アパレル真贋 / 鑑定の概要から、業務内容、求められるスキルや素質、必要/有利な資格、キャリアプラン、求人情報までを紹介します。
ファッション・アパレル業界の職種を徹底解説する連載シリーズ「アパレル業界職種ガイド」。
ファッション・アパレル業界への就職・転職を検討されている方は必見です。
<目次>
アパレル真贋 / 鑑定とは?
アパレル真贋 / 鑑定は、古着・リセール・2次流通など買取業務を行う企業・ブランドにて、ブランド品の真贋を鑑定し、その価値を見極める職種です。本物と判断できたものはその商品の状態や市場における流通数などから査定し、買取価格・販売価格を決定します。
中古のファッション・アパレル商品の買取・販売において、アパレル真贋 / 鑑定は重要な役割を担います。また、アパレル真贋 / 鑑定には、「ブランド鑑定士」などの特定の必須資格はありません。そのため、ファッション・アパレル商品に関する知識と経験、価値判断基準を把握する必要があり、常に流行をチェックしなくてはなりません。
近年では精巧なコピー商品も市場に多く出回っているため、その真贋を見極める高い能力がアパレル真贋 / 鑑定に求められるようになっています。
アパレル真贋 / 鑑定の仕事内容
アパレル真贋 / 鑑定の実際の業務内容を紹介します。
企業によって内部構造が異なるので、一般的な業務の一部を挙げていきます。
商品の買取・査定
お客さんから、ファッション・アパレル商品を買い取る業務です。企業・ブランドによって、時計、バッグ、宝石、貴金属などアパレル真贋 / 鑑定が取り扱う品目は異なります。商品の価値を査定し、買取価格・販売価格を確定します。価格はその商品の状態・コンディションや市場価値、ブランド価値などから決定します。店舗を持つ企業・ブランドの場合は店舗で行い、EC専業の場合はおくられてきたものを、出張買取サービスを展開している場合はお客さんの自宅などで査定を行います。
真贋の鑑定
その商品が本物であるかどうかを鑑定します。近年ではコピー商品が流通している場合が多いため、アパレル真贋 / 鑑定にとって特に重要な業務であると言えるでしょう。縫い目やタグなど、これまでに蓄積されたデータなどから、その真贋を判別します。そのため、アパレル真贋 / 鑑定には豊富な商品知識と経験が求められます。
問い合わせ対応
問い合わせに対する対応もアパレル真贋 / 鑑定の大切な仕事です。商品の買取についてや査定についてなどの問い合わせがあるため、それぞれに対応しなくてはなりません。
アパレル真贋 / 鑑定になるには? 求められるスキルと素質
アパレル真贋 / 鑑定への就職・転職する上で、求められるスキル・素質を紹介していきます。
豊富な知識量
アパレル真贋 / 鑑定では、ファッション・アパレル商品のほかにも一部企業・ブランドでは、時計やバッグ、宝石、貴金属の査定も行います。コピー品の流通が増加する昨今、そのそれぞれが本物かどうかを見極められる知識量と経験、鑑定眼が求められます。また、持ち込まれた商品の傷やコンディションにより、買取価格・販売価格は変動します。それぞれのコンディションを判定する能力も必要です。
情報収集能力
アパレル真贋 / 鑑定は、持ち込まれた商品に対して正当な価値を判定しなくてはならないため、トレンドと相場を常にチェックすることが欠かせません。そのため、自発的にブランドやトレンド、相場に関する情報を収集できる人は、アパレル真贋 / 鑑定に向いているでしょう。
接客スキル
アパレル真贋 / 鑑定は商品査定の際に接客が必要になります。査定結果に関するトラブルも少なくないため、それぞれの場面で納得させられ知識量と説明力が求められます。
アパレル真贋 / 鑑定になるために必要/有利な資格
アパレル真贋 / 鑑定への就職・転職する上で、必要な資格と有利になる資格を紹介していきます。
協会基準判定士
協会基準判定士とは、一般社団法人日本流通自主管理協会が、企業・ブランドの社員が並行輸入ブランド品や中古ブランド品などを取り扱うために必要な知識を証明するための民間資格になります。
偽ブランド品の流通防止と排除を目的としており、真贋判定方法や商品チェックの方法、各種法令などの知識に関する研修を通して学びます。日本流通自主管理協会の会員企業に属していることが条件となります。協会基準判定士を取得しておくと、アパレル真贋 / 鑑定の業務に有利でしょう。
【応募サイト】
協会基準判定士
古物商許可
アパレル真贋 / 鑑定が取り扱う中古品などは法律上、古物営業法が規定する「古物」に該当します。また事業として古物を取り扱う事業者を古物商と言い、古物商としての営業を行うために必要な資格が古物商許可です。
アパレル真贋 / 鑑定のビジネスにおいて、中古品を売買するためには必携となります。古物商許可は事業の責任者が取得していれば、従業員全員が取得する必要はありません。ただ、将来的に独立・起業などを検討している場合は、取得するといいでしょう。
【応募サイト】
古物商許可
アパレル真贋 / 鑑定になるためのキャリアプラン
アパレル真贋 / 鑑定になるために必要なルートは特になく、古着・リセール・2次流通などのブランド品買取を行っている企業・ブランドへの就職がおすすめです。
アパレル真贋 / 鑑定未経験から直接就職できるよう、多くの企業・ブランドが社内研修制度などから鑑定方法や真贋判断方法、査定手法を学習できる環境を整えている体制となっています。
フリマアプリに発展などにより、古着・リセール・2次流通領域が普及しはじめているため、求人数は比較的増加傾向にあります。
また、必須資格がないため、自ら店舗を立ち上げ、独学で鑑定方法や査定方法を学びながらアパレル真贋 / 鑑定として働く方法もあります。その場合は、古物商許可を取得する必要があります。
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【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)