アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

昨今のアパレル業界では、「PRADA」がAIを活用して香りを再現した香水を作ったり、「YUKI HASHIMOTO」が、AIがデザインするアパレルブランドとコラボしたTシャツを発表するなど、AIを活用した製品やマーケティングなどが浸透してきています。今月は、そんなファッション業界におけるAIのトピックを特集します。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

経済産業省が生成AI活用ガイドブックを公開

経済産業省が「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開しました。

これは、生成AIを活用するにあたって問題となる知的財産権などの権利や利益の保護に配慮した、コンテンツ制作における生成AIの適切な活用の方向性を示すもの。

これまで、クリエイターやAI開発事業者などから、知的財産権などを侵害する可能性があるといった生成AIの活用に関する懸念の声が上がっていました。

これを受けて、ゲームやアニメ、広告業界における生成AIの利活用事例や制作過程における留意点を紹介し、各制作過程で留意すべき注意点をまとめるに至ったそうです。

本ガイドブックは、ゲーム・アニメ・広告に焦点を当ててまとめてますが、「画像生成AIを利用して、デザインやロゴを作成し、商品のデザインやロゴとして利用する」など、ファッション業界でも想定し得る利用シーンとその法的な留意点も多く掲載しています。

生成AIのガイドラインが定められたことによって、ファッション業界でもさらなる生成AIの活用が見込まれます。

参考:経済産業省が「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開 パルコの事例も掲載

メルカリがAIによる写真検索機能を導入

「メルカリ」がAI技術を活用した写真検索機能を導入しました。

これは、スマホの写真をメルカリ上で読み込むことで、メルカリに掲載されている同じ商品や類似商品を検索できる機能。総出品数11億点を超える出品物の中から、ブランド名などが分からず検索できなかった商品を簡単に探すことができます。

同社が顧客を対象に実施したアンケートで、「SNSで見つけた服をメルカリで簡単に探したい」「商品名やブランド名がわからずうまく探せない」などの声から実現したそう。

iOSデバイスで先行導入し、Android版などその他のスマートフォンでも順次導入する予定。業界内だけでなく、消費者にも生成AIによるサービスが広まっています。

参考:「メルカリ」がAIによる写真検索機能を導入

豊島がAIを活用してデザインを行うサービスを開発

豊島がAIの企画支援のツール「バーチャルスタンダードファブリックジーニー」を開発しました。

「バーチャルスタンダードファブリックジーニー」とは、ユーザーがデザイン、生地、色、柄、モデルを順に選択し、生成AIにより3Dのモデルに着装させることができるシステム。

2024年1月に同社が発表した、数千パターンにのぼる柄を生成AIが自動で制作するシステム「VIRTUAL STANDARD AI PATTERN」と連携しており、幅広いデザインが可能になります。

同社が開催している展示会では、AIファッション企画プロデュース会社と協働して、生成AIによって創作したファッションウェアを発表。ショーでもプロンプトを入力するだけで、動画映像や音楽も作れるAIの技術も披露されました。

生成AIによるデザインがファッション業界で広まることで、表現の幅が広がるだけでなくデザインが身近なものになるのでしょうか。今後も注目です。

参考:豊島、アパレル企画の支援ツール AI活用で迅速にデザイン

パルがインフルエンサースタッフを元にしたAIスタッフによる接客サービスを開始

「Kastane」や「Chico」を運営するパルが、AIを活用したインスタグラムマーケティング支援を行う会社、AIQと協働でスタッフとユーザーがデジタル上でコミュニケーションを取れるサービス「ファッションメイト」をリリースしました。

「ファッションメイト」はインフルエンサースタッフを生成元とし、インフルエンサースタッフのインスタに投稿されたデータを分析・学習し、価値観やライフタイル、嗜好、表現方法を理解することで、本人のような投稿やコミュニケーションを実現するサービスです。

これにより、インフルエンサースタッフ本人とコミュニケーションを取っているような感覚で対話を楽しみながら接客を受けたり、新しいアイテムを見つけることができるようになります。

AIによるインフルエンサースタッフと気軽に話せるようになったことで、実店舗への来店も増えたり、ブランドのファンが増えたりするなどの影響もあるのか、期待が高まります。

参考:パル、社内インフルエンサーを生成元としたAIスタッフによる接客「ファッションメイト」を開始

ファッション・アパレルの求人一覧

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。