※2月19日繊研新聞掲載 人が育つ企業特集より

「水沢ダウン」をはじめ妥協しない物作りが自慢のデサントジャパン。こだわりの商品を直接客へ提案する販売職は、同社にとって最も重要な仕事の一つだ。店舗の意見を積極的に吸い上げる社風のため、社内外で円滑なコミュニケーションが取れる人材の確保に注力している。DTC部門リテールビジネス部店舗人材開発課の嶌田幸治さんに話を聞いた。

DTC部門リテールビジネス部店舗人材開発課 嶌田幸治さん

――25年卒の採用活動は。

現場からの要望もあり、昨年より4人多い19人を採用しました。傾向としては、今年から「マイナビ」での募集を始めたところ、エントリー数が約3.7倍に伸びたのが特徴です。大学生の応募数が特に多く、大卒の内定者が増えました。

コロナ禍が明けて、企業の採用活動が活発化したことで、学生にとっては売り手市場です。内定を出した学生とコミュニケーションを取る機会を増やすなど、選んでもらうための努力がより重要になってきました。

休日数の増加、残業の削減など、働き方改革も進んでいます。初任給の引き上げや、地域間の賃金格差の是正など、待遇面の改善も行っています。

――求める人材は。

まず何より、明るく元気であいさつができること。接客業ですから、これは絶対条件です。

面接では、困難を自ら乗り越えてきた経験を必ず聞きます。そうした経験は必ず仕事でも生きて来るからです。それと素直さですね。質問に対して言葉に詰まったり、分からないことがあったら、とりつくろわずに、正直にそう言える人を評価しています。

コミュニケーション力も当然大事です。会話のうまさだけでなく、相槌の仕方や表情など、傾聴する姿勢を感じさせる、細やかな気配りがあるかにも注目しています。

スポーツ経験やファッションの専門知識は問いません。お客様も趣味でスポーツを楽しむ人、ファッションアイテムとして着る人、本格派のアスリートなど様々。そうした一人ひとりのお客様のニーズを真摯に受け止めた提案ができるよう、自発的に学べる人を求めています。

――入社後の仕事内容やキャリアパスは。

接客はもちろん、在庫・顧客管理など多岐にわたります。お客様から得た商品の要望を本部へ伝えたり、店舗独自の販促イベントを立案することも大切な仕事です。最近は「スタッフスタート」を活用したコーディネート提案など、ECの領域にも活躍の場が広がっています。

入社初年度は社会人としてのマナーから、実践的な接客スキルまで学べる研修を5回に分けて行うので、安心して働けます。スタッフのまとめ役、店長など役職に合わせた研修も充実しています。キャリアパスはどんどん充実させていきたい。店舗から総合職に転身する事例も増やしたいです。

東京・渋谷の旗艦店「デサントトウキョウ」

――自社の販売職の魅力とやりがいは。

スポーツウェアからファッションアパレル、ギアまで幅広い商品を扱っており、お客様のライフスタイル全般に関わる提案ができる点が強みです。

物作りに強い思いを込めている企業なので、語れるポイントやストーリーが豊富で、率先して売りたくなる商品がたくさんあります。販売職はお客様に直接、満足と信頼と商品を提供できる唯一の職種。その特権を楽しんでもらいたいです。

風通しの良い環境も魅力です。本社が店舗を一方的に管理するような体質ではありません。店舗からの意見を大切に吸い上げ、全社一丸となって上を目指そうという意識が浸透しています。

近年は直営店での販売を強化しているので、今後さらに販売職の重要性が増し、やりがいのある仕事になっていくと思います。

《会社概要》
■売上高:1269億円(24年3月期)
■主要ブランド:デサント、ルコックスポルティフ、アリーナ、マンシングウェア、アンブロ、ムーブスポーツなど
■従業員数:連結2659人(24年3月末時点)

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