ファッション・アパレル業界では、各社から多くのインターンシッププログラムが組まれています。

販売のロールプレイングなどを体験できる1dayインターンシップからアパレルEC運営などを体験できる長期インターンシップまで、さまざまな形態のインターンシップがありますが、そもそもインターンシップとは何なのか、どのように選択し、就職活動に活かしていけば良いのかなどをまとめました。

これから就職活動を本格的に始める方だけでなく、就職活動をしながらインターンシップに取り組みたい方など、少しでもインターンシップに興味を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

インターンシップとは

インターンシップとは、学生が企業で研修や業務などを就業体験する制度のことです。

ファッション・アパレル業界では、実店舗で働ける内容のインターンシッププログラムだけでなく、バイイング体験や商品企画など人気職種のプログラムも組まれています。

実際の業務を体験できるインターンシップに参加することによって、具体的に働くイメージをつかめるため、志望する業界・業種の動機も明確になり、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

インターンシップは期間も内容においても多種多様なので、自分にあったプログラムの形式を選ぶ必要があります。

以下は、企業で主に実施されるインターンシップの形式です。

業務体験型・・・企業での見学や業務体験を行う形式のインターンシップです。説明会などでは伝わりづらい業務内容を理解することができます。
例)接客・販売などのロールプレイング

セミナー型・・・説明会よりも一歩踏み込んだ形式のインターンシップです。企業によっては、セミナー後に社員との交流の場や質疑応答時間を設けている場合があるので、現役の社員から実際の詳しい話を聞くこともできます。
例)現役社員の座談会

課題突破型(ワークショップ型)・・・業務に関連したテーマが与えられ、課題に対する解決策について、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションなどを行うプログラムのインターンシップです。発表内容について、社員からフィードバックを貰える場合も。
例)ファッション・アパレル業界の問題に関するディスカッション

実践型・・・実際に企業の職場に通って業務を行うプログラム形式です。数日間のものから中長期にわたって行うものもあります。主にマーケティングや商品企画などのインターンシップで採用されることが多い形式です。
例)店舗での接客・販売

業務体験型や実践型などのインターンシップ形式では、実際の業務を現場社員と同じように行うので、業界や企業で働くことが、自分自身にマッチしているかを判断する大切な機会にもなります。

インターンシップの選び方と参加方法

アパレルインターンシップ

先述したように、様々な形式のインターンシッププログラムが充実している昨今ですが、闇雲に参加するのではなく、実際に自分の目的や志望度などに合ったインターンシップはどのように選べば良いのでしょうか。インターンシップの選び方・参加方法などを紹介していきます。

選び方

自分の目的などと照らし合わせて自分に合ったインターンシッププログラムの形態を探ってみましょう。

【形態】
業務体験型・・・その企業の方針や職種の業務を深く理解したい人におすすめです。実践型よりも気軽に参加できるので、気になっている企業があれば参加してみるといいかもしれません。

セミナー型・・・1dayでの開催の場合も多く、業務体験型と同様に気軽に参加しやすいため、業界や職種の視野を広げたい方や、その企業に興味がある方におすすめです。

課題突破型(ワークショップ型)・・・業務の難易度や自分の業務に対する適正・伸びしろを知りたい人に向いているインターンシップ形式です。セミナー型よりも主体的に学んでいく形なので、スキルアップにもつながります。

実践型・・・志望している業界や企業がある程度決まっている人や、その業界での経験がある人にとっては、リアルな職場の雰囲気を知るだけでなく、自分のスキル向上にも繋がるのでおすすめです。

【期間】
1日・・・具体的な志望先が決まっていない人や複数の業界を比較して視野を広げたい人に向いています。単日で終わる内容で、オンライン開催している場合もあるので、比較的参加しやすく、企業の大枠のイメージを掴むことができます。

2〜3日・・・志望業界・職種がある程度決まっており、実際の社風や業務を体感・体験してみたい人におすすめです。1dayプログラムに比べてより深く企業や業務内容を知ることができます。

1カ月以上・・・具体的で明確な目標があり、志望する業界がはっきりしている人向けで、実際に現場の社員ともコミュニケーションを取れるのが特徴。企業や職場でのリアルな体験ができるので、働いているイメージが掴みやすいです。長期インターンシップの場合、給与が発生することも少なくありません。

参加方法

インターンシップに興味を持った方は、まずは現時点で興味のある企業のホームページや求人媒体などでインターンシップの有無や内容を調べてみましょう。OBやOG、学校のキャリアセンターなどを通して紹介してもらうのも方法の一つです。

参加したい企業のインターンシップが決まったら、それぞれの企業の応募形態に従ってエントリーします。

ちなみに、規模感の大きいセミナー型のプログラムでは、オンライン開催されることも多く、人数制限なしで参加できる場合もあります。

一方で、人気企業のインターンや、長期インターンなど人数を絞らなければならないときは、履歴書やエントリーシートなどの選考を経てインターンシップの参加が決まることも。

また、企業によって募集開始や締め切りの時期が異なるのはもちろん、提出物の作成時間などもかかるため、早めに情報をチェックして選考の対策をしておくと良いでしょう。

READY TO FASHIONでもファッション・アパレル業界のインターンシッププログラムの求人を多数掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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インターンシップ参加時にふさわしい服装とは?

