解説していきましょう。
①スケジュールの短期化
まず「①スケジュールの短期化」です。現在の就活スケジュールは「3月エントリー解禁・6月選考開始」です。エントリーから選考まで3か月しかなく、ひと昔前の就活よりスケジュールが短くなっています。(私が就活をしていた時期は「12月エントリー解禁・4月選考開始」)
ここで「1か月しか準備期間短くなってないじゃん」と思った方は要注意です。
リクナビが発表したデータによると、6月1日時点の就職内定率は68.1%、6月15日時点だと76.0%となっています。
つまり、「3月にエントリー解禁し、6月までの3か月間で内定が出る短期決戦」だということです。
実際は3月から選考開始する企業がほとんどで、わずか3か月間で複数企業の選考を同時並行で行う上に、予定は企業側の都合でどんどん決まっていきます。
このような状態が続くと「準備不足」のまま選考に臨んでしまう学生が多く見受けられます。
十分な自己分析や企業研究が出来ないまま選考を受けてしまうため、採用担当から見ると「この志望動機はそのまま他社にも当てはまる内容だな」とか「会社のことをあまり調べてないのかな」と思ってしまう内容になりがちです。
②売り手市場
続いて「②売り手市場」です。売り手市場とは、簡単に言うと「1人の学生を複数の会社が取り合っている状態」のことを表します。2019年卒の新卒求人倍率は1.88倍と、1人の学生を約2社が取り合っており「学生優位」な市場だと言われています。
しかし、この求人倍率にはからくりがあります。「従業員数別の求人倍率」を見ると、5000人以上の企業は0.37倍、1000~4999人の企業は1.04倍、300~999人の企業は1.43倍、300人以下の企業はなんと9.91倍となっています。
つまり、「大手以外の企業は内定を貰える可能性が高いが、大手企業は企業優位の買い手市場のため内定を貰うことが難しい」ということです。
このような市場で学生が陥りやすい傾向は「内定がたくさん貰える、もしくは内定が1つも貰えないという二極化」です。
学生優位という言葉を鵜呑みにして大手企業数社しか受けなかった学生が、7月時点で内定が一つも貰えずに路頭に迷うということが実際に起こっています。
①②からどのような状態が生まれるか
では、①スケジュールの短期化②売り手市場の2点からどのような状態が生まれるのでしょうか。
それは「準備不足のまま選考を受けても多くの企業から内定を貰えるので、どの企業に入社するか迷う。」ということです。短期決戦を乗り切って多くの内定を貰ったが、ふと我に返ると「自分のやりたい事はこの企業で本当に出来るのか」と迷う学生が多くいます。
一方、「しっかり準備をした学生ほど納得のいく就職活動が出来ている」ことも事実です。
3月エントリー解禁前にインターンシップに積極的に参加したり業界研究・企業研究を行うなど、事前準備をしている学生ほど早い段階で第一希望の企業に内定を貰い、早々に就活を終えている傾向にあります。
つまり、皆さんがこれから臨む就職活動は「3月までの期間でどれだけ事前準備したかで決まる」ということです。
準備は早いに越したことはなく、準備した分だけ間違いなく良い結果に繋がります。
是非皆さんもこのコラムを参考にしながら事前準備をして頂ければと思います!
今回のまとめ
・スケジュールの短期化=「短期決戦」。準備不足に陥らないようにしよう。
・「売り手市場」という言葉を鵜呑みにするのは危険。油断していると、内定ゼロもあり得る。
内定後に迷わない納得のいく就活をするために、「スケジュールの短期化・売り手市場」を正しく理解し、コツコツ事前準備を始めよう!
次のコラムでは、今回解説出来なかった「③学生の就業観の変化・④3年以内の離職率が3割」についてお話します。
毎月1~2回のペースで更新しますのでお楽しみに!