世界に誇るメイドインジャパンのひとつ、デニム。ファッションアイテムとして不動の人気を誇るデニム製品ですが、デニム業界内においては物価高による企業の負担増加や慢性的な人材不足が課題となっています。

そういった状況を打破しようと企画されたのが、合同展示会「DENIM CREATION CIRCUS」。9月19日(木)〜9月21日(土)の期間、「DENIMを“紡ぐ”者たち」というテーマのもと、代官山にて初の合同展示会が行われ、3日間で約150社の企業と約100名の観客が来場しました。

参加企業は、坂本デニム株式会社、株式会社クラボウインターナショナル、篠原テキスタイル株式会社、藍屋テロワール、株式会社福井商店、備南染工株式会社、株式会社山陽ハイクリーナー、株式会社ウエルズ、YKKスナップファスナー株式会社、株式会社フクイ、株式会社ドアーズ、株式会社エラボレイト

イベントでは、テキスタイルやデニムパンツ、デニムジャケット、トラウザーといった各社のデニム製品を展示。またデニムにスナップボタンを取り付けたキーリングの制作体験ができるなど、デニム企業の仕事に触れられるコンテンツが目白押しでした。

デニム産地の岡山や広島などを拠点とする企業が多い中、デニム製造企業が集まるのは貴重な機会。来場者にとって普段目にすることのないデニムの製造過程を学ぶきっかけとなるだけでなく、出展企業も製品にかける思いや魅力を伝える場となり、大盛況でイベントを終えました。

そんな本イベントの出展企業である、株式会社ドアーズと篠原テキスタイル株式会社で働くお二人にデニム製造企業の魅力についてお話を伺いました。

「世界のブランドと関わり合える魅力がある(篠原テキスタイル株式会社:営業・藤井さん)」

【70秒でインタビューを見る】

ーー会社の簡単なご紹介をお願いします。

名前の通りデニムを織る会社です。ただ、テキスタイルだけでなくデニムを使用した製品や余った糸で靴下も作っているところが会社の特徴です。

ーー会社では何名の方が働いているんですか?

20名ほどです。機織りの会社なので、現場で生地を作ったりそれをチェックしたりする職人さんがほとんどです。50年以上働かれている熟練の方が多いので、それを若手に継承するのが今の課題ですね。どんなに仕事を取ってきても、実際に生地を作れないと会社としては成り立たないので、これから若い方にどんどん継承していきたいです。

ーーデニム業界に入ったきっかけを教えてください。

学生の頃はアパレルメーカーを志望していたのですが、ジーンズの加工業のアルバイトを経験して、初めて服作りはアパレルメーカーだけじゃないと気づいたんです。展示会やショーを行うアパレルメーカーも華やかで魅力的でしたが、裏方や作り手の仕事もアリだと思って。この道を進み、25年経ちました。

ーーテキスタイル企業の営業職で働かれる上でのモチベーションは?

自分が入りたかったアパレルメーカーさんと仕事をして、自分たちの会社で作ったデニム生地が商品として形になったり雑誌やショーに出たりするところです。

あと、誰もが知っているメーカーさんと商談ができるようになったんです。アパレルメーカーで働いているとそういった方と関わる機会がないので、すごく楽しいです。

ーー今後、どんな方に入社してもらいたいですか?

とにかく服が好きな人です。服作りに関わることで楽しめるようなモチベーションを持った方や、それに魅力を感じられる方だと長く働けるのではないでしょうか。地味な仕事ですが、世界のブランドと関わり合える魅力もつまっているので、それを前向きに考えてくださる方、お待ちしています!

「自分の作りたいものを作るために、どう同じ思考のブランドを見つけてくるか(株式会社ドアーズ:代表取締役・鳥谷さん)」

【70秒でインタビューを見る】

ーー会社の簡単な紹介をお願いします。

1998年に創業した、デニム製品を中心としたOEM・ODM事業を展開する会社です。

ーー会社の魅力を教えてください。

僕らのキャリアを利用しながら、若い子の作りたいものを形にしてあげられることが会社の魅力です。年々会社に勤めていると、知識は増えていくけど若い子たちの思考や感性は失われてしまいます。今回の展示会でもドアーズの加工商品は全て入社1年目と2年目の子たちが考えているんですよ。

会社のコンセプトの中で生きていくと、自分を殺してコンセプトに合わせなきゃいけないですよね。でも僕らがやっているOEM業は自分の作りたいものを作るために、どう同じ思考のブランドを見つけてくるかだと思うんです。そうすると、自分の作りたいものが自由に作れる。社員にも自分の感性を活かして仕事をしてほしいと伝えています。

ーーファッション業界を目指す人にメッセージをお願いします。

自分を殺さないでほしいですね。失敗を恐れずにいかに自分を貫くか、その貫ける環境を作れる自分になることが大切だと思います。ブレーンとなる存在がいれば、やりたいことの幅が広がるのでそういう仲間を作ってもらいたいなと思います。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。

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