転職活動の際に履歴書とあわせて提出するのが、職務経歴書。職種や企業ごとに、求められるスキルが異なるため、具体的な実績や強みを的確にアピールするために重要な書類です。
実際に、「実績が少ないけど何を書けばいい?」「数字での成果をどう示す?」など悩む方も少なくないはず。
この記事では、アパレル業界の転職支援を行うキャリアアドバイザーに取材し、アパレル企業の職務経歴書で求められる書き方を解説を解説します。採用担当者の目に留まる職務経歴書を作成し、キャリア実現への一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
【キャリアアドバイザープロフィール】
<目次>
職務経歴書は自分のプレゼン資料
企業にエントリーする際、一般的には、履歴書と職務経歴書の提出が求められます。職務経歴書とは、応募者の前職での職務経験と、そこで習得したスキルをまとめた書類のこと。具体的な経験やスキルを伝え、採用担当者に即戦力としての魅力をアピールするためのツールです。
一方、履歴書は、基本情報や学歴を簡潔に記載する書類。応募者のプロフィールといった、事務的な情報を伝えるのが目的です。
職務経歴書を作成するにあたって、自分の過去の職歴を振り返って整理します。そのため、自分の長所や強みに気づけたり、面接にうまく対応できるようになったりと副次的な効果も得られます。
アパレル採用担当者が職務経歴書で見ているポイント
販売職の場合、販売スキルや接客経験、売上への貢献度を重視します。特に、具体的な実績(売上向上・リピーター獲得・VMD改善など)を数値で示せるかが重要なポイントです。
職務の羅列ではなく、どのように貢献したかを明確にし、企業が求めるスキルや経験と合致することを伝えましょう。
また、見やすさも大切です。見出しを設けたり、項目ごとに行間を取ったりするなど、採用担当者の視点になって書くことを意識しましょう。

応募先の企業や職種に合わせた内容がベスト。アパレル業界では、「売り上げを伸ばせる人」「顧客満足度の高い対応ができる人」「チームビルディングの経験がある人」などが評価されやすい傾向にあります。さらに、取り扱う商材やブランドのテイスト、価格帯などが近い場合には、その点をアピールすることも効果的です。

職種により異なりますが、まずは実績が大切です。あなたが「どんな会社で」「どのくらいの期間」「どんな実績を出せたか」「なぜその実績を出せたか」といった点を記載しているかを重要視しています。また、文章の整理能力も大切です!人に伝える資料なので、いかにストレスなく読めるかを意識してみましょう。

