アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今月は、近年盛り上がりを見せる二次流通のトピックを特集します。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

しまむら、使わなくなった衣料品を回収する取り組みを実施

低価格帯の衣料品ストアを全国に展開するしまむらが、衣料品の廃棄を減らす取り組みとして使用しなくなった衣料品の店頭回収を6月3日〜7月7日の期間限定で実施すると発表しました。

回収された衣料品は、カジュアルウェアを中心にデニムやホームウェアなどを手がける総合アパレルメーカー、カイタックファミリーが「MUDAZERO」プロジェクトを通し、仕分けからリサイクルまでの作業と、服から服へのリサイクルを行います。

店舗に回収箱を設置し、営業時間中はいつでも衣料品を持ち込めるほか、他社製品の衣料品も回収が可能。回収は「ファッションセンターしまむら」や「バースデイ」などの埼玉県の一部店舗で行われます。

これまでアパレル業界でも、自社で販売した商品を回収してリサイクルにつなげる取り組みがされてきましたが、「ユニクロ」や「GU」、「H&M」に引き続き低価格帯のブランドでも衣料品回収が浸透していくのか今後も注目です。

参考:しまむら、使用済み衣料を回収 再利用で廃棄減らす

SHEINが二次流通サイトをフランスで開始

格安アパレル通販「SHEIN(シーイン)」が、ブランド専用の二次流通サイト「SHEIN Exchange」の展開をフランスで開始しました。

「SHEIN Exchange」とは、ユーザーが既存のアプリ内から購入済みのアイテム横に配置された販売ボタンを押すだけで売りに出すことができるシステムのこと。

再販プラットフォームのリーディングカンパニーであるTreet社とのパートナーシップにより2022年10月にアメリカで運用を開始しており、アメリカで400万人以上が利用しています。

今後はイギリスやドイツでも段階的に展開していくそう。高速で大量生産を行うウルトラファストファッションと呼ばれている同ブランドですが、リサイクルの取り組みがブランド内やアジア圏内でも広まっていくのでしょうか。

参考:シーイン、二次流通サイト「SHEIN Exchange」の展開を欧州でスタート

RAGTAG、買取プログラムを他社へ提供

デザイナーズブランドなどを扱うユーズドセレクトショップ「RAGTAG(ラグタグ)」が、2024年5月から自社で培った衣料品買取の仕組みを他社へ提供します。

「RAGTAG」の商品センターで一括管理する一連のノウハウを一次流通企業に開放し、衣料品を循環させる仕組み。

提供先の企業は、商品を回収し循環させるシステムを導入することで、環境問題にアプローチしながら顧客の購買の幅を広げられます。

同ブランドが自社の買取プラットフォームを提供するのは今回が初めて。なお、導入企業としてパタゴニア日本支社が開始する買取プログラム「Worn Wearプログラム」に5月から提供を開始しています。

リユースアパレル企業が一次流通企業などの他社にこれまで培ってきたシステムを提供することにより、業界全体で衣料品の循環システムが浸透していくのではないでしょうか。

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参考:ニーズが広がる二次流通市場で新サービススタート ー「ラグタグ」が培った買取プログラムの外販開始 ー

メルカリが韓国CtoCアプリ「雷市場」と提携

国内で高いシェア率を誇るフリマアプリ「メルカリ」が、6月20日から越境販売の経路拡大として、2023年に約2800億円の年間取引額を記録した韓国CtoCマーケットプレイス最大手「雷市場」と連携することが発表されました。

メルカリは2019年から越境販売を開始しており、2024年には多言語対応のニーズに合わせてウェブページの多言語(英語、繁体字中国語、韓国語)対応を開始するなど、海外販路に向けた取り組みを行ってきました。

一方、韓国の中古取引市場は2023年に30兆ウォン(約3.4兆円)を超えるなど、15年間で約7.5倍の成長を遂げています。

韓国では、メルカリ内の日本限定版のキャラクターグッズやトレーディングカードなどが人気。今回の提携により「雷市場」のサービスを利用する顧客が、既存のアプリでメルカリの商品を購入することができます。

今後、徐々に取引カテゴリーと品目を増やしていくそう。出品者も越境取引ができることで更なる販路が確保できそうです。

参考:メルカリ、越境販売拡大に向けて韓国最大手CtoCマーケットプレイス「雷市場」(ポンジャン)との連携を開始

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。

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