ファッション雑誌編集者とは、ファッション雑誌の誌面をつくる職種です。誌面の構成検討、それにあわせた企画立案、予算・スケジュールなどの管理、記者やカメラマンなどの手配、原稿作成・編集、誌面レイアウト構築など業務内容が幅広いです。

この記事では、そんなファッション雑誌編集者の概要から業務内容、求められるスキルや素質、必要/有利な資格、キャリアプラン、求人情報までを紹介します。

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ファッション雑誌編集者とは、読者を魅了するマルチタスクな人

ファッション雑誌編集者

ファッション雑誌編集者とは、ファッション雑誌の誌面をつくる職種です。誌面の構成検討、それにあわせた企画立案、予算・スケジュールなどの管理、記者やカメラマンなどの手配、情報収集、取材・撮影、原稿作成・編集、誌面レイアウト構築、校正、印刷所との連携など業務は多岐にわたります。

ファッション雑誌編集者には、読者を魅了する内容を考案し、記者やライター、カメラマン、モデル、デザイナー、印刷所など制作に携わる各方面と連携をとりながらそれを誌面に落とし込むことが求められます。

誌面内容については、記者・ライターなどに依頼する場合もありますが、企業や媒体によって、ファッション雑誌編集者自身が記事を執筆作成する場合もあります。ほかにも、媒体や出版社からの委託を受け、雑誌のページ制作を請け負う編集プロダクションが制作する場合も一般的です。

ファッション雑誌であれば、常にファッション・アパレル業界に関連する動向に着目しながら、最新の情報を発信することが重要です。また、近年では多くのファッション雑誌がWEBメディアを備えている場合も多くあるため、それぞれのメディアの特性にあわせた編集が必要です

ファッション雑誌編集者の仕事内容

ファッション雑誌編集者

ファッション雑誌編集者の実際の業務内容を紹介します。企業によって内部構造が異なるので、一般的な業務の一部を挙げていきます。

企画立案・構成

ファッション雑誌編集者は、定期刊行・不定期刊行問わず、誌面で特集する内容をまず確定する必要があるため、ファッション雑誌編集者チーム内・編集部内にて、企画会議を行います。企画会議では各ファッション雑誌編集者が企画案を提出し、それらを協議の上で制作する企画を決定します。その決定を踏まえてファッション雑誌編集長が担当者とページ割を割り振ります。

ページ割にあわせて、どのように内容を構成するかも検討します。ビジュアルについてはエディトリアルデザイナーなどと打ち合わせながら決定します。その内容がファッション雑誌編集者チーム内・編集部内ないしファッション雑誌編集長の許可を得て制作作業を始めます。

情報収集

確定した企画にあわせて、その内容に関連する情報をファッション雑誌編集者は収集します。誌面内容をよりよいものにするためには。その後の人員管理などにも関わる業務であるため、適切なスケジュールの上でファッション雑誌編集者は情報収集を行います。

人員・予算・スケジュールなどの管理

ファッション雑誌編集者は、その企画とページ割から適切な記者・ライターやカメラマンなどの人員を手配します。それぞれに依頼料やスケジュール、内容などを正しく依頼することが重要です。

加えてその企画の予算やスケジュールを管理しなくてはなりません。予算については、限られたなかで原稿料や撮影料、モデル料、イラスト料、デザイン料、印刷料などを適切に配分します。

スケジュールは雑誌刊行日・公開日が確定しているため、それにあわせて印刷所への入稿日を決定します。そこから逆算して原稿の締切、取材日程のデッドライン、デザイン発注日の期限などを決めていきます。ファッション雑誌編集者のほかにも複数の人員が関わるため当初のスケジュールから変動することは少なくありません。締切に間に合わせるようにスケジュールを調整することもファッション雑誌編集者の大切な仕事です。

撮影

手配したカメラマン、ファッションモデルらとのスケジュールをあわせ、撮影を実施します。ロケなどが必要な場合は撮影場所の撮影許可もとる必要があります。写真などのビジュアルが重要になるファッション雑誌では、それぞれの企画に適した画像を撮影しなくてはなりません。

取材

誌面内容を充実させるため、手配した記者・ライターと取材対象者とのスケジュールをあわせ、適宜取材を実施します。その際、画像が必要な場合は撮影許可の申請、インタビュー内容などのディレクションをファッション雑誌編集者が行います。

原稿作成・編集・校正

誌面内容に盛り込む原稿を作成します。記者・ライターに執筆を依頼する場合は内容のすり合わせやスケジュール確認をした上で進行します。記者・ライターから初稿が届き次第、ファッション雑誌編集者が編集し修正・改善の提案を行います。この作業を数回繰り返して原稿内容を確定します。この段階で誤字脱字がないか、掲載内容や取材内容に事実誤認がないかなど、適切に校正・校閲を加えます。

