新型コロナウイルスの影響により大きな影響を受けたアパレル業界では、多くの企業が21年卒の採用を縮小・中止しました。

ですが、昨年にはアフターコロナで人流が回復したことやインバウンドの増加、OMO(ECと実店舗を統合させたマーケティング戦略)推進などの要因によって店舗の売り上げも回復傾向にあったこともあり、コロナ禍前に近い採用数まで回復を見せました。今年も採用数が増えた企業が多いですが、全体としては横ばいの結果に。

この記事では、アパレル業界に特化した求人サイトを運営するREADY TO FASHIONが独自にリサーチしたアパレル業界の2024年〜2025年度の採用動向についてご紹介します。

業界全体として業績好調な企業が多い

最近の動向としてアパレル業界全体を通して業績が好調な大手企業が多い傾向にあります。

大手セレクトでは、株式会社ベイクルーズでは2023年8月期の売上高は1359億円(前年比9%増)と増収、株式会社ユナイテッドアローズの2024年3月期の売上高1342億6900万円(前期比3.2%増)、営業利益は67億4000万円(前期比5.9%増)と増収増益しています。

メーカーでは、株式会社アダストリアの2024年2月期の売上高2755億9600万円(前期比13.6%増)、営業利益が180億1500万円(前期比56.4%増)と増収増益、マッシュホールディングスの2023年8月期の売上高は1134億円(前期比11%増加)と2021年8月期から3期連続の増収を達成しています。

コロナ禍前に採用数回復も、昨年比では横ばい

※各社ナビサイト参照、他自社調べ

小売では多くの企業がコロナ禍前の水準まで採用数を増やしています。ただ、採用人数が大きく回復した昨年と比較すると結果はほとんど横ばいです。

昨年と比較して大幅に採用数が増えた企業では、ベイクルーズが181人増、ストライプインターナショナルが83人増、マッシュホールディングス(マッシュスタイルラボ/販売職)では99人増と100人近く採用数を伸ばした企業も見られました。

またワールドでは販売職の採用を2年ぶりに再開。コロナ禍前の20年卒の採用数380人には届きませんが、採用数は91人と大きな展開を見せました。

ラグジュアリー・外資系では小規模での採用を継続。リユース業界ではコロナ禍前より採用人数が増加傾向の結果となりました。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。