株式会社ワールドが主催する連続セミナー企画「ワールド ファッション アカデミア」では、“ファッション業界の未来を担うZ世代のリアルと意識”をテーマに、学生377人を対象にアンケートを実施しました。

ファッション・アパレル業界に興味を持つ専門学生・大学生に通う学生の業界に対する意識とはどのようなものなのでしょうか?

就業意識

アンケートに回答した学生のファッション・アパレル業界への就業意思は全体の70%にのぼるそうです。服飾専門学校に通い、同イベントへ参加する学生ということを踏まえた上でも、過半数が業界への就業を検討しているというのは興味深い点です。

もちろん、同イベントに参加するほどファッション・アパレル業界に関心が強いと思われる学生のうち30%が就業に不安を覚えているという点は見逃せません。

興味ある職種

さらに、ファッション・アパレル業界の職種を下記の4カテゴリに大別し、興味がある職種を調査。

「作る」(デザイナー、パタンナー、マーチャンダイザー[MD]、テキスタイルデザイナー、生産管理、縫製技術者、品質管理)
「つなぐ」(バイヤー、販売員、Eコマース、デジタルマーケティング、ディストリビューター、ファッションアドバイザー、営業、SNS運用)
「伝える」(ビジュアルマーチャンダイザー、プレス、販促、スタイリスト、ファッションエディター、フォトグラファー、ヘア&メイク、インフルエンサー、教員)
「支える」(物流、店舗開発、人事・総務財務・経理)

アパレル 学生 アンケート
ワールド調べ

最も人気を集めたのは、バイヤーや販売員など比較的直接ファッション・アパレル商品に携わる職種群の「つなぐ」が30.2%。次いで、プレスなど販促系やメディア系の職種群の「伝える」が30.1%、デザイナーなどものづくりに関わる「作る」が22.6%、バックオフィス系の「支える」が17.1%でした。

さらに、各職種の憧れ・好感度と興味・関心度については下記画像の通りとなっています。

アパレル 学生 アンケート
ワールド調べ

各カテゴリにおいて、「つなぐ」ではバイヤーが、「伝える」ではスタイリスト、「作る」ではデザイナー、「支える」では店舗開発が最も興味を集めた職種だったそうです。

それぞれ、以前から人気を集めていたファッション・アパレル業界の花形職種であり、その傾向はなおも変わらないということが見受けられます。

業界に対するイメージ

業界に対するポジティブなイメージは下記画像の通り。

「華やか」「おしゃれ」という印象が多く集まっており、次いで「最先端」や「流行」といった言葉が寄せられています。

アパレル 学生 アンケート
ワールド調べ

ネガティブなイメージについては、「低賃金」「重労働」などの業界の労働条件・労働環境に関する不安にまつわる言葉が多く寄せられたそうです。加えて、「大量生産・大量廃棄」といった環境問題関連のキーワードも挙がっており、現役学生のSDGsに対する意識の高さを感じられます。

調査概要

調査方法:学生にアンケートを実施。
調査期間:2022年1~2月 
調査対象:国際ファッション専門職大学、昭和女子大学、文化服装学院、杉野服飾大学、女子美術大学、武庫川女子大学(順不同)に在学する学生。
サンプル数:377 

【参考】ファッション業界の未来を担うZ世代に聞く アパレルビジネス意識調査を公開 ― ファッション関連専門学校と大学の学生300名の調査から ―
https://corp.world.co.jp/news/company/2022/1084/

【参考】ファッション業界の未来を担うZ世代に聞く アパレルビジネス意識調査を公開― ファッション関連専門学校と大学の学生300名の調査から ―
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000955.000002439.html

秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。