新進気鋭のクリエーターと共に制作しているファッションフリーマガジン「Uni-Share」が2017年10月22日(日)にUni-Share Vol.15「身震い」をリリース。本紙でしか見ることができない内容を、READY TO FASHION MAG内にて特別に公開。

インタビュー企画テーマ:「Leave Behind」M.Y.O.B NYC ディレクター・デザイナーCOMI

M.Y.O.B NYC ディレクター・デザイナーCOMI:初めは歌手を目指し、NYに渡る。ファッションが好きだったことから独学でアクセサリーを製作。2009年にNYでアクセサリーブランドM.Y.O.B NYCを立ち上げる。日本に帰国後、キタコレビルでのポップアップを経て、2014年にラフォーレ原宿で店をオープン。

初めはブランドを立ち上げる予定では無かった。「行動あるのみ」と、持ち前の行動力でチャンスを引き寄せ、自分のものとしてきた。常識にとらわれない生き方、そうして作られた服に私たちは惹きつけられるのだろう。

―ブランド名『M.Y.O.B NYC』の由来を教えてください。

COMI:MIND YOUR OWN BUSINESS。余計なお世話だとかお前には関係ないっていう意味の略になってる。立ち上げた当初は結構とんがっていたというか反骨心の塊、みたいな感じで。日本面白くないし、すごい反骨心があった。初めは歌の勉強でNYに行ったけど無理やなって思ってやめて、元々ファッション好きだったから自分でやりたいなというところから始めたの。“自分のつけたいアクセサリーが世の中にない、じゃあ作ろう”みたいな感じ。その当時アクセサリー作ってますよってブログに載せていたらすごい反響があって、じゃあ売ろう、そしたらブランド名必要だなと思って雑誌をパラパラ見ていたら、マライアキャリーが結婚した時のインタビューが載っていて。そのインタビューでお子さんの予定は?って聞かれて「MIND YOUR OWN BUSINESS 」って書いてて。ヤバ!って思ってそれにした。

―じゃあ元々ブランドを立ち上げる目的ではなくて、自分がつけたいアクセサリーがないから作っていてそれを買いたいって人が出てきたからブランドを作った感じなんですね。

COMI:そんな感じ!別にデザイナーになろうって思ってた訳でもなかったし、売ろうとも思ってなかったし。最初は布とかミシンも使えないし、どうやってアクセサリーを作ったらいいかわからなくて、超手探りでやっていた。それが口コミとかで広がって、有名なアーティストさんとか色んな人から連絡が来たり、自分でつけて街を歩くとまだその時は派手なピアスが珍しくて珍しいから声かけられて、連絡先交換して。そしたらその人が実は誰かのマネージャーだったとか、誰々と友達だったとか。「明後日これがあるんだけど来ない?友達に紹介したいんだけど」って言ってくれたり波立ちまくって、ワーって拡がっていくように感じてて。ある日パトリシア・フィールド、セックスアンドザシティーのスタイリストをしてをいる人のお店で働いてる女の子と友達になって、「かわい〜うちに置きなよ!」って言ってくれたの。元々セックスアンドザシティーが大好きでそれに憧れてニューヨークったようなもんだったから、パトリシア・フィールドの店にはすごい通っていて、そこに置いてもらえるなんてクッソ嬉しかった。それこそ夢が叶った瞬間。置いてもらってから色んなアーティストさんにつけてもらって、また拡まっていって。なんか人運があるのか、私持ってんな〜って。でも運って才能だと思うから、引き寄せる能力は大事かなって思う。私は人生の中でそういう経験が多いかなって思っていて。でも、それは自分が行動してるからだよねって思う。自分がそうしなければそこにはそれがないと日々思うの。

―アクセサリーから服に移るタイミングの時は何かあったのですか?

COMI:服は日本に帰って来てから。ブランドも良くなってきていて、色んな企画とかも進んでる中で帰って来なくちゃいけない色んなことがあって、泣く泣く帰って来たんだけどそこからもう人生で一番の絶望。分岐点だと思うんだけど、たぶんその時点でもう26歳とか。でも日本でやる以上東京に行くしかないと思って、1人で夜行バスで来て、とりあえず思い当たるお店にひとりで行って、「こういうブランドをやってるんですけど、置いてもらえませんか?」って名刺を渡しまくって営業っぽいことをしていた。私と相方2人で全部やってたんだけど予算の関係もあるし、お金もそんなにないし、やれることも限られてくる。初めはそれで良いかなって思ってたんだけど、キタコレビルのDogっていう古着屋さんのオーナーさんとたまたま出会って、そこで話して名刺渡させてもらって。それから田舎の滋賀に帰ってくすぶってたら「ポップアップやりませんか?」ってメールがきて。それがきっかけでまた東京に出て来れた。そのポップアップに10年ぐらいDogの店長をやっていた男の人が来て「一緒にやらへんか」って話をくれてラフォーレが決まったの。その時にアクセさりーだけではラフォーレでもたないってことで、服も作った。それがアパレルにいくきっかけになったかな。

