グロウ パタンナー

子供服ブランド「devirock(デビロック)」の企画・生産・販売、ECサイトの運営を手がけるグロウ株式会社、そのブランドづくりやものづくりの姿勢を深掘りする連載「グロウ株式会社のこだわりと想い」。

初回となる今回は、グロウのものづくりの要であるパタンナーチームより、平松さんと田口さんにご参加いただきました。

この回ではそもそも子供服のつくりかたの特徴からパタンナーのお仕事について、仕事の中で意識するグロウのミッションと行動指針のこと、今後グロウのパタンナーになりたい人に求める人物像まで細かく伺いました。

グロウ株式会社

子供服のパタンナーってどんなお仕事?

──まずは、子供服のパタンナーの特徴についてお聞かせください。子供服のものづくりはメンズ・レディースアイテムのものづくりとどのような点で異なるのでしょうか?

平松:レディースやメンズのパタンナーは担当するアイテムカテゴリがある程度絞られているかと思いますが、子供服のパタンナーの場合は子供に関わるアパレルアイテム全てに関わります。

子供服では基本的に男児・女児の両方のアイテムを一緒に手がけます。、新生児(「devirock」では取り扱いがありませんが)からジュニア層、親子ペアの大人服までを対象に、カットソーや布帛はもちろん、中綿ダウンジャケット、水着など幅広い性別・年齢・サイズ・素材のアイテムに関わりますね。

グロウ パタンナー
平松さん・・・グロウ株式会社、パターン・デザイン課のリーダー。2018年8月入社。入社時には社内でパタンナーという職種がなく、グロウのパタンナーとして1人目の採用。3人のお子さんを育てながら勤務中。趣味は韓国ドラマ鑑賞とスノーボード。

──かなり広範なアイテムに携わるということですね。お2人は中途でグロウさんに入社されたと伺っていますが、もともと子供服のパタンナーとしてお仕事をされていたのですか?

平松:わたしはこれまでずっと子供服ブランドで働いていて、グロウが4社目です。

田口:私はグロウが2社目で、以前はレディースのアパレルブランドで働いていました。グロウに入ってから初めて子供服に携わりましたね。

グロウ パタンナー
田口さん・・・グロウ株式会社、パターン・デザイン課のメンバー。新卒で百貨店レディースブランドにパタンナーとして入社。2019年11月、現職の子供服業界に転職。趣味は登山と自身の服づくり。

──平松さんはなぜ最初から子供服ブランドの会社に入社されたのですか?

平松:実は私も学生の頃はレディースのパタンナーを目指していたんです。就職活動の中でパタンナーを募集している企業を探していたところ、子供服メーカーの内定をいただいくことになって。アイテムカテゴリ関係なくどうしてもパタンナーとして働きたいという思いがあったので、まずはここで頑張ろうと思って子供服に関わるようになりました。

──レディースのパタンナーになりたいと思ったことはなかったのですか?

平松:実はあったんですよ。子供服パタンナーとして13年ほど働いたタイミングでレディースパタンナーに転職したいなと思い、久々にレディースのパターンの立体裁断を学ぶため職業訓練系の学校に通っていたこともあって。

そこで自分の強みややりたいことをあらためて考え直した時に、やっぱり自分の強みは10年以上子供服のパターンに関わっていた経験、次々新しい子供服をつくっていく楽しさや喜びだと気づいて、もう一度子供服のパタンナーになろうと思いいまでも子供服のパタンナーとして働いています。

──そういう経緯があったんですね。では、田口さんはご転職される際、レディースから子供服へと扱う対象が変わることに戸惑いはありませんでしたか?

田口:もともと入社するまでは、そこまで戸惑いはなかったんですよ。子供服と言っても同じ服ですし、なんとかなるかなと思って入社したんですけど、実際入社してみるとサイズ展開の多さにびっくりして。

レディースだったら5〜3サイズのところ子供服は80cmから160cmまであり、かつ全サイズにグレーディングするっていうのが本当に大変で苦労しました。自分の中の常識が通じないこともあったので、わからないことがあったらとにかく平松さんに相談するようにしてましたね。

パタンナーの仕事に絶対の正解はない

──平松さんは田口さんのような新しく子供服のパタンナーとして働く人に対してどのようなことを考えて一緒にお仕事をされるのですか?

平松:パタンナーの仕事は、1+1=2にはならなくて絶対の正解があるものではないと思っているんです。一緒に働いてる田口さんと私でも、デザイナーさんが提示するデザイン画に対して、全く同じパターンをつくることは無理だと思うんですね。

それが大人でも子供でも、着る人の満足を得られるものが正解のような服になると思っているので、経験があろうがなかろうが、素敵な服をつくりたいという気持ちがあればだれでもできるのかなって思っています。

田口:平松さんは私の意見も積極的に聞いてくれるんです。もちろん、同じ意見じゃない場面もあってその時は、私の意見でやってみようと言ってくれます。それが1番嬉しいですね。

グロウ パタンナー

──チームとしての意見の交流がとてもきれいですね。正解がないというお仕事の中で、チームとしてものづくりの意思決定を定めていかなくてはならない場面はあると思います。その時はどのようなことを意識されるのですか?