誌面レイアウト構築

作成・編集した原稿や撮影した画像などの誌面を構成する素材が集まり次第、内容を確認・修正します。修正が必要な場合は執筆した記者・ライターと連携し修正します。撮影した画像から使用する画像を選定し、必要に応じてイラストレーターへのイラスト作画依頼、コピーライターへのコピー作成依頼を出します。それらの全て素材が完成次第、ファッション雑誌編集者がエディトリアルデザイナーと連携しレイアウトデザインを構築します。

印刷所との連携

完成したレイアウトデザインが完成し、内容の確認ができ次第、そのデータを印刷所に送り、試し刷りをしてもらいます。試し刷りの状態で文章や画像、デザイン、色味を再度確認し、修正点については印刷所に依頼し修正します。それらを適切な回数経て作業が完結します。

ちなみに、下記の記事ではファッション雑誌編集者に関するYouTube動画をまとめています。ファッション雑誌編集者が具体的にどんな仕事をしているのか、紹介しているメディアごとに比較しながらぜひご覧ください!

>>「ファッション雑誌編集者」の舞台裏を覗く!ファッション業界のYouTubeまとめ

ファッション雑誌編集者になるには? 求められるスキルと素質

ファッション雑誌編集者

ファッション雑誌編集者への就職・転職する上で、求められるスキル・素質を紹介していきます。

情報収集能力

ファッション雑誌編集者は、広くファッション・アパレル業界に関する流行・トレンドや情報に敏感であることが求められます。もちろん業界関連に限らず、幅広い分野に関する知識ももちろん大切になるため、世の中の動向に常にアンテナを張っておくことが必要になります。

>>今を知るために要チェックなウェブメディア20選はこちら!

管理能力

ファッション雑誌編集者は、ファッション雑誌制作全般の業務に携わります。人員の管理はもちろん、予算やスケジュールを正確に管理する能力が求められます。ファッション雑誌制作には締切が厳格に設定されているため、記者・ライターからの原稿などはその締切に必ず間に合わせなくてはなりません。あらゆる面で管理能力が必要になるため、制作進行を見渡せる視野の広さがファッション雑誌編集者には求められます。

文章作成・添削能力

記者・ライターから届く原稿やファッション雑誌編集者自身が作成した原稿などについて、誤字脱字やてにをはなどの確認、日本語表記の整理が必要な作業となります。また、記者・ライターから届く原稿に関しては、原稿をよりよくするためのアドバイスも欠かせません。ファッション雑誌が紙媒体である場合、一度印刷されてしまうと修正ができないため正確さが求められます。

ファッション雑誌編集者になるために必要/有利な資格

アパレル 職種

ファッション雑誌編集者への就職・転職する上で、必要な資格と有利になる資格を紹介していきます。

校正技能検定

校正技能検定とは、日本エディタースクールが主催・実施する文章の不備なく正しく整える校正技能を認定する検定です。校正技能のアピールとなる資格になるため、ファッション雑誌編集者を志す人には基礎知識習得のためにもおすすめの資格です。

【応募サイト】
校正技能検定

DTPエキスパート認証試験

DTPエキスパート認証試験とは、メディア設計および制作に関連するDTP、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーションなどの関連知識を習得した人材を認証する検定です。グラフィックアーツに携わる人材すべての共通言語、必須知識の知識を証明する資格になります。

【応募サイト】
DTPエキスパート認証試験

ファッション雑誌編集者になるためのキャリアプラン

アパレル 職種

ファッション雑誌編集者になるための最短ルートは、大手出版社に就職することです。大手出版社の場合、大学卒業以上の学歴が求められることが大半です。ほかにも編集プロダクションへの就職、専門学校やエディタースクールなどで編集の基礎知識の習得が、ファッション雑誌編集者になるためのルートと言えるでしょう。

雑誌編集部でのアルバイトから直接ファッション雑誌編集者になるケースもあります。一部の出版社やメディア媒体ではアルバイトを募集していることも少なくないため、各種求人媒体を確認することをおすすめします。

フリーのファッション雑誌編集者として活動することも可能ですが、bいずれにせよ、出版社や編集プロダクションで実務経験を積むことが肝心でしょう。

ファッションメディア関連の求人一覧

READY TO FASHIONでは、ファッションメディア関連の求人を掲載しております。ファッション雑誌編集者になるなら身につけておきたいライティングスキルを磨けるファッションライターの求人も掲載中。気になる方はぜひご覧ください。

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【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)


秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

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