外資系のアパレル企業というと、ラグジュアリーブランドなど高級感と特別感がある雰囲気を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際、ラグジュアリーブランドで働くのを目指す人も多くいます。

外資系アパレル企業は日系アパレル企業とは働き方や求められるスキルが異なるので注意が必要です。この記事では、外資系アパレル企業で働くための方法や求められるスキルなどを詳しくご紹介します。

未経験で外資アパレル企業で働く方法なども解説しているので、外資系アパレル企業に興味のある方はぜひご覧ください!

外資系アパレルと日系アパレル企業との違い

外資のアパレル企業では、デザインや生産の拠点が海外に設置されているため国外にある本社の方針に従うのが基本です。

また日本限定商品を生産するのはまれで、ほとんどが買い付けや輸入の商品です。

一方で日系アパレル企業では、自社工場を保有せず生産を外部に委託している企業も多いですが、どのようなテーマでどのように商品を作るのかを決定できるのが特徴。お客様や店舗スタッフの声が会社に吸い上げられ、そのままものづくりに反映されることも多くあります。

また、商品の企画・生産・販売を一気通貫で行うSPAモデルも広く浸透しています。

詳しくはこちらの記事で解説しています。ぜひご一読ください!

外資系アパレルで働くには

新卒の採用を実施している外資系アパレル企業もありますが、採用数を含めその数は少なく、中途採用を主軸とした経験者の採用を積極的に行っています。

ここでは外資ラグジュアリーブランドで働くには、どのようなキャリアを積めば良いのかをご紹介します。

日系の高価格帯ブランドでスキルを積む

外資系でなくても、日系のデザイナーズブランドといった高価格帯のブランドで販売員やマネージャーとしてのスキルを積むのも一つの方法です。

デザイナーズブランドなどの高価格帯のブランドでは、外資系ラグジュアリーブランドの顧客層とマッチする部分があるので、カジュアルブランドでは培えない接客マナーを学ぶことができるでしょう。

またラグジュアリーブランドは、ハイスキルな人材を即戦力として会社に迎えたいという考えがあります。そのため外資ではなくても国内の高価格帯のブランドで売り上げを上げるなど実績を残せば、ミステリーショッパーとして来店した外資アパレルブランドのスタッフからヘッドハンティングを受ける可能性もあります。

話は少しそれますが、外資アパレル企業で販売員として入社した人は販売職としてのキャリア(もしくは現場でのマネジメントとしてのキャリア)を積んでいくことがほとんど。販売職から本社職へ異動するケースはほとんどないので注意が必要です。

プレスやVMDなどの本社職で働きたいと考えている方は、日系ブランドで自分の就きたい職種を経験しておいた方が良いでしょう。

外資系ラグジュアリーに強い他業界から転職する

販売経験がなくても、外資系ラグジュアリーブランドと同じ顧客層にサービスを行う業界や業種だと転職時に有利になります。

具体的には、航空業界、ホテル・レストラン業界、百貨店、美容・ビューティー業界などが挙げられます。

3年以上の職務経験が必要とされていることが多いですが、必ずしもアパレル業界内での販売経験が必要ではない場合もあるので、他業界からの転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

航空業界

客室乗務員(CA)からラグジュアリーブランドの販売員に転職するケースも少なくありません。

客室乗務員の業務はコミュニケーション能力はもちろんのこと、ホスピタリティー精神やマナー教養など身に付けられている人が多いため、アパレル商材の商品知識がなくても即戦力として活躍できるポテンシャルを持っているため採用されやすいです。

また英語力もあるため、外資系ラグジュアリーブランドでの業務にプラスアルファーとして活かせるスキルがあるのもポイントです。

ホテル・レストラン業界

ホテル・レストラン業界も外資系ラグジュアリーブランドとの親和性が高い業界です。高級ホテルやレストランを利用する顧客は、実際のラグジュアリーブランドの顧客層ともマッチするので、同じようなカスタマーを抱える業界として転職に有利とされています。

こういった業界・業種においてもレベルの高い接客が求められるので、ラグジュアリーブランドでの高度な接客スキルを期待できるからです。

百貨店での外商経験

百貨店でアパレル販売に携わっていなくても、外商経験などがラグジュアリーブランドの転職で求められることがあります。

百貨店の外商とは、その百貨店の優良顧客の元へ直接出向き、商品を紹介して販売の交渉を行うこと。購買実績や年収、カード支払い実績などの百貨店審査を通過して資格を得た人が外商顧客として接客される制度です。経済力の大きい顧客が外商顧客になります。

そういった顧客に商材を売るため担当者も実績がある人が担当しているので、販売のスキル面からもラグジュアリーブランドへの転職で歓迎されやすいです。

美容ビューティー関連

ラグジュアリーコスメやフレグランス、ビューティーサロンではお客様との距離が近い接客業ということもあり、細やかな気遣いや心地の良い会話など実務経験でしか培うことのできないスキルを持っているので、転職時に有利とされています。

外資系アパレルは未経験から働ける?

