※5月16日繊研新聞掲載 人が育つ企業特集より

「好き」を共有できる幸せ

「マリメッコ」が好き――新卒入社の面接の際からその言葉で、装いで表現してきた瀬尾早紀さん。持ち前の明るく前向きな人柄で、ともに働くスタッフにも元気を与える〝花〟のような存在だ。「買う、買わないは関係なく、また来たいと思ってもらえる店舗作り」を目標にしている。

マリメッコ渋谷店店長 瀬尾早紀さん

ファンから〝顔〟に

瀬尾さんは、今年でちょうど入社10年。マリメッコを知ったのは、文化服装学院に通っていた学生時代だ。「元気になれる」プリント柄などのとりこになり、就職活動はマリメッコを擁するルック一筋で面接を受けた。配属のブランドは入社後の決定だったが、面接官だった人事課の社員の優しい人柄を感じ、「この会社だったらどのブランドでも頑張れそう」と入社を決めた。

販売職は新卒から3年間、メンターとして一人ひとりに人事課のトレーナーが付く。安心してキャリアを進められ、入社から約2年間は他のアパレルを中心としたインポートブランドで勤務した。16年7月、晴れてブティック事業部マリメッコ課に異動となった。キャリアとしては3店目。21年7月から渋谷店の店長を担う。渋谷店を含め、2店は新店舗のオープニングスタッフを務めた。

店長になっても、日々の業務は接客が中心。「お客様へのお声掛けから始まり、お薦めしたり、ギフトの梱包(こんぽう)をしたり、掃除や整理整頓などの細かな作業も」怠らない。洋服やバッグ、食器、インテリアなど各カテゴリーに担当者が割り振られており、発注作業はそれぞれの担当者に任せることも。

瀬尾さんが店長として注力するのは、スタッフ間の情報共有や、フランクに話したり相談しやすい雰囲気作りだ。「自分の考えや価値観をぐっと押し付けないこと」。全ての疑問や意見に耳を傾け、新しいやり方をどんどん取り入れていく。日々、スタッフが心地良く働ける環境を心掛けている。

一人ひとりを尊重し、サポートし合う関係性は売り上げにもつながっている。全社で、個人売り上げよりも店舗での売り上げ達成を重視しているため、チームプレイで売り上げを獲得するスタイル。その時々によって、納品をさばいたり、ストックにこもって作業したり、人によって役割が異なるからだ。

出会い、発見が活力

客と向き合う際、常に抱いているのは、魅力的な商品を「お客様に知ってほしい。可愛くないですか? これ良いですよね!」という、うそのない気持ち。ECでいつでもどこでも買い物ができる時代に、「このお店で働いているからこそ出会えるお客様」を大切にする。誠意と愛情を持って提案し、客からもたくさんの新しい発見を得られることが、やりがいであり魅力になっている。

インバウンドが多い渋谷スクランブルスクエアに構える渋谷店

仲間の存在も大きい。自分と同じように、ブランドが「好き」で働いているスタッフが多いため、共感・共有できるのが何より楽しい。好きなブランドの空間で働けていること自体、幸せなことだ。

店頭に立つ際は、マリメッコの新作をメインにまとう。だが、他ブランドと一目でわからない無地のようなものであれば、コーディネートに取り入れても良い。スタッフらは個性が出しやすく、客にもよりリアルな着こなしをコーディネートで体現できるメリットがある。

家に持ち帰る仕事でないため、休日や退勤後は切り替えてしっかり休む。「オンオフが付けられる」のも販売職ならではだ。今後も「ブランドイメージをしっかりアピールできるような着こなしや提案を、自分自身を通して伝えていきたい」としている。

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《ここがすごい!》

「的確なアドバイスをくれ、必ずモチベーションを上げてくれる。入社時から堂々としていた。10年間、辛い顔を見たことがない」(先輩)

「いるだけで周りが明るくハッピーになる。いつも『何かあった? 大丈夫?』と気に掛けてくれて、話しやすく、聞いてもらいたいと思う環境を作ってくれる」(同期)

「スタッフだけでなく、館や会社の人など周りを巻き込む力もある。瀬尾さんを採用、教育してくださった人事の人にも感謝です」(後輩)

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