採用担当者は、求職者が「スキルフィット」と「カルチャーフィット」するのかを見ていることが一般的です。売上やKPI達成の実績や、コミュニケーション能力を強調しましょう。
職務経歴書を書くための4ステップ
ここからは、職務経歴書を実際に書くまでの4ステップを紹介します。
職歴・スキルの棚卸し
まず最初に、これまで担当してきた業務の具体的な内容を細かく書き出します。自分の職歴やスキルを洗い出し、どんな経験や強みがあるのかを整理・明確化しましょう。
職務経歴書の内容は、応募先の企業ごとに変えるのが好ましいですが、その都度、いちから作成するのは大変です。自分の職務経歴や能力などを網羅したマスターシートを作成しておくと、効率的に情報を取捨選択して整理できるのでオススメです。
▼職種の整理
・これまでの勤務先
・在籍期間
・顧客形態
・担当した業務内容
・担当ブランドや店舗規模、客層(販売職の場合)
▼スキルの洗い出しの例
・販売職の場合:「接客力」「リピーター獲得」「顧客対応」
・MD / バイヤーの場合:「商品選定」「仕入れ交渉」「売上分析」
・EC担当の場合:「ECサイト運営」「在庫管理」「広告運用」
・マネジメント経験:「スタッフ育成」「シフト管理」「売上目標達成」
実績を数値で整理する
次に、売上や客単価、フォロワー数など、できるだけ具体的な実績を数値化します。アパレル業界に限ったことではないですが、量的な実績が評価されやすい業界ということもあり、前年比や達成率を示すと、より成果が伝わりやすいです。定性的な成果も、できるだけ定量化しましょう。
▼記載例
・個人売上800万円達成(前年比120%アップ)
・新規顧客のリピート率60%向上
・店舗の顧客満足度アンケートで95点獲得
・業務効率化により、残業時間を30%削減
・仕入れコストを20%削減
応募先企業のリサーチ
さらに、エントリーする企業のリサーチを行います。リサーチする内容としては、事業形態やブランドのターゲット層、コンセプト、競合他社との違いなどの特徴。また、実際に応募する企業のホームページや求人内容を確認し、「必須条件」「求める人物像」「歓迎スキル」なども確認しましょう。
リサーチした結果、企業の事業内容や方向性が、自分の経験とどう結びつくかを考えます。
フォーマットの準備
最後に、職務経歴書のフォーマットを決めます。職務経歴書のフォーマットが整っていないと、どれだけいい経歴であっても伝わりづらくなってしまいます。
実は、職務経歴書の書き方には、いくつかのフォーマットが存在します。下記のフォーマットの種類を参考に、自分にあったフォーマットの形式を選び、見やすい職務経歴書を作成しましょう。
▼基本フォーマットの種類
♦︎編年体式
編年体式は、職歴を時系列順に記載するフォーマットです。過去→現在の順番で書くため、キャリアの変遷が明確に伝わりやすく、長期間の勤務経験がある人に適しています。
一方で、転職回数が多い場合や、直近の経験を強調したい場合は、以下の形式を検討するとよいでしょう。
♦︎逆編年体式
逆編年体式とは、編年体式とは逆で、新しいものから順に経歴を記載するフォーマットです。直近の経験を強調できるため、現在のスキルや実績をアピールしやすいのが特徴です。
転職回数が多い人や、直近のキャリアを強く推したい人に適した形式です。ただ、職歴の流れが分かりにくくなるため、業務内容や実績を明確に記載することが重要です。
♦︎キャリア形式
キャリア形式は、職歴を時系列ではなく、スキルや経験ごとに分類し、その中でアピール力の高い順に並べるフォーマットです。
「接客・販売」「スタッフ教育」など、業務内容ごとに整理することで、特定のスキルや強みをアピールしやすいです。一貫した強みや専門性を採用担当者に伝えられるメリットがあるので、専門職の人や転職回数が多い人、異業種への転職を考えている人に向いている形式です。
ただ、時系列が分かりにくいため、別に時系列で職歴を並べた、簡単な「略歴」を付記したりといった工夫も必要です。
♦︎フリースタイル
その他にも、職務内容の種類ごとに分け、それぞれの区分ごとに時系列で並べる方法があります。スキルや実績、プロジェクト単位で整理することが可能なため、特にクリエイティブ色や企画職など、成果物やプロジェクト単位で実績を示したい人に向いている形式です。
自由度は高いですが、採用担当者が読みやすい構成にすることを意識しましょう。
職種によって、適したフォーマットはありますか?


どの形式でも問題ありませんが、伝えたい経歴によって、選ぶべきフォーマットが変わってきます。一般的には、編年体式がメインですが、昨今ではキャリア側面も見越した「逆編年体式」も見受けられます。ちなみに、私は、最新のキャリアや実績を先にアピールする逆編年体式を使用していました。職務経歴書の後半は、担当者の集中が切れる可能性がある+印象払拭のコストを払うのが大変なので、先に今の自分の印象を持ってもらえるという意図があります。