結論から言うと、販売職や上記で述べた業種の経験がなくても、ラグジュアリーブランドで働ける場合もあります。

ちなみに、外資系のファストファッションブランドでは、アルバイトから正社員へとステップアップするのがスタンダードな場合もあります。正社員になるまでに時間はかかりますが、未経験からでも外資アパレル企業の正社員を目指すことができます。

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外資系アパレルで求められるスキル

英語力

外資アパレルであっても、販売員として働く場合は高い英語力は必須ではありません。働きながらスキルを身につけていくこともできる企業が多いです。

ですが、予算・客数・達成率・前年比などの社内の共通用語が全て英語であったり、直営店勤務の場合でもマネージャー店長といったポジションになると、本社と連絡を取り合う機会が増え、ビジネスレベルの英語力が必要になる場合もあります。

英語を活かして働きたい方や海外店舗で働きたい方、キャリアアップを目指したい方はビジネス会話ができるレベルの英語力はあった方が良いかもしれません。また最近では中国語のスキルを求めているブランドも多いです。

ブランドのコンセプトや知識

外資ラグジュアリーブランドはブランドイメージを重視します。そういったブランドの顔になるため、ブランドに対する深い理解が必要です。

100年以上続くメゾンであればなおさら、商品知識だけでなくブランドの軌跡を知ることも大切。歴史や世界観、哲学、デザイナーの遍歴などの知識をしっかりと身に付けておくと良いでしょう。

外資系アパレルに向いている人の特徴

高いマナースキルを身につけたい人や、結果主義の風潮がある外資系企業やラグジュアリーブランドで、具体的な数字やノルマを決めて自分の力で成果を出すことに自信がある人は向いていると言えるでしょう。

また外資系アパレルブランドでは、企業買収や経営陣の交代が頻繁に行われるので、経営方針が変わることも珍しくありません。そのため、組織の変化に柔軟に対応できる人なども外資系アパレルに向いています。

逆に、日系アパレル企業は企画から生産までを自社で行っている企業が多いので、ものづくりに興味があったり、自分のセンスを活かしてファッションの仕事をしたい人に向いていると言えます。

外資系アパレルブランドの例と求人傾向

実際にどのような外資系アパレルブランドがあり、具体的にはどんな求人の傾向があるのかをブランドごとにご紹介します。興味のある方は各ブランドの求人ページで気になる求人をぜひご覧ください!

「LOEWE」

1846年にスペイン・マドリードで皮工房として誕生して以来、175年にわたって世界有数のラグジュアリーブランドとして知られてきた「LOEWE(ロエベ)」。職人の技術を重んじた商品を展開し続けてきました。

「LOEWE」のキャリアアップとしては、販売員としてのキャリアを極める道や店舗マネジメントとしてのキャリアを極める道など多彩なキャリアステップがあります。

クライアントアドバイザー(販売員)であれば、業界不問で何かしらの接客・販売経験があれば応募できます。一人ひとりにメンターがつき、1ヶ月間同じシフトでサポートするため整備された教育制度の中で働くことができます。

年俸制ですが、固定賞与が年2回あるほか、インセンティブ制度などもあります。

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「LOUIS VUITTON」

1854年パリで旅行鞄専門店として創業を開始した「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」。現在に至るまで一貫して「旅」をテーマに製品を展開してきました。日本では、草間彌生や村上隆といった世界的なアーティストとのコラボが活発であることでも広く知られています。

同ブランドのクライアントアドバイザーは販売・接客経験が3年以上の方が応募できます。またホテルや航空業界、百貨店の外商などの販売経験を持っていると望ましいようです。

賞与やインセンティブもあり。中国語のレッスンを受けられる教育体制が整っています。

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「BALENCIAGA」

スペイン発のラグジュアリーブランド。1917年にオートクチュールメゾンをオープンしました。クチュール界の建築家と呼ばれた創業者の影響で創造的で斬新なデザインであることが多く、広く親しまれてきました。

現在は「GUCCI(グッチ)」や「Saint Laurent(サンローラン)」、「BOTTEGA VENETA(ボッテガヴェネタ)」などを率いるケリンググループ傘下のブランドです。

同ブランドでは、「READY TO FASHION」でストアマネージャー・アシスタントマネージャー・セールスアソシエイトの求人を掲載中です(2024年5月時点)。

セールスアソシエイトの必須条件は販売経験2年以上。ラグジュアリーブランド経験者やインポートブランド、セレクトショップでの販売経験などが優遇条件となっています。

年俸制でインセンティブ制度もあります。またケリンググループの社員販売割引制度などもあります。

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「FENDI」

1925年にローマでエドアルド・&アデーレ・フェンディ夫妻が小さな毛皮・皮革製品の店としてスタートしたのが「FENDI(フェンディ)」。日本では1968年に1号店がオープンしています。

セールススタッフでは、インポートブランドでの経験や外商経験のある方が優遇されています。

そのほかにも、リテールマネジメントトレーニーとして、新卒または社会人経験2年未満の方を対象に、店舗とオフィスでハイブリッド研修を行う特別なプログラムを提供しています。こちらの求人も掲載中なので「FENDI」で働いてみたいという方は、ぜひチェックしてみてください!

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「CELINE」

子供向けのオーダーメイドのシューズブランドとして始まった「CELINE(セリーヌ)」。その後、著名な顧客の子供たちのためにオートクチュールシューズを手がけるようになり、その成功が後押しとなって女性向けのブランドとしてそのビジネスを拡大していきました。

「お客様の期待を超える感動とサプライズをお届けする」という思いのもと、スタッフ同士が密にコミュニケーションを取り、チームワークでショップ空間を作り上げる職場環境が特徴です。

同社の「READY TO FASHION」に掲載している求人はセールスアドバイザー。こちらは応募の必須条件は特になし。アパレルブランドでの販売経験が2〜3年以上ある方や百貨店の外商経験、ホテルなどのサービス業界経験などがある方が優遇されます。

年俸制で年に2回の賞与もあります。

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上記で挙げたブランド以外の外資系アパレルブランド・企業でも求人を掲載しています。外資アパレル企業で働いてみたい人は一度下記の求人一覧から企業をご確認ください。

外資系アパレルの企業一覧

ファッション・アパレル業界の求人一覧

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ラグジュアリーブランドの求人一覧

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。