アパレル業界の職種別に見る男女比の現状とは

男女差別のない世の中をつくろうと再三言われていますが、そう簡単にはいかないのが現実です。

男女差別はないことに越したことはないですが、性別ごとの比率は職種ごとに異なるのが実態です。

今回の記事ではアパレル業界に見られる、性差の関係や職種別の特徴などについて考えてみたいと思います。

アパレル業界の男女比

アパレル業界の職種別に見る男女比の現状とは

アパレル業界は誰が見てもはっきりと分かるほど、女性の比率が高い業界です。

それはアパレル市場の中でレディースアパレルの割合が多いことから来ています。

アパレル市場は約半分がレディースアパレルです。

そして残りをメンズアパレルと子供服が二分しています。

参考記事
国内アパレル市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

市場規模の関係から、アパレル業界を目指す女性が相対的に多く、服飾系の学校でも女性の比率が高いのが特徴です。

デザイナーやパタンナーなどのクリエイティブ職、本社職、販売員(ショップスタッフ)、ほとんどの職種において女性の比率が圧倒的に高いです。

ただ、メンズアパレルの企業には男性社員が多く在籍しており、レディースアパレルの企業でも営業や生産管理(プロダクトマネージャー)、EC担当では男性も目立ちます。

商社の営業職については男性比率が高く、縫製工場を管理する品質管理や、染色工場などの職人系の職種でも男性が目立ちます。

女性の比率が高い職種

アパレル業界の職種別に見る男女比の現状とは

女性は結婚して出産する人も少なくないので、その期間は産休を取ったり、育児に重きを置く人もいます。

育児と仕事の両立は想像以上に体力や気力のいることです。

アパレル業界は全体的に女性の比率が高いため、子育ては育児に対して理解のある職場や産休制度などの福利厚生が整っている職場が多い傾向にあります。

そのような中でも特に女性が続けやすい職種を3つご紹介します。

販売員(ショップスタッフ)

販売職(ショップスタッフ)は圧倒的に女性比率が高いのが特徴です。

メンズアパレルの店舗に女性販売員が居ることも珍しくありません。

女性でも店長スーパーバイザー(エリアマネージャー)になることは一般的なので、産休や育児休暇も取りやすい職種と言えるかもしれません。

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デザイナー・パタンナー

デザイナーやパタンナーなどのクリエイティブ職も女性が多い職種です。

先の項でお伝えした通り、アパレル業界はレディースアパレルの割合が高いです。

カジュアル系アパレルの分野は流行の移り変わりが激しく、デザイナーは身体のつくりや着心地を考えるため、同性の方がデザインしやすいというところがあるのかもしれません。

万が一産休制度がない企業で、結婚や出産時に退職したとしても、手に職があるので再就職や転職をしやすいのも理由に含まれています。

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本社職

マーチャンダイザー(MD)広報(プレス、PR)スタイリストなども女性の多い職種です。

ファッションアイテムは自身が好きなアイテムを販売することが一番嬉しくなります。

販売員(ショップスタッフ)が自社製品を着用して販売すると顧客は購入しやすくなるので、メンズブランドには男性販売員の比率が高く、レディースブランドには女性販売員の比率が高くなる傾向があります。

アパレル業界はレディースの比率が高いため、女性販売員の比率が高い業界になります。

販売員(ショップスタッフ)から本社へ異動して勤務する人が多いため、自動的に女性比率が高くなる傾向にあります。

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男性の比率が高い職種

アパレル業界の職種別に見る男女比の現状とは

どの職種でこんなにも女性比率が多く、男性のチャンスは少ないのかと言われるとそうでもありません。

アパレル業界で男性が目立つ職種を4つご紹介します。

営業

アパレルメーカー繊維商社(アパレル商社)OEMODM、ほとんどの業種の営業職では男性が多い傾向にあります。

アパレル業界で一番人数が多いのは、会社の規模が大きい繊維商社の営業です。
繊維商社の営業は男性しか採用していない企業がほとんどです。

そこで営業をしていた人たちがOEM、ODMのへ転職することも多く、営業職全体が男性の多い職種になっている傾向にあります。

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生産管理(プロダクトマネージャー)

