ファッション業界で転職をした方に、転職の経緯や転職活動について匿名でインタビューする本企画。今回は、新卒2年目で国内アパレルブランドから外資ラグジュアリーへ転職したFさんに、新卒入社2年目というスピードで外資ラグジュアリーに転職できた秘訣や求められるスキル、働き方の違いなどを詳しく伺いました。

今後、外資ラグジュアリーブランドで働くことを視野に入れている学生や若手社員の方も必見です。

顧客数400名、新卒入社7ヶ月で店長へ昇格

ー学生時代はどんなことをしていましたか?

被服系の大学に通いながら、ほとんどの時間をスポーツブランドでのアルバイトに費やしていました。なので、就職活動もアパレル業界に絞って行っていました。二社の選考を経て、結果的に第一志望だった国内アパレルブランドに入社しました。

ー国内アパレルブランドに入社した理由は?

スピード感がある会社だと思ったからです。学生時代から店長になりたいという目標がありました。アパレル業界でいち早く店長になれる企業はどこだろうと探す中で、この会社がその目標を実現できる可能性が一番高いと思ったんです。

ースピード感を持って店長になれる会社を選んだのは何か理由があってのことですか?

明確に目指しているポジションがあったというよりは、今後のキャリアアップを見据えた上で何かしらの役職に就いた経験があった方が、いずれ転職をする時に有利になると思ったからです。

入社後、最初はメンズとウィメンズを取り扱うオリジナルブランドに配属され、入社7ヶ月目で店長に昇格することができました。その後はウィメンズのセレクトショップに異動し、内定者アルバイト期間を含めた約2年間で2つのブランドで経験を積みました。

ー新卒入社7ヶ月で店長になるのはすごいですね。同期の方もそうでしたか?

同期の中でも入社1年以内に店長になったのは全体の10%くらいでしょうか。人によりますが、目標を達成していれば1年未満で店長になれる可能性は高くなると思います。

ー短期間で店長になれた秘訣はなんだと思いますか?

リピートしてご来店してくださるお客様を増やすことに注力し、売り上げとして結果を出していたからですかね。顧客の総数は約400名ほどで、1ヶ月で20〜30名のお客様が来店してくださっていました。そこは評価していただけたんじゃないでしょうか。

あとは店長になりたいという思いが強かったので、売り上げを伸ばすために店頭に立つ時間を意識的に長くしたり、苦手なところを克服するために先輩社員のもとへ直接足を運んでアドバイスを受けたりしていました。

ーそれだけ行動されていると2年間でも実践的なスキルが身につけられそうですね。

他のアパレル企業では身につけられない接客力やコミュニケーション力が身についたと思います。会いに来てくださるお客様が多くなっていったので、すごく楽しかったですね。

チームワークを大切する外資ラグジュアリーへ転職

ー現在はどんなブランドで働いているんですか?

外資ラグジュアリーブランドの販売スタッフとして都内で働いています。前職で顧客数が増えてきた頃から、時間をかけてお客様との関係性を築いていくラグジュアリー業界に興味を持つようになりました。前職で培った顧客づくりのスキルや経験を活かせるのではないかと思い、ラグジュアリー業界への転職を決めました。

ー転職活動期間はどのくらいだったのでしょうか。

思い立ったらすぐ行動するタイプなので、転職を決意してから実際に転職活動をするまで時間はかかりませんでした(笑)。実際の転職活動期間は、書類送付から2〜3回の面接を経て内定をいただくまで1ヶ月ほどでした。

ー転職先を選ぶ上でどんなことを大切にしていましたか?

個人で売り上げを取るよりも、とにかく個人で成果を出すことに重きを置いている人が多かったので、チーム一丸となって働けるような会社がいいなと思っていました。その点、現職の外資ラグジュアリーブランドでは会社全体がチームになって売り上げを取っていく仕組みがあったので入社を決めました。

転職後のブランドは個人の目標数値はあるものの、個人予算に対するインセンティブが発生するシステムです。一人のお客様に対してみんなでフォローし合って販売していこうという雰囲気があり、働きやすい環境ですね。評価されている人も個人の売り上げを取るのはもちろん、周りのスタッフのサポートができたり店舗全体を見て動けたりする人、といった印象です。

ー外資ラグジュアリーブランドは個人売りのイメージが強かったので意外です。新卒2年目で転職するハードルは感じませんでしたか?

新卒入社で2年も経っていなかったので、年数的に経験が足りないことは面接で指摘されていました。ただ、店長経験や顧客づくりの実績だけでなく店舗の数字管理やスタッフの育成も行っていたので、そういったところは評価していただけたと思います。

ー逆に、面接を受けるにあたってもう少し対策しておけばよかったと思うことはありますか?

実際に店舗に行ったり接客を受けたりしたことがあるかという質問があって…(笑)。ラグジュアリーブランドの店舗に行く機会があまりなかったため詳しく答えられませんでした。事前に店舗見学などはしておいた方がよかったなと思いました。

ちなみに面接では、前職での経験やこれから目指したいことなど、過去と今後のことを半々くらいで聞かれました。

ーアパレルブランドの面接では私服参加が一般的ですが、外資ラグジュアリーの面接ではどんな服装で参加するのでしょうか?

ブランドによって異なると思うのですが、オフィスカジュアルの指定があったのでラフなスタイルで面接を受けました。外資ラグジュアリーブランドをもう一社受けていたのですが、そのブランドではスーツの指定がありました。

ラグジュアリーブランドで憧れの商品を販売する楽しさ

ー転職後、待遇面などで変化はありましたか?

40名以上のスタッフが在籍していることもあり、お休みを取るのに融通が利きやすいです。また、お客様の希望のアイテムが入荷した時やイベントを行うタイミングでお客様に連絡をするため、お客様と直接連絡を取る回数が減り、残業も少なくなりました。

ーやはりラグジュアリーブランドだと未経験の方や20代の若い方は少ないのでしょうか?

私自身、年齢的には店舗内だと下の方ですが、全体を見ると幅広い世代のスタッフが働いています。ただ、未経験というよりも販売の経験がある方が多いかもしれないです。

ーアパレルブランドで働くと言っても、ラグジュアリーブランドで働くことはこれまでの好きな服のブランドで働くのとはまた少し感覚が違いそうですね。

実際に自分が着る洋服ではないですが、憧れの商品を販売するのはすごく楽しいですね。あとは自分では手の届かない価格帯の洋服を試着できるのは、働いている特権(笑)。

接客スタイルは、お客様の満足いく商品を提案したりお客様のライフスタイルに合わせてトータルコーディネートを組んだりと、基本的には変わりません。ただ、言葉遣いはこれまで以上に丁寧さが求められます。入社後、苦労していることでもあるので、ブランドに関係なく日頃から言葉遣いを意識しておくといいかもしれないです。

今後の目標を教えてください。

お客様とのコミュニケーションはもちろん、自分の頑張りが数字として目に見えるところにやりがいを感じるので、やはり販売の仕事が好きです。これからも引き続き、この仕事を頑張りたいと思います。

あと、前職で顧客売り上げに伸び悩んでいる部下に対してアクションプランを考えて、売り上げを伸ばすことができた経験があるので、人材育成にも興味を持っています。いずれは現職のブランドでも人材育成に関わっていけたらと思います。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。