田口:ものづくりにおいてはパタンナー同士はもちろん、デザイナーやマーチャンダイザー(MD)、製造工場などと相談していきます。各方面にとって最適な方法を細かく相談した上で決定するようにはしています。

平松:パタンナーの場合は仕様書をつくる段階やパターンを作る段階などそれぞれで相談が必要な場面があります。そのそれぞれの段階で、思っていることを具体的にして目指すべきかたちにできているかどうかをしっかりとすり合わせることが大事だと思います。

たしかに私の経験則で判断がつくことももちろんありますが、その判断基準を持つための経験を田口さんにもしてほしいなと。きっと田口さんの成長に繋がるはずですし、その方がチームとして意味があるので、私の意見を押し付けるようなやり方は絶対にしない方がいいと思っています。

グロウ パタンナー

──平松さんのおっしゃる通り、ものづくりの感覚・考え方は人それぞれ異なると思われますが、ものづくりの方向性や考え方をチーム内で共有するためにはどのようなことに取り組まれているのですか?

平松:「devirock」では、かたちに対する意識を統一するために基本のかたちとなるサンプル資料をカテゴリごとに用意していていますね。

メンズ・レディースであればいわゆる原型とよばれるものがありますが、子供服の場合はほとんどありません。なので、パッと見で理解できるものの資料を用意する必要があります。そで丈や膝丈などは人によって感覚がちがいますが、サンプルさえあれば統一の基準に長さを調整できます。サイズ帯が多いため、丈の長さなどは細かく設定するようには心がけていますね。

──たしかに基準がしっかりしているとチームでものづくりは上手くいきそうですね。丈の基準などで表れてくるかと思いますが、あらためて「devirock」らしさを維持するために心がけていることとはなんでしょうか?

平松:私がつくったものも田口さんがつくったものも、お客様からすると関係ないことでどのブランドであるかが重要になってきます。なので、そこがブレないように先ほどの通り相談しながら確認するようにしています。また「devirock」はEC販売のみを行なっているブランドです。画像だけを見て買われる方やリピーターの方が多いため、サイズ感のブレは特に気をつけるようにしています。

パタンナーの意見を尊重する組織

グロウ パタンナー

──グロウで働いていてよかったと思う場面はありましたか?

田口:グロウではデザイナーやMDなど、さまざまな課の方がパタンナーの意見を尊重してくれます。

これは平松さんのお話なのですが、もともと予定のしていなかったアイテムのリニューアルを提案して、それに他の人たちも賛同してくれて実際にリニューアルする運びになったこともありました。そのエピソードはグロウならではだと思いますね。

──すごい話ですね!

平松:実績がありある程度売れているアイテムについてはそのままで、売り上げが芳しくないアイテムについてはリニューアルするというのがグロウの方針です。その件については、主力の商品でリニューアルしなくていいと言われてたのですが、パタンナーのプライドに懸けてどうしても変えたいとMDに相談して。

話だけではピンとこないということだったので、業務の合間サンプルを用意して提案してみたところ、とても評判がよかったのでかたちを変えることになったんです。言葉だけで議論してもなかなか上手くいかないので、パタンナーとしてものを通して示せば理解してもらえるのだなと感じましたね。

──パタンナーの職能を尊重したやりとりが行われている会社なのだと伝わるエピソードですね。

現状に満足せず成長し続ける姿勢

グロウ パタンナー

──すでに売れ行きのいい商品のデザインに改めて手を入れるのはとても勇気のいる判断が求められたかと思います。

その件については、グロウがミッションとして掲げている「革新的付加価値を創造し世界のあらゆる人々の物心両面の豊かさを追求する」に則したお話だったように思いますが、会社のミッションと照らし合わせながらどのようなことを考えてお仕事に取り組まれているのでしょうか?

平松:グロウは日本一の子供服ブランドになることを目標に掲げています。私も自分なりにそれをやりとげたいという思いで入社してきています。今あるものでいいやと思っていたらそんなブランドには絶対なり得ません。

今の時点で素敵だと思っているパターンも、次の日にはもう古い形になってしまっているかもしれないし、そのことをしっかりと受け入れながら見極めていかないと、たぶんより良い商品は生まれないと思っています。

その繰り返しの中で生まれるものこそがグロウのミッションにある革新的付加価値、世の中にないものになっていくはずなので、現状に満足せずにもっとできることがあるはずと工夫を続けながらこれからもパターンをつくっていこうと考えています。

──とても素敵な考え方ですね。

田口:グロウは店舗を持たないからこそ、ネットを通して色んなお客さまからの意見を直接いただけます。いいところもリニューアルしてほしいところ、物足りなかったところも​​口コミにかいていただけているので、それを支えに今に満足せず、より良いものにリニューアルすることを心がけています。

グロウ パタンナー

──パタンナーとしてのスタンスも見えて凄い面白いお話が伺えました。グロウのミッションはもちろんですが、行動指針として掲げている「グロウコンパス」もグロウを特徴付けるものだと思います。お2人はこの指針を踏まえて、どのようにお仕事に取り組まれているのですか?

