アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

メルカリブランドランキングを発表。2013年と2022年を比較して分かること

出典:繊研新聞社

株式会社メルカリは、2013年と2022年の取引状況やトレンドなどを比較したブランドランキングを発表しました。

2013年の取引ブランドランキング1位が「CHANEL(シャネル)」だったのに対し、2022年のブランドランキングでは「UNIQLO(ユニクロ)」が1位という結果に。さらに、子供服やティーン向けのレディースブランドが多かったのに対し、「NIKE(ナイキ)」や「GU(ジーユー)」、「ZARA(ザラ)」などの取引が増加しているという結果となりました。

また年代別利用者を見ると、過去には30代のユーザーが全ユーザーの5割を占めていたのに対し、2022年には10代から20代を中心に各年代で満遍なく利用されているそう。

前述したブランドランキングも加味すると、売るという行為が幅広い世代に広まっただけでなく、その消費行動が着実に根付いてきていると言えそうです。

参考:「メルカリ」サービス開始から10年 ブランドランキング1位は「シャネル」から「ユニクロ」へ

余剰在庫を生活困窮者に届ける「ファッションバンク」始動

出典:WWDジャパン

毎年、世界では3000億着もの洋服が廃棄されていますが、夏の着替えや冬の寒さを凌ぐ洋服が足りず、困っている人が多くいるのも現状です。このようなミスマッチに対し2023年7月に立ち上げられたのが、一般社団法人FASHION BANK。

そのFASHION BANKによる、市場で余った洋服を回収し、生活困窮者のために配給する取り組みが開始されました。

2021年に合同ファミリーセール&チャリティーイベント「THAT’S FASHION WEEKEND」を立ち上げ、ファッションロス(まだ着ることができるのに様々な理由で捨てられてしまう洋服)の問題と向き合ってきたFASHION BANK代表の菅野充氏。

これまでの活動で培ってきたブランドとのコネクションを強みにし、アパレル企業に協力してもらいB品やサンプル品を含めた余剰在庫を回収し、必要な人に届けていくそう。

アパレル業界に根強く残るファッションロス問題に、今後どう影響を与えていくのか注目したいですね。

参考:余剰在庫を生活困窮者に届ける「ファッションバンク」が始動

ユニクロ運営ファーストリテイリングが増収

出典:株式会社ファーストリテイリング

「UNIQLO(ユニクロ)」や「GU(ジーユー)」を運営する株式会社ファーストリテイリングが2023年9月〜5月の業績を発表し、売上収益と営業利益ともに過去最高の業績を達成したことを公表しました。

特に海外ユニクロ事業が好調のようで、前年同期の2倍に迫る伸長を示したそう。海外ではUNIQLOのミニショルダーバッグが流行したことでも話題になりました。(参考:世界で最もホットなブランドはプラダ、アイテムはユニクロの「ラウンドミニショルダーバッグ」 Lystが発表

一方、国内ユニクロ事業では、トレンドを押さえたタックワイドパンツやカーゴパンツが増収に寄与したとのこと。

YouTubeやInstagramなどでインフルエンサーを中心にUNIQLOの購入品の紹介やコーディネートの投稿が目立つ昨今、海外に引き続き日本でも好調の流れがまだまだ続いていきそうです。

参考:「ユニクロ」中国大陸で急回復 ファストリが通期業績予想を上方修正

2022年度版アパレル業界平均年収を公開

出典:WWDジャパン

アパレル業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」は、登録ユーザーの給与データをもとに算出した「ファッション業界 職種別平均年収2022年度版」を発表しました。

2022年度版のアパレル業界の平均年収は346万円。前年と比較してプラス3万円の結果となったことが分かりました。

職種別に見ると、EC化の加速によりデジタルマーケティングの知見を持つ人材のニーズが高まっているためか、平均年収が一番高い職種がマーケティング職、インバウンド需要により売上増加が見込まれた店長が前年比で14万円増という結果となりました。またパタンナーは27万円減とのことでした。

職種別の年収という視点から業界の動きを知ることもできるので、学生の方にもぜひ参考にしてみてください!

参考:業界平均年収は346万円、アパレル店長の年収は14万円増 2022年度調査

SDGsに関する調査を実施。意識や関心は低下傾向

出典:株式会社クロス・マーケティンググループ

マーケティング調査会社「クロス・マーケティング」が「SDGsに関する調査」を行ったところ、SDGsに対する意識や関心が低下している傾向にあるという結果が分かりました。

「SDGs関連商品・サービスの購入・利用後残る気持ち」について、回答者のうち「良いことをした」と思うと答えた人は2021年に比べて5%減少し52%という結果だったそう。

それに対して、「SDGs目標達成についてどう思うか」という質問では「一過性のもので終わる」と答えた層が若干減少傾向に。

アパレル業界に対する意識調査ではないですが、SDGsに対する意識が全体的に下がりつつあると言えるのではないでしょうか。

参考:クロス・マーケティングが「SDGsに関する調査」を実施 支持・関心は年々低下傾向
データ:SDGsに関する調査(2023年)評価・行動編

テキスト共有アプリ「Threads」がリリース

出典:FASHIONSNAP

インスタグラムを運営するMetaがテキスト共有アプリ、「Threads(スレッズ)」を開始しました。ローンチから2時間で登録者数は200万人を突破、リリースから7時間で登録者数は1000万人を超えました。

ツイッターの競合アプリとして注目を集めているThreads。現時点では広告機能やハッシュタグ機能、投稿検索機能はありませんが、すでにアカウントを開設している大手ファッションブランドやファッション業界人、ファッションメディアが多く見られます。

これまでは写真ベースのInstagramと相性がいいとされてきたファッション・アパレル企業が、今後はテキストベースのThreadsをどのように活用していくのか注目していきたいところです。

参考:
「スレッズ(Threads)」登録者数が1000万人を突破 リリースから7時間で
Metaの新アプリ「スレッズ(Threads)」リリースから2時間で登録者が200万人を突破

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。