―その方との出会いって大きいですよね。

COMI:めちゃくちゃ大きい。人生変わったなっていう感じ。そのメールが無かったらずっと田舎にいたかもしれないし。ラフォーレが決まってから半年後にはオープンって感じだったから、壮絶。でも、無事オープンできて、いいスタッフにも恵まれて、そこからもう3年目になっていて感無量ですね。

―服はどのように作っているのですか?

COMI:服の生地の知識ゼロ、パターンとかも引けない3人で作っている。誰も専門学校を出ていなくて全員独学なの。だから最初のサンプル作りは端布とかをくっつけていって、適当に着たい形を作っている。知識が無いからどうしたらいいかわからないこともすごく多くて、3日間ぐらいずっと悩む時もある。たぶん他のデザイナーさんよりも数倍時間をかけて3人で作っているのかも。あと、作る時に意見が割れる。私が「これ可愛い作りたい」って言っても、「理解出できない」って全然言われる。だからケンカだよね。でもみんなの「こういうのがいい」っていうのが私にとってすごく面白いことで、「それが次かわいいと思ってるんだ」って新しい情報が自分に入ってくる。

―コンセプトはどうやって決めているのですか。

COMI:コンセプトをもとに服作りはしない。どっちかと言うと、「自分は何が着たいかなー」ってその時の気分で組み立てていくかな。たぶん世間の常識的にはコンセプトがあって、それに基づいた服作りっていうのが学校で教えてもらう基本なのよ。それがいいんだか悪いんだかもわからないし、そうやればいいかもしれないけど、最初からコンセプトがあったら意識しすぎちゃってたぶん一ヶ月くらい考え込むかも。今のところはコンセプトは後々って感じだね。毎回抽象的な印象的なグラフィックを柄に使った服を作るんだけど、だいたいそれがコレクションのテーマになっていく。

―今後の展開を教えてください。

COMI:これからは海外でブランドを展開していこうと思っているの。ロンドンのショールームに服を置いてもらうことになりそうで。ヨーロッパとかで置かせてもらえるようになりたいなって今思ってる。

―NYに戻ったりとかはしないんですか。

COMI:戻りたい。けど結構今、自分の中でNYよりかはロンドンとかドイツとかのほうがすごく面白さを感じていて。ひとまずロンドンかな。ロンドンにショールームが欲しいなって思って、ついこのあいだ1人で営業に行ったんだけど、普通ショールームに行くときってアポがないと入れないんだけどもういいやと思って服を持って行ったら「アポイントあるの?」って聞かれて「無い」って言ったら、「帰って」って断れまくって。それでも1つ「このショールームいいよ」って教えてもらっていたところで、向こうが待ってましたとばかりに歓迎してくれて。そこから話が進んでいって、「置きたい」って言ってくれて、今やりとりしている。今作っている18ssから置いてもらおうかなって思ってるよ。

Uni-Shareとは

首都圏の大学生で構成されたファッションフリーペーパーを発行している学生団体。

10月22日に最新号vol.15をリリースし、同日に開催された写真展『残響』も多くの動員数を誇り成功に収めた。今号ではVETEMENTSのランウェイにアジア人で初めて抜擢された木下マナミをメインビジュアルに起用、モトーラ世理奈が主演を務める映画『少女邂逅』とのタイアップも果たした。

webサイト:http://www.uni-share7.com

instagram:https://www.instagram.com/uni_share/

twitter:https://twitter.com/uni_share

最新号vol.15の購入はこちら:https://unishare15.thebase.in


READY TO FASHION MAG 編集部

1000社・25万人/月間が利用するファッション・アパレル業界の求人WEBサービス「READY TO FASHION」を運営する株式会社READY TO FASHIONが、業界での就職・転職活動に役立つ情報を発信するメディア『READY TO FASHION MAG』。業界の最新情報をお届けするコラムや業界で活躍する人へのインタビュー、その他ファッション・アパレル業界の採用情報に関するコンテンツを多数用意。

PERSON