使用する形式に決まりはありませんが、MDやバイヤーなどの専門職はキャリア形式で、スキルや実績ごとに整理した方が強みを伝えやすいかもしれません。採用担当者が読むことを考慮して、どのフォーマットが適切なのかを考えてみましょう。
【テンプレートあり】職務経歴書の基本構成
ここからは、職務経歴書の具体的な書き方について説明します。
職務経歴書には、「職務要約」→「職務経歴」→「スキル、強み」→「活かせる経験」→「志望動機」→「資格、スキル」→「自己PR」の流れで記載するのが一般的です。
最上部には、中央寄せの太文、かつ本文よりも大きい文字で、「職務経歴書」と記入。次段には、右寄せで「作成日」「名前」「年齢」「住所」「電話番号」を記入します。企業側が複数の職種で採用活動をしている場合は、希望職種も記入した方が分かりやすいかもしれません。
転職回数が多い場合であっても、原則、A4用紙 2枚以内に収めるのが理想です。
職務要約
例文(アパレル販売職)
アパレル販売職として5年間の経験を持ち、接客・販売を中心に店舗運営全般に携わってきました。特に顧客のニーズを的確に把握し、パーソナルな接客を行うことで、リピーターの獲得に貢献。担当した店舗では、指名接客件数を前年比120%に向上させました。また、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)にも注力し、売れ筋商品の視認性を高める陳列を提案。売場改善後は該当商品の売上が月間15%増加しました。さらに、新人スタッフの教育を担当し、接客マニュアルの作成やOJTを実施。チーム全体の接客力向上にも貢献しました。今後はこれまでの経験を活かし、販売だけでなく、VMDや店舗マネジメントなど、より幅広い業務に携わりたいと考えています。
職務要約とは、職務経歴書の内容を簡単にまとめた要約文のこと。先ほども説明したように、一般的には、職務経歴書の冒頭に記載します。
採用担当者が一番初めに目を通す部分なので、200〜400字でアピールポイントを簡潔に記載するとよいです。
また、企業名、職種、実績などのほか、ブランドやショップの販売実績やターゲット層、従業員数、マネジメント経験の有無などの概略も記入すると、採用担当者が職場環境をイメージしやすくなります。
▼ポイント
・経験業界、職種、年数を明記する
・得意分野や強みを簡潔に書く
・応募企業と関連のある経験を強調する
職務経歴
例文(時系列:アパレル販売職)
レディースアパレルブランド「◯◯◯◯◯」◯◯◯店 サブリーダーとして配属
職務内容:・接客・販売業務 ・来店客への接客対応(商品説明、試着の案内、コーディネート提案) ・レジ業務(会計処理、金銭管理、ポイントカード・クーポン対応) ・顧客のニーズを把握し、最適な商品を提案・売上管理・予算達成 ・日次・月次の売上管理および目標達成に向けた販売戦略の実施 ・販売データの分析と施策立案(売れ筋商品の把握、売上向上の提案) ・スタッフ間での情報共有とチーム目標達成への貢献・スタッフ教育・マネジメント(経験者向け) ・新人スタッフの育成・指導(接客マナー、商品知識、販売技術) ・スタッフのシフト管理・業務割り振り ・店舗全体のサービス向上に向けた施策実施
実績:・接客・販売業務を担当し、顧客の好みやライフスタイルに合わせたコーディネート提案を実施。指名接客件数を前年比120%に向上。・VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を担当し、売れ筋商品の陳列変更を提案。売上が月間15%増加。・新人教育を担当し、接客マニュアルの作成やOJTを実施。新人の接客力向上に貢献。・在庫管理業務を効率化し、欠品率を前年より10%改善。
職務経歴は、これまでの職歴を具体的に記載する部分です。「企業名」「所属部署」「在籍期間」を明記しつつ、過去に経験した仕事の詳細について記載していきます。
担当業務や役割を具体的に列挙し、実績には、具体的な数字を盛り込むようにします。どこで、誰に対して、どんなことをしてきたのかが分かるように書くのがポイントです。
取り組んだことが成果に結びついたというシナリオを意識することが大切です。また、キャリアの一貫性や成長が伝わるように工夫してみましょう。
企画職の人は、「担当アイテム」「担当型数」「アイテム構成」「生産背景」なども記入するとよいでしょう。
▼ポイント
・具体的な実績を数字で示す
・業務内容と成果をセットで伝える
・企業の求めるスキルと結びつける
スキル・強み(アピールポイントを整理)
例文
接客力と提案力を強みとし、顧客一人ひとりのニーズを的確に把握したパーソナルな接客を得意としています。特にリピーター獲得に注力し、指名接客件数を前年比120%向上させた実績があります。また、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の知識を活かし、売場のレイアウト改善を担当。視認性を高める陳列変更を行い、対象商品の売上を月間15%増加させました。さらに、新人スタッフの育成にも携わり、接客マニュアルの作成やOJTを実施。教育を通じてスタッフの接客力向上に貢献し、チーム全体の販売力強化を図りました。今後は、これらの経験を活かし、VMDや店舗運営にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
スキル・強みでは、応募先の求めるスキルと一致するものや、職種や業務に直結するスキルを優先的に記載します。具体的なエピソードを交えると、より説得力が増します。
▼ポイント
・具体的な実績を交えて書く
・企業の求めるスキルと関連づける
・強みの裏付けとなるエピソードを加える
活かせる経験・実績
例文
