日本を代表するファッションブランドである「COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)」。
この記事では、「COMME des GARÇONS」の概要や創設者の川久保玲について、沿革、関連ブランドや採用情報などをご紹介します。
<目次>
コム デ ギャルソン創設者の川久保玲とは
コム デ ギャルソンを立ち上げるまで
「COMME des GARÇONS」創設者の川久保玲は、1942年10月11日東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学専攻を卒業後、1964年株式会社旭化成に就職。繊維宣伝部にて3年の勤務を経て、退職後はフリーランスのスタイリストとしての活動を開始しました。
イメージしたスタイリングに最適な服が見つからなかったため、服飾の専門教育を受けていないながら、自らつくりはじめたことをきっかけにファッションデザイナーとしての活動を開始。その後「COMME des GARÇONS」を立ち上げます。
1973年には株式会社コム・デ・ギャルソンを設立。現在(※2023年4月時点)にいたるまで同社の代表取締役社長を務めています。また、1992年に現在コム・デ・ギャルソン インターナショナル最高経営責任者(CEO)を務めるエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)氏と結婚。公私にわたるパートナーとして知られています。
著名人とのコラボ
ファッションデザイナーとして国内のみならず、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)=「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」メンズ・クリエイティブ・ディレクターやファッションデザイナーのマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、リック・オウエンス(Rick Owens)など、世界中のファッションデザイナーやアーティスト、クリエイターから支持されています。
数々の受賞歴
その功績が讃えられ、国内外で数々の賞を受賞しています。以下が例。
第1回毎日ファッション大賞(1983)
第6回毎日ファッション大賞(1988)
アメリカF.G(ファッション・グループ)「ナイト・オブ・ザ・スターズ」賞(1986)
日経ヴーヴ・クリコ・ビジネスウーマン・オブ・ザ・イヤー(1991)
フランス芸術文化勲章シュバリエ受章(1992)
ハーバード大学デザイン大学院優秀デザイン賞(2000)
芸術選奨文部科学大臣賞(2001)
朝日賞(2003)
フランス国家功労勲章オフィシエ受章(2004)
アメリカファッション協会(CFDA、Council of Fashion Designers of America)ファッション アワード国際賞(2012)
近年では ファッションデザイナーとして初めてイサム・ノグチ賞を受賞しています。
また1997年には、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術院)名誉博士号を授与。2017年には、ニューヨーク・メトロポリタン美術館にて日本人ファッションデザイナーとしては初めて、存命中のファッションデザイナーを取り上げるものとしてイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)以来2人目となる特別展が実施されています。
ほかにも、舞踏家マース・カニングハム(Merce Cunningham)主宰の舞踏団マース・カニングハム・ダンス・カンパニーのステージ衣装や北京五輪のアメリカチームの競泳用水着、英スピード社と協業制作した競泳用スイムウェアレーザー・レーサー(LZR Racer)のデザインを手がけるなど、ファッション業界に留まらない活動も行っています。
デザイナーでありながらビジネスパーソン
頻繁に自身のメッセージを発信しないことで知られている川久保玲ですが、米『WWD』が実施したインタビューなどからは、自身のビジネスパーソンとしての側面を重視していることが伺えます。
運営するブランドのアイテムはもちろん、広告・PRから直営店の店舗デザインにいたるまでイメージ戦略を徹底しつつ、そのイメージを崩さない範囲で「PLAY COMME des GARÇONS(プレイ コム・デ・ギャルソン )」などのあらゆる消費者層をターゲットとした価格帯の異なるブランドを複数展開している点は、株式会社コム・デ・ギャルソン、川久保玲のビジネス的特徴と言えるでしょう。
コム デ ギャルソンについておさらい
「COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)」は、川久保玲が1969年に創業した日本のブランドです。ブランド名はフランス語で「少年のように」という意。「ISSEI MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)」と並び、DCブランド御三家と称されており、日本を代表するブランドとして知られています。
1981年にパリコレデビュー。1982年に発表した1982〜83秋冬コレクションは、西洋文化では禁欲的な色として忌避されてきた黒を基調とするアイテム群、穴あきニット「Hole Sweater」を代表とする左右非対称のシルエットなどが、従来の西洋的な美的価値観になかった表現・デザインとして、同時期にパリコレデビューを果たした山本耀司と共に「黒の衝撃」と称され、世界的な注目を集めました。
