アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップ。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接などで役立つこと間違いなしです!

取り上げたニュースで気になった企業があれば、企業詳細や求人を見ることもできます。そちらも合わせてぜひご覧ください!

\アパレル業界特化の合同説明会開催/

EC利用の理由はコスト・タイムパフォーマンス

出典:繊研新聞社

NTTレゾナントは、ECサイトの利用動向に対するアンケートを実施。15歳〜69歳の男女1035人を対象にした「ECサイトで買う理由」について調査しました。

結果として、ECサイトでの購入理由は「価格が安いから」が約54%にも及んだことが分かりました。送料無料や期間限定セール、クーポンなどがその後押しとなっているのだそう。

またコストパフォーマンスだけでなく、商品の見やすさなど購入したい商品にどれだけ早く辿り着けるかのタイムパフォーマンスもキーポイントとなっているようです。

手軽にショッピングできる手段としてコロナ禍でさらに加速ECですが、最近ではコスパやタイパの観点から利用されている割合が大きいという結果に。

ただ今回の調査はインターネットを利用している幅広い世代が対象となっているため、ファッション好きの人たちを対象とした場合、また購入の対象をアパレル商材に限った場合にはどのように結果が変わるのかが気になるところです。

参考:ECサイトで買うのは「価格が安いから」 決め手はSNS情報より「送料無料」(2023/06/05)

他業界からファッション市場へのSDGs的取り組み

出典:繊研新聞社

近年では、アパレル業界でもサステナブル素材を利用するなどの取り組みがありますが、アパレル業界に関わる他業界でもSDGsへの取り組みが積極的に行われています。

国際紙パルプ商事株式会社では、ファッション市場向けの新事業として植物由来100%のフェイスカバーを開発しました。

2021年の夏に、石油素材を約70%削減できるフェイスカバーを開発した同社。この時点では合繊を25%使用していましたが、1年半を経てパルプ100%タイプの製品を開発しました。

この100%植物由来のフェイスカバーが、今後どのようにアパレル業界に広まっていくのか。また新たな素材を用いた商品の開発がされるのか注目していきたいですね。

他業界からのアパレル業界に対する環境配慮の取り組みがされているという点でも覚えておきたいトピックです。

参考:国際紙パルプ商事 植物由来100%のフェイスカバーを開発(2023/06/06)

パーソナライズドなサービスを提供するデジタルミラー

出典:株式会社デイトナ・インターナショナル

「FREAK’S STORE(フリークス ストア)」の運営で知られる株式会社デイトナ・インターナショナル。同社は、独自に開発したインタラクティブミラー「+PLUSMIRROR」の他社提供を開始しました。

「+PLUSMIRROR」とは、パーソナルカラー診断やコーディネート分析によるおすすめ商品のレコメンドなどをAIカメラによって実現したデジタルミラーのこと。2022年3月に「FREAK’S STORE」名古屋パルコ店で初めて導入されました。

この取り組みのポイントは、オンラインとオフラインの融合を図るOMOを推進しているだけでなく、AI技術やビッグデータの解析を活用して顧客の好みに応じたパーソナライズドなサービスを提供している点です。

このような顧客のロイヤリティ向上を図る個別のニーズに合わせた体験の提供が盛んに行われています。情報過多、商品過多が叫ばれる今、各企業がどのやって個人に最適化していくのかは注目しておきたいトピックの一つです。

株式会社デイトナ・インターナショナルの詳細ページ

参考:「フリークス ストア」運営のデイトナ・インター オリジナル開発のデジタルミラーを他社にも提供(2023/05/23)

業界活性化の狙う企業横断の取り組み

出典:繊研新聞社

大手アパレル企業である株式会社ビームスと株式会社ベイクルーズ、株式会社ユナイテッドアローズは、販売員向けの3社合同説明会を開催しました。

2022年からスタートし、第4回目の開催となる今回は、買い付けや商品企画に携わるバイヤーやディレクターが販売員に伝えたい商品に込めた思いについて話しました。

販売員の接客力向上を目的とした本ウェビナー。他のブランドやクリエイターとのコラボレーションを通じて業界の活性化や新しいアイデアの創出を狙う取り組みです。

株式会社ベイクルーズの詳細ページ
株式会社ユナイテッドアローズの詳細ページ

参考:ビームス、ベイクルーズ、ユナイテッドアローズの合同勉強会 商品に込めた思いバイヤーらが語る(2023/06/05)

ブランド価値を高めるコラボレーション

出典:繊研新聞社

義足のアーティストとして知られる片山真理の「ハイヒール・プロジェクト」において、ラグジュアリーシューズブランド「Sergio Rossi(セルジオロッシ)」が義足用のパンプスを協業制作しました。

「ハイヒール・プロジェクト」は、2011年に開始し、2022年4月末から本格的に始動。義足の彼女がハイヒールを履きステージなどに立つことによって、すべての人が「理想を抱く自由」を示す目的のプロジェクトです。

ちなみに、「Sergio Rossi」が義足を作るのは初めての取り組みなのだそう。

相乗効果を生み出し、ブランドの価値や顧客の関心を高めるコラボレーション。アパレル企業3社による合同説明会とは少し異なる視点で、アパレル業界のコラボレーションの取り組みについて知ることができます。

株式会社セルジオロッシジャパンの詳細ページ

参考:「セルジオ・ロッシ」 義足のための美パンプス アーティストと制作(2023/06/16)

ファッション産業のこれまでを考察する

出典:FASHION REVOLUTION JAPAN

2013年4月24日、バングラデシュで複数の縫製工場が入居するビル「ラナ・プラザ」が崩落し、死者1134人、負傷者2500人以上を出すというファッション産業史上最大の事故が起きました。

それから10年を迎え、ファッション産業がどのように変化したのかを問う展示「Two Decades of Hidden Fashion」が表参道のGYRE Galleryで6月29日まで開催されています。

事故の原因は、建物所有者のずさんな安全管理だとされています。違法な増築を繰り返したビルは、事故前日に建物にヒビが入っていることを確認したにも関わらず、無視して営業を続けていました。

またこの事故をきっかけに、海外の有名なファッションブランドも労働者を低賃金と劣悪な環境下で働かせていたことが発覚。ファッション産業の闇が浮き彫りとなりました。

「FASHION REVOLUTION JAPAN」によって開催されている本展示。10年間のファッション産業の変化を可視化するインフォグラフィックなどを用い、これまでファッション産業がどのように変化してきたのかを考えるきっかけを与えてくれます。

参考:ラナ・プラザ縫製工場崩落事故から10年、ファッション産業と透明性の今を考える展示開催(2023/06/13)

求人一覧

アパレル業界に特化した求人サイト「READY TO FASHION」では、多数の求人を取り扱っております。

気になった企業をフォローしておくと企業の最新情報をゲットできるのでぜひご登録してみてください!

求人はこちら

三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。