SCM(サプライチェーンマネジメント)とは?
そもそもサプライチェーンとは、製品の発注から配送・販売など、消費者の手に届くまでの製品の流れと、消費者から企業側へと流れていく購買傾向や売り上げ予想といった情報の流れの2つを合わせた一連のプロセスを指します。
これらの流れが滞ってしまうと、過剰在庫や流通の遅れといった支障をきたします。それを避けるため、供給プロセス全体を管理することをSCMといいます。
具体的には、製品の流れと情報の流れを管理してサプライチェーンに関わる各組織が連携を取りながら流通を最適化しつつ、得られた情報を共有して次に活かしていくことがSCMの目的です。
特にファッション・アパレル業界においては、余剰在庫の大量廃棄が経営の問題に留まらず、サスティナビリティの観点からも解決すべき課題とされています。これらの課題に対して、消費行動や流行を分析して最適な在庫を確保することは1つの解決策になります。
トレンドに売れ行きを左右されやすいファッション・アパレル業界において、SCMを導入・推進していくことは不可欠と言えるでしょう。
SCMの具体例
ZARA
「ZARA(ザラ)」を展開するスペインのInditex(インディテックス)では、SCMの一環として様々な画期的なシステムを導入しています。
まず、商品の企画・製造について、一般的なアパレル企業は商品の販売に向けて半年以上前に、トレンドを予測しながら企画を進めて行きます。そのため、トレンドを見誤った場合、多くの商品が売れ残るということも少なくありません。しかし、「ZARA」は、商品の企画・販売までをわずか2週間で行います。そのため、シーズンに入ってからトレンドに合った商品をつくることで、在庫を確実に売り切ることができます。
また、消費者のニーズの理解のために、店舗にデジタル機器を試験的に導入して実際に何が売れて、何が売れなかったのかを効率よく分析するシステムの確立を目指しています。
このように、「ZARA」は消費者のニーズを的確に把握した上で、生産から流通・販売までを最適化しているため、ファッション・アパレル業界におけるSCMの成功事例と言えるでしょう。
SCMの使用例
A「最近在庫の管理コストが膨らんできたね」
B「SCMをもう一度見直す必要がありますね」
そのほかにも知ってそうで知らないアパレル用語を解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
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