その後も、不規則な隆起をつくることで独特な身体シルエットを演出した通称「こぶドレス」(1997春夏コレクション)などが新たな身体観・価値観を提示したと話題となり、その創造性は現在に至るまで世界的に高く評価されています。
現在は約20のライン・関連ブランドを展開しており、 川久保玲を中心に、渡辺淳弥や栗原たお、二宮啓らが各ライン・ブランドのデザインを手がけています。
コム デ ギャルソンの求人一覧コム デ ギャルソンの沿革
1969年のブランド創設した3年後、1972年に原宿の「フリーマーケット HELP!」という店舗内の一区画に初出店。1975年に東京コレクションに初めて参加し、同年南青山に初の直営店をオープンしています。
1978年にメンズライン「COMME des GARÇONS HOMME(コム・デ・ギャルソン・オム)」を立ち上げてからは、「tricot COMME des GARÇONS(トリコ コム・デ・ギャルソン)」(1981〜)といった別ラインや、「JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS(ジュンヤワタナベ・コム・デ・ギャルソン)」(1992〜、現「JUNYA WATANABE(ジュンヤ ワタナベ)」)といった関連ブランドなどを順次新設しています。
初めてパリコレに出展した1981年からは海外輸出をスタートしており、 1982年に海外初の直営店をパリにオープン。以後、本格的に海外展開も開始しています。1982年にパリ子会社コム・デ・ギャルソンSA(COMME des GARÇONS S.A.S)、1986年にニューヨーク子会社コム・デ・ギャルソン・リミテッド(COMME des GARÇONS Co. LTD.)など、海外に関連企業も設立しています。
また、2004年にはセレクトショップのDOVER STREET MARKET(ドーバーストリートマーケット)をロンドンにオープン。2012年に東京・銀座に2店舗目を開き、2023年4月現在、世界各地で7店舗を運営しています。
ZOZOTOWNのラグジュアリーブランド・デザイナーズブランド専門通販サイトZOZOVILLA(ゾゾヴィラ)に「DOVER STREEY MARKET ZOZOVILLA(ドーバーストリートマーケット・ゾゾヴィラ )」を出店(2010)をきっかけに、EC事業にも着手。同年にブランド公式ホームページを開設し、現在に至るまで一部ブランドの公式ECサイトを運営しています。
ドーバーストリートマーケットの求人一覧コム デ ギャルソンの関連ブランド一覧(2023年4月時点)
・COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)
・COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン コム デ ギャルソン)
・COMME des GARÇONS GIRL(コム デ ギャルソン ガール)
・COMME des GARÇONS HOMME PLUS(コム デ ギャルソン オム プリュス)
・COMME des GARÇONS SHIRT(コム デ ギャルソン シャツ)
・COMME des GARÇONS HOMME DEUX(コム デ ギャルソン オム ドゥ)
・BLACK COMME des GARÇONS(ブラック コム デ ギャルソン)
・PLAY COMME des GARÇONS(プレイ コム デ ギャルソン )
・WALLET COMME des GARÇONS(ウォレット コム デ ギャルソン)
・COMME des GARÇONS parfums(コム デ ギャルソン パルファム)
・THE BEATLES COMME des GARÇONS(ザ ビートルズ コム デ ギャルソン)
・CDG(シーディージー)
・COMME des GARÇONS ORIGINAL(コム デ ギャルソン オリジナル)
・COMME des GARÇONS AOYAMA ORIGINAL(コム デ ギャルソン アオヤマ オリジナル)
・COMME des GARÇONS HOMME(コム デ ギャルソン オム)
・JUNYA WATANABE(ジュンヤ ワタナベ)
・JUNYA WATANABE MAN(ジュンヤ ワタナベ マン)
・eYe JUNYA WATANABE MAN(アイ ジュンヤ ワタナべ マン)
・tao(タオ)
・noir kei ninomiya(ノワール ケイ ニノミヤ)
コム デ ギャルソンで働くには
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参考文献
『スタディ・オブ・コム デ ギャルソン』(南谷えり子、リトルモア、2004)
『ヴィジョナリーズ ファッション・デザイナーたちの哲学』(スザンナ・フランケル 著、浅倉協子、谷川直子、長岡久美子、春宮真理子 訳、スペースシャワーネットワーク、2005)
『20世紀ファッション 時代をつくった10人』(成実弘至、河出書房新社、2021[2007])
『相対性コム デ ギャルソン論 ─なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』(西谷真理子、フィルムアート社、2012)