アパレルインターンシップ


業種や職種にもよりますが、アパレル業界ではリクルートスーツではなく、私服で選考をする企業がほとんどです。そんなアパレル業界のインターン選考時や実際に参加する時には、どのような服装で行けば良いのかを紹介していきます。

まずは自分の好きな服装で参加するのが良いでしょう。

もちろん、企業やブランドのイメージに合わせたコーディネートや受ける企業のアイテムを着用していると、職場で働いているイメージがつきやすいと感じる人事もいるかもしれません。

ただ、企業やブランドイメージに合わせてコーディネートを組むよりも、自分らしさを分かってもらえるようなファッションの方が人事の面接担当者にもありのままの印象を与えられるのではないでしょうか。

結果的に他学生との差別化も図れるので、個性が分かるファッションで参加するのもいいかもしれません。

アパレル業界のインターンシップで学べること

ファッション・アパレル業界のインターンシップで体験することができる仕事内容を紹介していきます。

各企業によって、内容や形態はさまざまなので、興味のある企業があれば、インターンシップ情報を調べてみてください。

販売業務

店頭での接客業務です。ファッション・アパレル業界では、アパレル店員から経験を積んでキャリアアップしていくのが一般的です。そのため、いち早く販売の基礎を学べます。

短期インターンであれば、社員とのロールプレイング、長期インターンであれば、実際に店頭に立って販売業務をすることもあります。

【関連する職種】
アパレル店員
アパレル店長
スーパーバイザー(エリアマネージャー)

商品企画

どの商品をどのブランドに置くのかや、ターゲット層にマッチする商品開発を含めた新商品の企画・立案から販売まで一連の流れを学べます。

通常体験する機会のない商品企画ができるインターンを開催している企業も。

【関連する職種】
ファッションデザイナー
マーチャンダイザー(MD)

店舗開発

店舗開発では、新店舗の出店場所やそれに関する広告・宣伝方法などのマーケティングについて学べます。最近では、リアル店舗の店舗開発だけでなく、ECサイトの新規開設について学ぶプログラムも多くなっているようです。

【関連する職種】
アパレル店舗開発
デジタルマーケティング

SNSマーケティング

アパレル業界のマーケティングにとって切り離せない存在となったSNSですが、昨今では、アパレル店員などがSNSを用いて積極的にブランドを発信しているケースが増えています。

そのため、ファッション・アパレル業界に関わる全ての人に、SNSやSNSマーケティングへの知識が必要です。

これらのことからも、投稿の撮影・編集作業やSNSアカウントの運用などのインターンシップを行う企業も増えてきています。

【関連する職種】
アパレルEC運営
SNS担当
デジタルマーケティング
アパレル店員

マーケティング戦略

新店舗の開発や商品企画などの元になるファッション・アパレル業界のマーケティングの理論などを学ぶことができます。

インターンシップの中でも人気のあるプログラムで、マーケティング施策の企画・立案などを行うことが多いです。

【関連する職種】
マーケター
マーチャンダイザー(MD)
プレス(PR・広報)

アパレル業界の動向

課題突破型(ワークショップ型)のインターンでは、マーケティング的な目線でアパレル業界の動向を学び、業界への理解を深めます。

アパレル業界における市場規模の変遷やリアル店舗とECの連携方法、低価格志向への対応など、近年の問題点やこれからの動向などについて学んでいくことができます。

【関連する職種】
マーケター
デジタルマーケティング

アパレル企業のビジネスモデル

アパレル業界のマーケターやマーチャンダイザー(MD)など販売戦略の職種に関わりたい人におすすめのインターンです。

ビジネスモデルとは、事業で利益を生み出す仕組みを指し、アイテムの企画から生産までを一貫して行うSPAモデルや、SNSなどで販売促進を行い、自社のオンラインストアで直接商品を販売するD2Cがその一例。

ビジネスモデルへの理解を深め、ビジネスチャンスの在処について学んでいきます。

【関連する職種】
マーケター
マーチャンダイザー(MD)

インターンシップは就職活動に有利か

実際、インターンシップは就職活動の際の選考に有利なのかを紹介していきます。

先述したように、インターンシップに参加できなかったからと言って、選考に不利になることはありません。

ただ、学生の熱意を測れる点や、業界や企業への理解を深められている点からすれば、他の学生より多少のアドバンテージを得られることもあります。

内容によっては、そこでしか得られない貴重な体験ができるインターンもあるので、興味のあるインターンシップには参加するのもいいかもしれません。

そうは言っても、アルバイトや部活動など、その他の理由で参加が難しい人は、無理に中断する必要はありません。熱中して取り組んでいる学業や課外活動なども、インターンシップに劣らないくらい重要なものです。

そこから得た経験も自分のアピールポイントになるので、就職活動でぜひ活かしてください。

アパレル業界のアルバイトとインターンシップの違い

アパレル業界のアルバイトとインターンシップでは何が異なるのでしょうか。その違いを紹介していきます。

一般的に、アルバイトは賃金を稼ぐことを目的とし、インターンシップは、キャリア形成の一環として業務の理解を深めたり、適正を図ったりすることを目的としていますが、アパレル業界ではアルバイトであったとしても実務経験をしっかりと積めるのが特徴です。

一般的なアルバイトは、マニュアルに沿った定型業務や作業が多いイメージですが、そもそもアパレル業界での仕事では、ファッションが好きという気持ちが前提。

マニュアル通りの仕事をするのではなく、ファッションが好きでいかに目標を持って働けるかが大切なので、アパレル業界ではアルバイトであっても、販売やマーケティングなどの実践的な知識やスキルを養えます。

ただ、インターンシップは、企業が課題となるプログラムを組んでいる前提で働ける場合もあるので、アルバイトよりも集中して短期的に習得できるかもしれません。

また、就職に繋がるケースもあるため、企業によってはインターンシップを選考と捉えている場合も少なくないです。

ファッション・アパレル業界におけるそれぞれの特性を知った上で、アルバイトかインターンシップの選択ができると良いでしょう。

下記の記事では、「READY TO FASHION」に掲載しているおすすめのインターンシップ求人を開催形式別にご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください!

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。