アパレル販売職として5年間の経験があり、特に接客力・VMD・スタッフ育成の分野で実績を積んできました。接客面では、お客様一人ひとりのニーズを丁寧にヒアリングし、最適なコーディネートを提案。これにより指名接客件数を前年比120%向上させ、リピーター獲得に貢献しました。また、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を担当し、売れ筋商品の配置やディスプレイを改善。売場変更後は該当商品の売上が月間15%増加しました。さらに、新人教育のリーダーとして接客マニュアルを作成し、OJTを実施。新人スタッフの早期戦力化を促進し、店舗全体の販売力向上にも貢献しました。これらの経験を活かし、今後は販売だけでなく、VMDや店舗運営など、より幅広い業務に携わりたいと考えています。
過去の経験や実績が、応募先の企業で、どのように活かせるかを伝える部分です。実績や成果を上げるための工夫点、業務において意識したことを簡潔に記載します。
実績を書くことで、どんなことで評価されたのかが明確になります。仮に、目標とする実績を達成できていない場合でも、達成のためにどんな工夫や取り組みを行ったのか、どのように弱点を克服しようと行動したのかを書くようにしましょう。
▼ポイント
・具体的な実績や数値を示す
・経験を企業のニーズと結びつける
・成果につながった工夫や行動を記載する
志望動機
例文
これまで5年間、アパレル販売職として接客・販売に従事し、顧客ニーズに合わせた提案力やVMDのスキルを磨いてきました。特に、リピーター獲得を意識した接客を行い、指名接客件数を前年比120%向上させるなどの実績を残しました。貴社のブランドは、トレンドを取り入れながらも長く愛されるデザインが魅力で、以前から接客を通じてその世界観を伝えたいと考えていました。また、VMDや店舗運営にも関わる機会がある点にも魅力を感じています。これまで培った接客力を活かし、お客様一人ひとりに寄り添った提案を行うことで、ブランドの価値をさらに高めていきたいと考え、志望いたしました。
履歴書で書き足らなかったことを補足する場合は、履歴書に記載した志望動機と同じ内容にならないよう、エピソードを交えるなどして工夫しましょう。
▼ポイント
・なぜその企業を志望するのかを明確にして伝える
・企業の特徴や理念と、自分の経験を結びつける
・熱意を伝えつつ、抽象的な表現は避ける
資格・スキル
例文
【資格】
・販売士検定2級
・色彩検定2級
・ファッション販売能力検定2級
・普通自動車第一種運転免許
【スキル】
・顧客のニーズに応じたコーディネート提案(指名接客件数前年比120%向上)
・VMDの基礎知識を活かした売場づくり(特定商品の売上月間15%増加)
・リピーター獲得のための接客力とコミュニケーションスキル
・新人スタッフ育成(接客マニュアル作成・OJT実施)
・基本的なPCスキル(Excel、Word、PowerPoint)・英語(TOEIC750点)
業務に活かせる資格やスキルを優先的に記載します。接客スキルや人材育成スキルなど、経験を元にした資格の場合は実績とともに書きましょう。
表彰経験や、店舗の新規開店などのプロジェクト経験、イベント経験なども客観的にアピールできる機会になります。
▼ポイント
・応募職種に関連する資格・スキルを優先的に記載する
・資格は正式名称で記載し、取得済みの資格のみを書く
・スキルは具体的な実績や強みとともにアピールする
自己PR
例文
私は5年間のアパレル販売経験を通じて、接客力・VMD・スタッフ育成のスキルを磨いてきました。特に、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った提案を意識し、指名接客件数を前年比120%向上させた実績があります。また、VMDでは売場の導線を考慮した陳列変更を行い、特定商品の売上を月間15%増加させることに成功しました。さらに、新人教育にも携わり、OJT指導や接客マニュアルの作成を担当。新人スタッフの早期戦力化をサポートしました。これまで培ったスキルを活かし、より多くのお客様に満足いただける接客を提供するとともに、VMDや店舗運営にも積極的に関わり、売上向上に貢献したいと考えています。
自分の強みや長所(性格 / 行動特性 / 仕事への姿勢 / 意欲 / どのように応募先企業に貢献したいかなど)をアピールする部分です。
具体的なエピソードを交えて、自分が採用されたらどんなメリットがあるかを伝えます。強み+エピソード+成果の流れで語ると、強みが伝わりやすいです。
また、PRする内容は、応募先の企業が求職者に何を求めているかを考えて選ぶのがポイントです。面接当日までしっかり読み込み、どの部分を突っ込まれても答えられるようにしましょう。
▼ポイント
・強みを裏付ける具体的なエピソードや数値を入れる
・企業の求めるスキルと自分の強みを結びつける
・将来の目標や企業への貢献意欲を伝える
職務経歴書の書き方のポイント
職務経歴書は、単なる経歴の羅列ではなく、自分の強みや実績を具体的に伝える重要な書類です。採用担当者がこの人を採用したい!と思えるような、より説得力のある職務経歴書を作成するために、下記のポイントを意識するとよいでしょう。
見やすさがまず一番
フォーマットの整った見やすい職務経歴書を作成するためにも、特に指定がなければ、基本的にパソコンで作成するのが一般的です。
▼ポイント
・上下左右20mm前後の余白があると読みやすくなる
・箇条書きにすることにすると視覚的に伝わりやすい
強みを数字で示す
数値を使うことで実績が具体的になり、説得力が増します。「売上向上に貢献」ではなく、「前年比120%の売上達成」など、具体的に記載します。
接客なら、「1ヶ月の平均客単価10,000円アップ」「半年でリピーター60人増加」など、定量的に示しましょう。「結果、何が言いたいの?」と思わせないような文章を心がけることが大切です。
PRや広報、接客重視の販売スタッフなど、数値が出にくい職種の場合、職務経歴書には何を書けばよいですか?そもそも、実績に基づかない職務経歴書でも問題ないのでしょうか?


