オフプライスストアとは

オフプライスストアとは、企業・ブランドが抱える余剰在庫などの売れ残り商品(デッドストック)を安価で仕入れて集約し、低価格で販売する小売店のことです。余剰在庫などの売れ残り商品は、本来設定されていた卸売価格(卸売業者が小売業者へ販売する際の価格)より安価で仕入れることができているため、メーカー希望価格・定価よりも安く商品を提供できています。

余剰在庫の廃棄など環境負荷が問題となるアパレル業界において、1つの解決策として近年注目を集めています。

オフプライスストアとアウトレットの違い

アウトレット(ストア)とは、企業・ブランドが生産した​​自社商品を低価格で販売する小売店のことです。それらのアウトレットを集積させた商業施設をアウトレットモールと呼びます。

オフプライスストアとアウトレットは商品を低価格で販売する点は共通していますが、アウトレットが自社商品のみを販売する業態であるのに対し、オフプライスストアは複数の企業・ブランドから仕入れた商品を販売する業態です。そのため取り扱う商品・ブランドなどのバリエーションが大きく異なります。一部のオフプライスストアが、アウトレットでの売れ残り商品を仕入れて販売することもあるそうです。

アウトレットの場合は、商品バリエーションを補填するためにアウトレット限定商品を生産・販売することも少なくありません。また、余剰在庫などの売れ残り商品(デッドストック)以外にも生産・流通過程で発生したB品やサンプル品なども販売されることもあり、その点でもオフプライスストアとの違いが見られます。

出店地域にも特徴があらわれており、アウトレットが首都圏外の郊外に出店される傾向が高い一方で、オフプライスストアの場合は都心部の百貨店に出店されるケースもあり、首都圏エリアで出店されることも少なくありません。

オフプライスストアの具体例

&Bridge

&Bridge(アンドブリッジ)は、株式会社ワールドと株式会社ゴードン・ブラザーズ・ジャパンによる合弁会社の株式会社アンドブリッジが運営するオフプライスストアです。

ワールドが展開する「TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)」のほかにも、「STUDIOUS(ステュディオス)」や「JILLSTUART(ジル スチュアート)」「LANVIN(ランバン)」など価格帯が異なるさまざまなブランドを仕入れて販売しています。関東圏を中心に8店舗を運営しており、大型ショッピングセンターへの出店も増加しています。

Luck Rack

Luck Rack(ラックラック)は、ゲオグループのグループ会社株式会社ゲオクリアが運営するオフプライスストアです。ファッション・アパレルアイテムを中心にコスメや生活雑貨なども取り揃えています。

「Alexander Wang(アレキサンダー ワン)」や「GIVENCHY(ジバンシィ)」「KENZO (ケンゾー)」といったハイブランドも展開。東急プラザ表参道原宿やなんばマルイなど、都心部エリアの商業施設への出店も特徴です。

Onward Green Store

Onward Green Store(オンワード グリーン ストア)は、株式会社オンワード樫山が運営するオフプライスストアです。2020年9月にモラージュ柏にオープンした1号店を皮切りに、イオンモール名古屋茶屋などにも出店しています。

「23区」や「自由区」「組曲KIDS」といったオンワードの自社ブランドを中心に商品を展開。他社ブランドなど取り扱いブランドの拡大を進めているそうです。

オフプライスストアの使用例

A「金欠だけど服買いたいな」

B「オフプライスストア行くか」


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秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

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