生産管理(プロダクトマネージャー)も男性が多くいる職種です。

生産管理(プロダクトマネージャー)として働いた経験のある私の個人的な意見としては、スピーディーに仕事をこなしている印象があるため、男性にも向いている職種と言えるかもしれません。

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パタンナー

パタンナーはクリエイティブ職と言われながらもある程度の数字感覚が必要ですし、更に三次元の想像物を二次元に落とし込む立体的感覚がとても重要です。

パタンナーもある程度の男性がいる職種で、フリーランスの男性パタンナーも沢山見かけるため男性にもおすすめの職種です。

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管理職

各業異種の管理職は他の業界同様、圧倒的に男性の方が多いです。

現在多くの会社で、産休が取れるのは女性だけです。また産休を延長して育児休暇を取得する女性が多く、数年単位で仕事を離れることになります。

出産・育児と管理職の両立は会社側に相当の理解がないと難しいというのが現状です。

そのため、継続的に仕事をすることの多い男性が管理職になるという構図が出来てしまいます。

もちろん、女性でも管理職になれる能力を持つ人はたくさんいます。

ですが、現在の日本の社会構造がこのような形態を作っているといっても良いでしょう。

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アパレルの現場で体感した、異性間で仕事をすると上手くいくなぞの法則?

アパレル業界の職種別に見る男女比の現状とは

女性の数が圧倒的に多いアパレル業界ですが、異性間で仕事を渡すというの流れが業種間で多く存在します。

例えば

・女性デザイナーと男性パタンナー
・女性デザイナーと男性のプロダクトマネージャー(生産管理)
・アパレルメーカーの女性デザイナーと仕入先の営業の男性
・営業職の男性とプロダクトマネージャー(生産管理)の女性

このように異性間で仕事の受け渡しをすることにより、うまく進み良い結果になりやすいように感じます。

私がアパレル業界で出会った人で、「この人、本当にすごいな、すごく仕事ができるな」と感じた人には大体、上記のような組み合わせで良い異性の仕事のパートナーがいます。

同性間でうまくいかない仕事でも異性間だとうまくいくことが少なくないかと思います。

女性の比率の高いアパレル業界ですが、各セクションで男性が入り込むことにより、上手く機能しているように感じます。

昇進や昇給、スキルなど会社からの評価。そこから人間関係の不和に繋がってしまうことも少なくありません。

同性間だと過度に意識してしまうこういった問題を、異性相手だと異なる捉え方ができるため、円滑に進めることができるのかもしれません。

まとめ

今回のことが正しいというわけでなく、このような傾向があるという観点でアパレル業界の男女比について考えてみました。

もちろん例外もたくさんあります。

今までアパレル業界で働いてきた中で、管理職のかっこいい女性上司やレディースアパレルの店舗で店長として働く男性。

そして、日本のファション業界を作り上げた有名な男性デザイナーもたくさんいます。

得意分野や能力は人それぞれで、性別とは別のところで付随しているところもたくさんあります。

自分が何の職種がいいのかわからないとき、迷っているときの1つの参考にしていただけると幸いです。

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morinagi

文化服装学院卒業後、勢い余って中国に就職。帰国後にアパレル系商社で生産管理や企画を経験したのち、現在はフリーランスでアパレル系の仕事をする傍ら、ライターとして活動中。就職活動をするときはいつも就職氷河期だったので、試行錯誤しながら戦ってきました。縫製工場が好きすぎて、見学させてもらうのが趣味です。そのためアパレル産業を工業的視点で解釈する癖があります。三種の神器はMacBook AirとJIKI SL-280と日中英服装技術用語辞典。

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