アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

株式会社オツモがHUMAN MADE株式会社に社名を変更

NIGO®によるライフスタイルブランド「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」を運営する株式会社オツモが5月5日付で社名を「HUMAN MADE株式会社」に変更し、代表取締役兼COOに新たに松沼礼氏が就任しました。

「HUMAN MADE」はNIGO®自身の所有しているヴィンテージアイテムをもとに2010年秋冬シーズンに立ち上げられ、2016年には株式会社オツモが設立されました。

社名の変更の理由は、「グローバル企業としての認知度とヒューマンメイドの価値向上を目指すため」。前CEOとクリエイティブディレクターを兼務していたNIGO®はクリエイティブディレクターに専念するそうです。

同社は今年1月にファレル・ウィリアムスとアドバイザー契約を締結。アドバイザーとしてファレルが多角的な助言や支援を行うなど、新たな取り組みがされていました。

これらの変化が同社の今後にどう影響を与えていくのか注目していきたいです。

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参考:オツモが「HUMAN MADE株式会社」に社名変更、CEO交代でNIGO®︎はクリエイティブディレクターに専念

ユナイテッドアローズが増収増益。次世代顧客層へアプローチする新規事業を開始

株式会社ユナイテッドアローズの2024年3月期連結業績が発表され、売上高が前期比3.2%増の1342億円、営業利益が5.9%増(前期比)、純利益が12.3%増(前期比)という結果になりました。

「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」と「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティー&ユースユナイテッドアローズ)」は都心部とインバウンドの売り上げが好調に推移したほか、客単価が6.2%上昇したことが結果につながったといいます。

同社が2023年5月に発表した中期経営計画の重要課題の一つには、次世代顧客層へのリーチが掲げられており、新規事業開発を通して業容と顧客層の拡大に注力しています。

今年1月にはミレニアル世代に向けたコスメブランド「UNITED ARROWA BEAUTY」がローンチ。4月には20代半ばの女性をターゲットとするウィメンズシューズブランド「SY UNITED ARROWS(シー ユナイテッドアローズ)」やM・Z世代向けの新規ウィメンズブランド「ATTISESSION(アティセッション)」を開始しています。

今後も合計で30の店舗を出店を予定しているそう。今後の期待が高まります。

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参考:ユナイテッドアローズ24年3月期は増収増益 今期は出店加速し「攻め」に転じる

GUがニューヨーク・ソーホーに初の海外旗艦店を出店

2024年秋にブランド初となる海外の旗艦店「ジーユー ソーホー ニューヨーク店」とアメリカ全土に配送を行うオンラインストアをオープンすることが決まりました。

マンハッタン南西部に位置するニューヨーク・ソーホーのメインストリートに出店することでグローバルファッションブランドとしての発信を強化していくそう。世界に向けてブランドコンセプトや最新情報を発信するショーケースのような店舗を目指します。

日本を中心としたアジアで470店舗を展開している同ブランドですが、アジア圏以外での正式出店は初の取り組み。

2023年9月にはニューヨークに商品本部を設置していますが、今後は現地でデザイナーやパタンナーといった人材の採用を強化し、商品開発拠点としての基盤作りを進めていくそうです。

参考:GUが海外初の旗艦店をニューヨークに出店へ ECも開設し米国全土に配送

伊勢丹、インバウンド売上高が過去最高の1000億円を突破。

三越伊勢丹ホールディングスが2024年3月期の通期決算を発表。総額売上高は前年比12.5%増の1兆2246億円、営業利益は予想を43億円上回る543億円を達成しました。

また国内百貨店のインバウンド売上高は2018年比で45%増の1088億円と過去最高を記録。。インバウンド売上は、コロナ禍前の2019年3月期の755.5億円が過去最高で、1000億円を突破したのは今回が初めてです。

また外商(その百貨店の優良顧客の元へ直接出向き、商品を紹介して販売の交渉を行うこと)売上も好調。これまでは初売りなどのイベントのある日の売上が高かったのに対し、海外外商顧客を含んだグループ上位顧客向けのイベントが開催された日が最も多かったそうで、外商にもインバウンドの影響が出ているようです。

今後も大きな売り上げの伸びが予測されています。

参考:三越伊勢丹HD、国内百貨店のインバウンド売上が初の1000億円を突破

JISが「〇〇革」「〇〇レザー」の表記を厳格化

日本産業規格(JIS)は3月に「革・レザー」の用語規定を見直し、動物由来の素材に限定。「人工的な材料の名称として使用してはならない」と定義しました。

これによって「〇〇革」「〇〇レザー」といった表記の厳格化が進み、「革」「レザー」と呼べるのは動物由来の素材のみになります。

近年、リンゴやキノコ、サボテンといった非動物性の原料を「ヴィーガンレザー」と名付けるなどレザー用語が乱用され、消費者の誤解と混乱を招いていることが問題視されていました。

対応策として国際規格であるISOが2019年に「leather」の規格を定めており、JISの規約見直しもこの国際的な規格化の動きに沿った結果でもありますが、皮革業界や消費者センター、百貨店など小売業界からの要望もあったそうです。

基材の表面に合成樹脂面を配して、革の外観に類似させた素材は、「合成皮革」「人工皮革」に分類されるため、フェイクレザーも不適切な表現となります。

日本の国家規格であるJISは法的強制力はないものの、法令に引用された場合は強制力を持つことができます。

今後、衣料品やバッグ、シューズなどの販売において表記が厳格化。「レザー」をめぐる表記に変化がもたらされます。

参考:「革」「レザー」の表記が厳格に JIS、動物由来に限定

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。

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