プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の概要から、業務内容、働くやりがい、求められるスキルや素質、必要/有利な資格、キャリアプラン、求人情報までを細かく紹介します。
ファッション・アパレル業界の業種を徹底解説する連載シリーズ「アパレル業界業種ガイド」。
ファッション・アパレル業界への就職・転職を検討されている方は必見です。
PRの求人はこちら<目次>
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)とは?
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)とは、発注側のブランドや企業、プロジェクトなどからプレス(PR・広報)業務のアウトソーシング(外部委託)を受けて、対外的なPR業務の役割を担う業種です。
フランス語で「広報」を意味する「アタッシュドプレス(アタッシェドゥプレス)」や「PRエージェンシー」など、その呼ばれ方はさまざまです。メーカーやSPAでは、自社にプレス(PR・広報)のインハウスの部署を設置している場合も多くあります。
ファッション・アパレル業界では業種を、川の流れに例えて「川上」「川中」「川下」の3つの区分で分類しており、その中でプレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)は「川下」(アパレルを消費者に販売する業種)とつながりが強い業種になります。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の代表的な企業
株式会社PA Communication
ファッションをはじめとするライフスタイル分野に関わるデジタルマーケティングとPRの企画、実施している企業です。
SNS、WEBによるプロモーションの企画から実行、プレス(PR・広報)業務代行サービス、商品企画、バイイングのコンサルティングなど、PRに関する業務を一貫して行います。
有限会社プリマクレール・アタッシュプレス
国内外の洋服、雑貨などブランドのプレス(PR・広報)業務全般を行っている企業です。
ターゲットメディアの特集、プレスリリースの作成、配信、イベントプロモーション他広告出稿業務、クライアントへのPR活動業務報告及び資料作成などを行います。
有限会社プラド
スポーツ用品、時計、化粧品、家具、携帯電話などの消費財の戦略的PRを長年にわたり行っている企業です。
広報および販売促進業務の企画・実施代行などPRに関する業務を一貫して行っており、書籍・雑誌の編集・出版を依頼することもできる企業です。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の業務内容
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の具体的な業務内容は多岐に渡ります。
雑誌などの媒体広告・カタログ作成、ファッションショーや展示会などのバイヤー向けオーダー促進イベントの企画、顧客への販売促進計画、さらにスタイリストを通じてテレビ・雑誌・芸能界へ商品を貸し出してメディア露出を狙うなど、発注側に代わってブランドイメージ戦略を展開します。
基本的には企業の内部に設置しているプレス(PR・広報)関連の部署と似た役割を担っていますが、企業によって役割や担当する内容は異なります。
こちらでは一般的な業務内容をご紹介します。
リース業務
テレビ・雑誌・スタイリストなどの撮影の際に、商品の貸出し作業を行います。
商品を貸し出す前の準備から検品作業、貸し出し後の管理までを行うため、細かい管理能力が必要です。
また、貸し出すものの選定も行うことがあるので、センスの良さも必要となります。場合によっては撮影に携わることもあります。
カタログ・プレスリリースの作成
販促物として、カタログやプレスリリースの作成が必要となります。カタログの構成、キャスティングなどを考え、撮影に携わり写真の選定まで行います。
ブランドらしさが出ているか、訴求内容に違いがなどチェックすることも大切になります。
展示会やショーの企画運営
展示会やショーの企画から運営まで行うことも大切なPR業務となります。
その際、場所のセッティングや著名人やメディアを招待するなど、営業に近いことも行わなければいけません。
SNSの運用
企業などで異なりますが、昨今はSNSでのPR業務が欠かせないものとなっています。
写真のクオリティーや打ち出すタイミングがブランディングには必要です。
また、雑誌などの露出があった際にはSNSで告知することもあります。
そのため、SNSに載せる写真の選定や、見せ方までプレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)がチェックし運用することがあります。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)のやりがい
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)は最先端なものに囲まれ、沢山の人や企業と接点を持ち働くことができます。
裏方業務も多くありますが、自身が仕掛けたプロモーションがヒットした場合は、大きなやりがいを感じれるでしょう。
様々な業界・職業の方と仕事ができる
雑誌やテレビ、スタイリストなど、様々な業界・職業の人と仕事をすることができます。社外とのコミュニケーションが多いため、自然と人脈や交流の幅を広げれます。
自身で企画ができる
自身で企画から運営まで携われるので、手掛けたプロモーションや企画に成果がでることは大きな醍醐味です。
最先端な環境の中で仕事ができる
トレンドを仕掛けたり、発信する側となるので、常に新しいブランドや商品など最先端なものに囲まれて仕事ができます。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)で働くために求められるスキル・素質
様々な業務を担うプレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)ですが、実際どのような適性が求められるのでしょうか。
業務内容は企業やポジションにより異なるので、一概に言えませんが参考にしてみて下さい。
コミュニケーション能力
テレビ、雑誌などのメディアの貸し出しや展示会・ショーの運営などで、社内外どちらともやりとりが多い為、コミュニケーション能力が求められます。
PRを行う際は、多数の企業や人とのやりとりがあるので、いい関係性を築いたり、人脈をつくることも大切となります。
SNS・WEB関連の知識
昨今ではSNS・WEBを介してのPRは欠かせないものとなっています。基本的な知識はもちろんですが、SNSのトレンドや傾向などを知っておくことが必要となります。
マーケティング能力
PRをするためには、どのようなメディアを使うか、どんな方法でPRを行うかを考える必要があります。そのためには、トレンドをいち早く抑え、仕掛けを作ったり、戦略立てをすることが必要となります。
ファッションの知識やセンス
撮影などでコーディネートを組んだりするので、ファッションへの基本的な知識はもちろんですが、商品やブランドを良く見せるセンスも求められる要素になります。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)で働くために必要/有利な資格
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)に就職するために必須の資格はありません。
ですがPRに関した資格もあり、数値で結果を示しにくい業種であるからこそ資格を取得しておくことが大切になります。
取引先などから信頼を獲得するためにも、資格を持っておくと有利になるでしょう。
PRプランナー資格認定制度
PRプランナー資格とは、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会が主催している検定試験です。プレス(PR・広報)の仕事に必要な知識とスキル、職務意識を有することを認定します。
【応募サイト】
PRプランナー資格認定制度
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)で働くためのキャリアプラン
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)はアパレル小売などと比べると募集人数が少ない業種です。
また、実務経験が必要とされることが多いので、未経験からプレス(PR・広報)になれるケースはあまり多くありません。
まずはアシスタントとして働き、経験を積んでキャリアアップをしていくことが良いでしょう。
プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の求人一覧
READY TO FASHIONでは、プレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)の求人を多数掲載しております。
PRの求人はこちらまた、プレス(PR・広報)の募集も行っています。
プレス(PR・広報)の求人はこちらプレス(アタッシュドプレス/PRエージェンシー)以外にも、その他の求人も多数取り揃えています。
ぜひ、興味を持った求人があれば応募してみてください!
求人はこちら関連記事
【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「新ファッションビジネス基礎用語辞典(増補改訂第7版)」(バンタンコミュニケーションズ 編、チャネラー、2001)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)