※7月17日繊研新聞掲載 人が育つ企業特集より

笑顔を引き出す会話で心を開く

廣木さんは「アーバンリサーチ・ドアーズ」ルミネ新宿店で働いて4年目。接客技術に磨きをかけ、現在はVMDや新人教育など様々な仕事に携わる。販売員の魅力は「服だけでなく、音楽や映画など興味のあることも自分の〝引き出し〟にして、接客に生かせること」と話す。

アーバンリサーチ・ドアーズルミネ新宿店スタッフ 廣木真梨亜さん

新人教育も担う

短大でファッションを学び、雑貨が主力の小売店に就職。自身の中で洋服への興味が強くなり、「アパレルも充実したセレクトショップで働きたい」と考えたのを機に、20年4月にアーバンリサーチ(大阪市)に入社した。「プライベートで良く利用し、親近感を覚えていた」ライフスタイル提案型のアーバンリサーチ・ドアーズで、ルミネ新宿店に勤務し、4年目に突入している。

ふだんは、接客はもちろん、自身のお薦めのスタイリングを、毎日複数回撮影する。「アーバンリサーチオンラインストア」のスタッフスタイリングなどで発信されるものだ。社内のインスタライブにも不定期で参加している。

23年からは店内のVMDの一部を担当するようになった。天然素材にこだわったブランド「かぐれ」の魅力を効果的に見せよう、と日々努力している。そして、24年からは新たに新人教育も担うことに。「人に教えるのは初めての経験。教えることで、自分の力もさらに伸ばす良い機会になっている」と振り返る。

服や雑貨も充実したライフスタイル提案型セレクトショップの「アーバンリサーチ・ドアーズ」ルミネ新宿店

これまで接客ロールプレイング大会に意欲的に参加し、接客に磨きをかけ続けてきた。21年にルミネ新宿の接客ロールプレイング大会に初出場。大会に向けて「みっちり練習したが、本番で頭の中が真っ白になってしまった」。入賞はしたが、「悔しくて1時間ぐらい思い切り泣いた」。

大好きなお笑いを見て、「もう一度頑張ろう」と自分を奮い起こし、「自分の弱さを克服した」。22、23年も参加し、入賞を続けている。また、22年には社内のロールプレイング大会にも初参加し、ゴールドバッジを獲得した。

これを機に、社内の接客強化チームのメンバーの一人に選抜された。メンバーとして自店以外の店で、ブランドをまたいで参加することもあり、自身にとって良い刺激になっている。

距離縮める工夫を

廣木さんがふだんの接客でやりがいを感じるのは、「たとえ距離感をつかみづらいお客様であっても、会話に工夫をして距離を縮めることで、パッと心を開いてくれた瞬間」だ。「お客様の立ち振る舞いを見ながら、少しずつアプローチ」し、臨機応変な会話で、「一度笑ってもらえると、ぐっと手応えを感じる」。

「自分が関心を持ち、インプットしたものすべてが、接客をはじめとした仕事に生かせること」が、販売員の魅力だと考える。音楽や映画、アート、本などのカルチャーに関する教養を〝引き出し〟としてたくさん持つことで、接客の場面で、様々なお客に対し、多彩な角度でアプローチが可能になる。共通の話題で会話を弾ませることにもつながる。

「服のスタイリングもそう。好きな服をどう楽しめるかの引き出しを増やすことが大事」と廣木さん。SNSが広がり、インスタライブなど、「販売員ができることの幅も広がった。やりたいことをいろいろと自由に出来る仕事だと思う」と笑顔を見せる。

今後の目標については、「今すぐにやりたい役職は特にない」が、「人、物、器で言えば、人が一番気になるカテゴリー」と言う。「新人教育に携わっているが、これからも人と関わり、相手の長所や魅力を伸ばすのを手伝えるような役割を目指したい」と話す。

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《ここがすごい!》
接客力については申し分なし。目標に対して必ず結果を出してくれます。常に明確な目標を持ち、その目標に向かって率先して行動しています。誰しも中堅、ベテランになるにつれ、目標を見失う時や仕事への集中力が切れる時があると思いますが、廣木にはそれがありません。そして、事前準備を怠りません。常に先のことを考えて準備をしていて、周りからも頼りにされています。
(石塚久晃アーバンリサーチ・ドアーズルミネ新宿店店長)

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