個人的には、実績に基づいた職務経歴書の方が望ましいです。何においても、数値は実績としてついてきます。振り返ってみると、何かしら成果を出せていると思うので、ぜひ深掘りしてみてください。接客重視の販売職でしたら、顧客獲得率や顧客による店舗売上寄与率などをアピールできます。

どの職種でも数値につなげることができます。PR職の場合、「SNSのフォロワー数の伸び」「イベント集客数」「メディア掲載数」などが挙げられます。
実績が少なくても、工夫したことや得たスキルなどをアピールしましょう。
経験をストーリーで伝える
業務をただ羅列するのではなく、取り組んだ背景や工夫を伝えることで、自分の強みを採用担当者に印象付けられます。課題→改善策→結果→成果の順で、具体的に書くとよいでしょう。
例)
✕「VMDを担当」
〇「売上が伸び悩んでいたため、店舗の顧客導線を見直し、視認性を高めるレイアウトを提案。結果として売上10%向上を実現」
貢献できることを明確にする
企業の採用担当者は、その応募者が入社したらどんなメリットがあるのかを知りたいため、職務経歴書では、貢献できることを具体的に伝える必要があります。
即戦力として何ができるのかを明確にするのはもちろんのこと、自分の強みが企業の求めるものと一致するように書きましょう。
面接でのやり取りを想定する
職務経歴書の内容は面接で深掘りされるため、具体的なエピソードを用意しておいた方がいいです。
具体的には、実績の数値についてどうやって成果を出したのかや、どんな工夫をしたのかについて説明できるようにしましょう。
NG例とよくあるミス
抽象的すぎる表現
表現が抽象的すぎると、実績やスキルが伝わりづらいです。「売上に貢献」「接客が得意」といった表現よりも、「お客様一人ひとりのニーズに寄り添った提案を意識し、指名接客件数を前年比120%向上させ、リピーター獲得率を高めました」など、より具体性を持たせましょう。
具体的な数値やエピソードを交えた成果を意識して書くと、より説得力のある内容になり、他の応募者との差別化ができます。

具体的な実績を書いていないのはNGです。販売職の方の場合は、「〇〇店にて勤務」のみでは与える印象がよくありません。自分が業務で意識した点を記載する際には、下記を意識してみてください。
・個人や店舗の課題は何?
・課題と言える根拠は何?
・何をしたか
・その結果、どうなったか
転職理由がネガティブ
「環境が合わなかった」「評価されなかった」などの理由だと、受け身な姿勢と捉えられ、成長意欲が低いと判断されてしまいかねません。こういった、前職の会社の不満を強調した退職理由はNGです。転職理由は、「今後どう成長したいのか」「どのように貢献できるか」を前向きに伝えるのがポイントです。
例)
✕「評価基準が不明確で成長を実感できなかった」
〇「より明確な基準のもとでスキルアップし、実績を積みたいと考えた」
言葉不足
特に、アパレル業界のような感覚的な表現が多くなりがちな業種や職種では、数字や具体的なエピソードを使って説明することが大切です。
「VMDを担当」だけでは、ディスプレイを変更しただけなのか、売上向上を目的とした戦略的な施策を行ったのか、具体的な貢献度が伝わりません。「売上向上のため、顧客導線を意識したVMDを実施」と、一言加えるだけで、解像度はぐんと上がります。
どんな目的で、どんな工夫をし、どんな成果を出したのかを意識すると、より説得力のある職務経歴書になるでしょう。
よくある質問とその解決方法
Q:実績がない場合、どのように自身の経験をアピールすれば効果的ですか?
実績がなくても、得たスキルや工夫・貢献したことを具体的に伝えることで、カバーできます。
例えば、「顧客の雰囲気を察知し、指名接客を受けることが増えた」や「クーポン活用を提案し、リピーター獲得に貢献」、「新人指導を任された」など、具体的に工夫や成果を伝えましょう。
また、業界未経験の場合は、パーソナルな強みを書きましょう。強みの見つけ方については、下記の記事でフレームワークについて紹介しています。ぜひ参考にご一読ください。
プラスアルファーで、「SNS運用に関心があり、店舗インスタグラムを担当」など、学習意欲や前向きな姿勢を伝えるのも一つの手です。
Q:アルバイト経験(フリーターから正社員の求人に応募する場合や、アルバイトで職務経歴書を求められる場合など)しかないのですが、どのように書けばいいですか?
アルバイト経験しかない場合でも、接客スキルや業務改善の取り組みを具体的に記載すれば、問題ありません。「スタッフ間の情報共有を促進し、業務効率を向上させた」など、実績や工夫した点を強調しましょう。勤務年数や担当業務の幅広さもアピールポイントになります。
Q:販売職から本社職への転職では、どのスキルを強調すべきですか?