GROW COMPASS
1.誰にも負けない強い情熱を持つ!!
2.やるときめたことは最後までやる!!
3.出来る方法を考える!!
4.圧倒的スピード!!
5.一致団結の精神!!
6.利益にこだわる!!
7.成長し続ける!!
8.当事者意識を持つ

平松:私はグロウコンパスを見て、「これは自分のことだ!」と思って入社してきました。このグロウコンパスを心がけながら、もっといいものあるんじゃないかと探求していく情熱を持って日々行動していけば、最終的にどうすればお客様が満足する商品をお届けできるのかというところに立ち返ることができるのではないでしょうか。

田口:私はこの中で特に2つのことを強く意識しています。ひとつが「成長し続ける!!」。いま私は、子供服について全くわからなかったところから平松さんにサポートしてもらいながら少しづつ成長しています。いずれは、平松さんのように新しく入ってきた人をサポートできるようになりたいと思っています。

もうひとつが「当事者意識を持つ」。細かい話をするとパターンデザイン課はグロウの企画部に所属しているので、パタンナー以外の仕事であっても企画部の人が困っているようであれば自分から声かけて、できるだけフォローし合って仕事を円滑に進めていけるようにしようと、常に意識しています。

一緒に成長できる人とチームに

グロウ パタンナー

──では最後に、どういう方にパタンナーチームに入ってきてほしいですか?

田口:私はとにかくパタンナーというお仕事が好きでこの仕事をしているので、同じような考えを持っている人と一緒に働きたいなと常に思っていますね。

平松:仕事の進め方に関しては、チームで動けない人にはグロウのパタンナーは難しいと感じています。どんなに能力があっても、個人プレーに走るばかりではグロウが目指している規模には対応できないので。

パターンデザイン課では業務の割り振りをある程度しますが、基本的にお互いにフォローしあえる体制をとっているので、誰かにだけ負担がかかるようなチームにはしたくないと思っています。それに周りと助け合ったり相談しあったりしながらつくり上げる商品の方がお客様にとってのメリットが大きいものになっていくと思っているので、できるだけ他の人と協力しあえる方に入って頂きたいですね。

田口さんは入社面接でもパターンが大好きですと言っていましたね。田口さんはすごく成長が早くて気配りがとてもできる人なので、たくさん学ぶことがあるんです。お互い刺激しあえるような人に入ってもらいたいですね。

私も田口さんと同じくらいこの仕事が大好きで、子供服のパタンナーでいることが一番自分らしく生きていられると思っています。なので、まずはパタンナーの仕事が凄く好きだって言う人にチームに加わってもらいたいですね。

──お2人の関係がチームとして凄いポジティブな方向に向かっているなと伝わってきました。

平松:時々、学生さんから学校で子供服について学んでいないといけないのか。とか使っているCADの機種が違うと困るのではないか。などと聞かれたりするのですが田口さんはレディースから子供服に来ましたし、私も田口さんも転職してから新しいCADの機種を使っています。

グロウのパタンナーは経験がないからできない仕事ではありません。突然できるようになる仕事ではないですけれども、これをやりたいという情熱やもっと成長したいという気持ちがあれば、いつか必ず1人のパタンナーとしてやって行ける時がくると思います。

これまでも中途含めてたくさんの方と面接させていただきましたが、チームに加わってくれるような方とまだ巡り会えていません。私も田口さんもフォローしながら一緒に成長できたらと思っているので、そういう方にお会いできればと思っています。

グロウ パタンナー

パタンナーとしてグロウで働く

今回のお話を通して、グロウのものづくりに対する姿勢を感じることができました。

チームの内外で、ものづくりの現場で働く人の意見を尊重する組織づくりはとても魅力的です。

パタンナーとして情熱を持って働く人にとってはとても恵まれた職場だと思います。興味をもった方はぜひ応募してみてください!

【求人】パタンナーを募集しています<ECで急成長の子ども服ブランド |devirock>

グロウ パタンナー

募集について

パタンナーの増員募集を行なっております。新卒・第二新卒の方もご応募いただけます。ご経験より、人物重視での選考を行なっております。

フレックス制の導入や産休・育休の取りやすさなど、長く働ける制度作りを進めています。チームは、「ブランドマーケティング本部」「営業本部」「生産本部」「経営管理本部」の大きく分けて4チームに分かれています。

現在事業が順調に成長中ということもあり、即戦力採用を強化しており現在はほとんどが中途採用のメンバーです。メンバーの特徴としては、平均年齢32歳と若いメンバーが多いです。ママ・パパ社員も多く働き続けやすい環境です。明るく前向きで、学習意欲のある方を歓迎します!

※掲載内容は公開時点の情報です。あらかじめご了承ください。

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秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

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