GW商戦に盛り上がるファッション業界。そんな中、着実に進んでいるのが就職活動。2018年は3月に就活情報の解禁、6月から面接というスケジュールで採用活動が行われている。
本記事では、東洋経済onlineが記事で発表している、「就職人気トップ100社ランキング」から、ファッションに関わる企業をピックアップし、系統ごとに企業や仕事情報を紹介する。
まだ、進路に迷っている就活生や、今後、ファッションに関わる仕事に就きたいと思っている学生の参考になれば幸いだ。
<目次>
広告系|人気企業上位を占める
ファッション好きな若者が、はじめに就職先の選択肢に入れることが多いのが広告会社。クリエイティブな仕事のイメージや、ビジュアルで消費者に対して訴えるというイメージがあるからではないだろうか。
ファッションと関わるといえば、クライアント(依頼をしてくる相手)がファッション企業の場合が考えられる。イベントや、コピー/ビジュアル/企画の考案、そして広告の運用など多岐に渡って、ファッションと関わる可能性がある。
「ジェイアール東日本企画(10位)」
ランキング順位では、大手3社を見事に抜いた。ファッションとの繋がりとしては、JR系列ということで、駅に構えるショッピングセンター「ルミネ」の施策に関わることが考えられる。
「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(12位)」
「電通(35位)」
「アサツーディ・ケイ(89位)」
広告会社大手に挙げられるのがこの3社である。また、2強であることも業界では有名で、電通と博報堂を合わせて「電博」と訳される。
ファッションへの繋がりとしては、誰もが知る大手ラグジュアリーブランドなどが顧客リストに名を連ねており、ファッションに関わる可能性は存在する。
また、子会社/出資先として「ザ・ゴール」「博報堂マグネッツ」「コスモ・コミュニケーションズ」などファッションに特化した広告代理店があり、よりファッションと関わる可能性が高まる。また、ランキングには現れていないが、この分野での老舗として「双葉通信社」がある。
雑誌社系|紙媒体の人気は衰えない?
「ファッションが好きになるきっかけは、ファッション雑誌だった」という2018年卒予定の若者は少なくないだろう。ファッションとファッション雑誌は切っても切り離せれない関係にあったことからも、ファッション雑誌に携わりたいという学生は多い。
しかし、応募に対して募集が少ないのが出版社。晴れて入社できたとしても、ファッションが好きだからといって、100%の確率でファッション雑誌担当になるかは、タイミングや運に左右される。また、近年では、紙からWEBへの急激な移り変わりによって、改革を求められている。
「集英社(19位)」
「Seventeen」「non・no」「SPUR」「UOMO」などのファッション誌を発行。「週刊プレイボーイ」「週刊少年ジャンプ」など多くの書籍を取り扱う大手。
「講談社(33位)」
「おもしろくて、ためになる」をモットーに「with」「ViVi」などのファッション誌を発行。他、「ゲキサカ」「FRIDAY」「週間現代」なども手掛ける。
商社系|高学歴な若者が目指す
以前、インタビューで掲載した筑波大学の学生が目指していたように、ファッションに携わりたい高学歴な学生の多くが選択肢に入れる確率が高いのが商社。海外の工場とアパレル業界を結ぶ、重要な役割となっており、ファッションの川上側(作る)-川中(うる)を繋げる担い手となっている。
「伊藤忠商事(27位)」
商社で一番人気は、伊藤忠商事。業績を伸ばし、初の業界首位を獲得したことも影響している。繊維事業での強みがあり、ファッション特化の子会社に「伊藤忠ファッションシステム」なども存在する。
「三菱商事(40位)」
商社の中で最も企業価値が高いのが、三菱商事。ファッション特化の子会社に「三菱商事ファッション」なども存在する。
「丸紅(45位)」
「丸紅ファッションリンク」「丸紅ファッションプラニング」などの子会社がある。
「住友商事(78位)」
傘下に「住商ブランドマネジメント株式会社」などが存在する。
「タキヒヨー(75位)」
ファッションに特化した専門商社。繊維専門商社の中では1位にランクイン。1751年と繊維商社の中でもっとも歴史があり、アパレル事業や小売事業、テキスタイル事業など幅広く展開。
アパレル系|文系上位100社では業界の最大手のみ
「ファーストリテイリング(37位)」
上位100位に入った企業の中で、ファッションを作り出し売っていくアパレル企業としてランクインしたのは、「ユニクロ」「GU」などを展開する業界の最大手ファーストリテイリング。
売り上げは、2兆円に迫る勢いで、「ZARA」を展開するインディテックスや、「H&M」を展開するヘネスアンドマウリッツと共に、世界の市場で戦いうグローバル企業。店頭での販売から世界展開の施策まで、ファッションに関わる様々な仕事が存在する。
同社は、EC(ネット通販)での売り上げや施策でも国内市場を牽引している。READY TO FASHIONでも、同社のEC担当者を招いた学生向けの勉強会「FASHION EC LAB」を開催がしたこともある。インターンやアルバイトなどの募集にも積極的で、ファッション業界に関わる窓口は大きい。
化粧品系|女子に人気?
「資生堂(58位)」
広い意味でのファッションと捉える中では、美容/コスメがあり、女性からの支持が強い。インターブランドジャパンが発表している、日本のブランドランキング「グローバル部門」では、同社は16位にランクインしており、ブランドとしてもとても強い価値を持っている。他、「ロレアル」「コーセー」などもこの分野にあたる。
その他|意外なところからも
「アミューズ(94位)」
サザンオールスターズや福山雅治らが所属する芸能事務所のアミューズは、2016年、子会社の株式会社希船工房に「ミュベール(MUVEIL)」「ジュンハシモト(JUNHASHIMOTO)」「アグリス(AGRIS)」を迎い入れ、グッズの販売などに応用させることを発表した。
アパレルのノウハウを、芸能事業を展開する同社が取得することなど、業種を問わず新しい挑戦が行われている。一見、ファッションに関連しないようなところにも、ファッションと関わる手段が存在している。
まとめ
さて、2018卒の学生に人気な企業から、ファッションに関わる可能性や、仕事の内容を簡単に説明したが、いかがであっただろう。
ファッションが好きな若者は、「洋服のデザインの仕事」というイメージを強く持っているが、ファッション業界には上記にピックアップしただけでも多くの仕事がある。
もし、ファッションに興味があるのであれば、ファッションを一括りにせず、そこには様々な仕事が存在しているという広い視野を身につけてもらえると幸いだ。そして、好きなことを趣味に終わらせるのではなく、趣味を仕事にして、豊かな人生を歩んでもらいたい。