繊研新聞が発表した、今注目すべき「最もクリエイティブなデザイナーランキング」(1月16日付)。これは、日本の有力セレクトショップのバイヤーや百貨店のディレクターが選ぶもので、まさに今のファッション業界を牽引してくれているブランドということだ。今年はどんなブランドが選出されたのか、本企画では4部門に分けてお届けしていく。
vol.3の今回は国内/レディース部門のランキングを発表。インスタグラムのアカウントも合わせて掲載しているので、フォローして今後の動向にも注目してもらいたい!
<目次>
国内レディース部門
第10位 noir kei ninomiya(ノワール ケイ ニノミヤ)
デザイナーの二宮啓はコム デ ギャルソンでパタンナーを勤めた後、同ブランドを立ち上げ、2013年春夏コレクションからスタートした。ブランド名のノワールはフランス語で黒を意味する。自身も好きな色である黒をメインにコレクションを展開している。
#ノワール ケイ ニノミヤ(こちらは公式Instagramではありません)
第9位 CINOH(チノ)
ブランドのコンセプトは”一瞬の時の中に存在するだけでなく、ワードローブ・想い出に残るモノ創り。”とし、 伝統の無い自由な発想から生まれる東京のストリートをベースにしている。デザイナーの茅野誉之は、文化服装学院などを経て、2007年に自身の会社を設立。2008年にウィメンズブランド「ベスリール」をスタートさせ、14年春夏にブランド名を「チノ」に改称した。
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第8位 AKANE UTSUNOMIYA(アカネウツノミヤ)
ニットが人気の同ブランド。デザイナーの蓮井茜は高校卒業後、ロンドンへ留学し、チェルシーカレッジファンデーションコースに1年通う。その後、セントマーチンのBAテキスタイル科に3年、同校のMAファッションニット科に1年在籍。2009年にアカネ・ウツノミヤをスタートさせる。
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第6位 MADISONBLUE(マディソンブルー)
スタイリストの中山まりこが手がける。ブランド名はNYマディソンアベニューの“マディソン”と、彼女の大好きな“ブルー”が由来。1980年代後半のニューヨーク在住時に米雑誌『Interview Magazine』等でスタイリスト活動・コーディネーションを務めた経験などもあり、スタイリストからデザイナー、果てはディレクターまでこなす彼女の才能は計り知れない。
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第6位 CYCLAS(シクラス)
The SECRETCLOSETのオーナー小野瀬慶子が2016年にスタートさせたセレクトショップ発の同ブランド。彼女は「真摯によいものをつくっていれば、必ず認めてもらえる。そのことを、The SECRETCLOSETのお客様が教えてくださった」と話す。まさにその真摯な姿勢が今回のランキングに顕著に表れたのではないだろうか。
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第4位 FUMIKA UCHIDA(フミカウチダ)
中目黒にあるヴィンテージショップ ジャンティークのオーナー内田文郁が立ち上げたブランド。ブランドコンセプトは”アイデンティティのある女性のための服”だ。ヴィンテージからラグジュアリーブランドまでをミックスした独自のスタイルが人気で、自分らしいおしゃれを追求し続けている。
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第4位 AKIRANAKA(アキラナカ)
中章自身がオリジナルで開発した「グラデーションニット」が有名。素材がグラデーションのように変わるニットで、2つの素材を繋ぎ合せて作られる。高い技術を必要とするテキスタイルだ。2007年 POESIEとしてブランドをスタートさせ、2008年にアキラ・ナカに改名。
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第3位 TOGA(トーガ)
”TOGA”とはギリシア神話の聖なる衣を意味し、イノセントとアンダーグラウンドの融合が同ブランドの特徴。デザイナーの古田泰子はエスモードパリを卒業後、CMの衣装製作に携わった。本人は記憶にないそうだが、小学生の時にはすでに”デザイナーになりたい”と母親に話していたというエピソードも。
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第2位 Mame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)
デザイナーの黒河内真衣子は、イッセイミヤケのパリコレクションの企画、デザインを担当した経験もある。2010年に独立し、マメをスタート。ブランドのコンセプトは”現代社会における戦闘服”で、マメの洋服を着ることにより気持ちがプラスになれるような服作りを目指している。2014年には毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。
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そして栄えある第1位は…
第1位 sacai(サカイ)
今年、1月にはサカイ初となるバッグコレクションを展開し話題を集めた同ブランド。デザイナーの阿部千登勢はコム デ ギャルソンでニットのパタンナーなどを経験した後、結婚出産を機に一度は業界から離れるものの、1999年に子育てのかたわら同ブランドをスタートさせた。
「人生も仕事もバランスが大事」と語る彼女。それは仕事も子育てもきちんとこなしている彼女の人生そのものが物語っている。サカイというブランド自体ももちろん注目だが、彼女自身の生き方にも注目してみるのも良いかもしれない。
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ランキング全体を見渡すと、レディース部門らしく、女性デザイナーたちが自分らしいおしゃれを自然体で楽しみながらブランディングをしているようなイメージが強かった。現代女性らしく生き生きしながら仕事やプライベートを充実させているという理想を見事に見せてくれたのではないだろうか。人生いっかい限り。どう生きるかは自分次第である。
次回は本ランキング企画ラストとなるvol.4 国内/メンズ部門をお届けする。お楽しみに。
Text:Reiko.S(READY TO FASHION編集部)