現在では、STAFF STARTなどを活用し、販売の現場にいながらECへ送客したり、自身のSNSの見え方を工夫してフォロワーを獲得したりと、店頭販売以外でも実績を作ることで、スキルをアピールできるようになっています。今の環境でできることに全力で取り組み、その成果や実績を強調してアピールすることが重要だと考えています。
Q:業績に直接関わっていない業務(在庫管理・ディスプレイ変更など)もアピールできますか?
業績に直接関わらない業務もアピールポイントになります。在庫管理なら「適正在庫を維持する工夫を行い、欠品や過剰在庫を防いだ」など、店舗運営に貢献した点を具体的に伝えると評価されやすくなります。

もちろんアピールできます!チームでの連携は、どの仕事でも重要視されています。在庫管理やディスプレイ変更は、チームで成果を最大化するために必要な業務なので、ぜひご記載ください。

アピールできます。「新人スタッフの研修を担当し、即戦力化を促進」といった、スタッフ教育やマネジメントなども評価対象です。
Q:ファッション業界未経験でも、アピールできるポイントはありますか?
未経験の場合、アパレル業界で活かせそうな経験をストーリーにして伝えることでカバーできます。
アルバイトだったとしても、飲食業や小売店などでの接客経験や、塾講師など対面でコミュニケーションを行った経験がある場合は、有利になることもあります。アパレル業界でも活かせそうな共通するスキルを強調して伝えましょう。

課題解決能力を記載するのがおすすめです。ビジネスは何においても、課題を解決することが重要です。業種こそ違えど、本質は変わらないので、どんな課題にどうやって取り組んできたかをぜひ書いてみてください!改善成果は定量で書くことをお忘れなく!

共通するスキルやファッション業界への熱意をアピールしましょう。その際、前職の業界の専門用語を使いすぎず、アパレル企業にも伝わりやすい言葉で書くことを意識しましょう。また、「未経験なので〜」と弱気な表現を避け、「〇〇の経験を活かして貢献できる」と前向きにアピールすることが大切です。価対象です。
Q:異業種から転職する場合、職務経歴書で気をつけるべき点はありますか?

あくまでも、人に伝える書類であることを忘れないようにしましょう。これであれば理解していただけるのでは、という気持ちで記載することで、丁寧な印象を持ってもらえる可能性があります。ちなみに東大の入試英語では、「簡単な単語を使って文章を書く」ことが高得点の秘訣らしいです。無理に難しい単語を使っても意味がないってことですね。
Q:職務経歴書が3枚を超えるのはNGですか?
3枚を超えると、読む量が増えて採用担当者の負担になってしまうため、基本的に、職務経歴書は2枚以内に収めるのが理想です。
3枚を超えてしまった場合は、不要な情報を削る、箇条書きを活用する、重要度が高いものを厳選するなどして、文量を減らしてみましょう。
ただし、経験が豊富な場合や、専門職などで詳細な実績が必要な場合は、3枚以上になっても問題ありません。読みやすく、伝えたい強みが明確になっているかに留意して、整理しましょう。

職務経歴書に記載する経歴が多い場合、文章量も多くなってしまいます。20年以上の経歴の詳細を書いても、昔のことすぎて評価しづらくなってしまいます。直近の2〜3社をメインに記述し、3ページ以内を目安にすると、読みやすい文量になるかと思います。
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