ファッション業界に興味のある若者に向けて、表面的に会社を知るのではなく、そこで働く”人”にフォーカスし、会社のその先にあるリアルな姿を届ける本企画。
第二弾は、TOMORROWLAND、MACPHEE、GALERIE VIE、KNOTT、Edition、DRIES VAN NOTEN、Acne Studiosなどオリジナルブランドを含めた多くのブランドを扱う株式会社トゥモローランド。
そんな同社からは、入社わずか二年目にしてプレスを担当する井上さん(以下略:井上)と人事部である雫田さん(以下略:雫田)に、会社と仕事について聞いた。
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<目次>
プレス職に就いた経緯
──井上さんはどういった経緯でプレス職に就かれたのですか?
井上:もともと学生時代から、アパレルのプレスをやりたいと思っていました。その中でどの会社なら自分らしく働けるかを考えた時に、自分自身セレクトショップやインポートのブランドがすごく好きだったので、その中でも特にテイストが合うトゥモローランドを第一志望に就職活動を行い、プレス志望ということを最初の面接の時からずっと一貫して伝えていました。内定者アルバイトを始めてからも、プレスをやりたいということを人事や店長、プレスのマネージャーに伝えていました。そうすることで、入社1年目で海外ブランドのレセプションやお披露目イベントにヘルプとして参加し、この仕事を近場で見ることができました。その後、2年目の5月に本格的に移動してやってみないかというお話をいただいて、是非ということで異動しました。なので、プレス職について、1ヶ月半くらい経ったところです。
──新卒入社後にすぐに、プレス職に就くことは難しいですよね。同期の中でプレス職についているのは井上さんだけですか?
井上:はい、今は僕だけです。同じ部署では、7年目の方が一番近く今29歳の方なので一番若いです。
──抜擢してもらえた理由というのは何だったのでしょうか?
井上:トゥモローランドは手を挙げた方に機会を与えてくださる会社というのは伺っていたので、そこは活かそうと思って言い続けいていました。また、この仕事には向き不向きがあると聞いていたのですが、プレス職に向いているということを感じてもらったのかもしれません。
──プレスに向いている人とはどういう人だと思いますか?
井上:人当たりが良くて気が遣え、人と話すのが好きという人だと思います。自分はまだまだですが、コミュニケーション能力が高いことも大切だと思います。あとは洋服に対しての意識やファッションが好きという気持ちが大事だと思います。
この業界で働くワクワクは普通の仕事では得られない
──今後、アパレル業界を目指す学生に対して、一歩進むためのアドバイスだったり、ファッション業界を選んだきっかけなどをお聞かせください。
井上:僕はこの業界に進むことに迷いがなかったんです。おじさんになっても好きなものを着れる環境で働きたくて、いわゆる百貨店のようなかっちりした感じより、少し砕けていつつも、オリジナリティやトラディショナルマインドを持った会社を目指していました。大学四年間で勉強していたことを活かせる仕事もあると思うのですが、生涯一度きりだから最初は好きなこと、熱血できるものをやってみようと思って。ダメになったら方向転換すればいいと思っていたんです。今は後悔していないし、嫌なことがあっても、好きなことに携わっているというのと、自分で決めたことなので簡単には降りることができないですしね。服が好きだから新しいものを買うことで気分をリフレッシュできますし、そういうワクワクは普通の仕事では得られないし、そこがこの仕事の良いところです。四年制大学出身で、服飾の勉強をしていなかったのですが、たまたま周りにファッション好きの人が多かったので、このことも業界に進むきっかけだったかもしれないです。その頃の仲間は今は各々同じ業界で働いているのでコミュニケーションが取れますし、仕事の悩みも分かち合っています。
──ファッションが好きでも、違う業界で就職する人が多いですよね。
井上:そうですね、どうしても将来やお金のことを考えることって絶対ありますよね。そういうところで踏みとどまってしまう人はすごい多い気がします。僕の場合はどういう大人になりたい?ということを考えていました。バリバリスーツを着て働くものいいけれど、自分らしさがある人ってやっぱりかっこいいじゃないですか。そういう人に近づきたい、なりたいと考えた結果、この業界を選びました。
一番大きな特徴は、挑戦できる環境
──トゥモローランドで働く上での特徴はどんなことですか?
井上:一番大きな特徴は、挑戦できる環境だと思っています。というのも、僕と年の近い先輩に、バイヤーなど本社勤務の方が多いんです。お店と兼務していることもあります。そういうことを踏まえると若い人にチャンスが来る会社だと思います。4年目でバイヤーをしている人もいるし、僕もたまたまですがプレスという職に2年半で就くことができたのも挑戦できる環境だったからだと思います。
──井上さんの存在自体がそれを体現していますよね
井上:私たちは小さい会社であり続けることを信念としています。スタッフ全員がある程度顔を知っているし、自分の言ったことが形になるという会社だとは思うので、ここに魅力を感じて入ったというのもあります。ここだったらやれるかもみたいな、雰囲気が良かったんです。その”ここいいな”というフィーリングがあったので内定を頂いた時にすぐに決めました。
──業界に入ってすぐの二年目という視点で、ファッション業界全体に対して思うことや、それに合わせて若者に対して伝えたいことはありますか?
井上:僕自身、感じることは買い方や売り方、トレンドがものすごく多様化しているということです。本社に来てからはECなど店舗以外での進歩を実際に感じます。しかし、そこに流されるだけは良くないと思います。実際に買い物に来てもらう楽しさというのはこれからも少なからずなくならないはずなので、売れるからという理由だけでECだけを発達させるより、お店で洋服を買うという楽しさを忘れずに、10年20年働けたらと思っています。
大切なのは、”分からないことは分からないと素直に聞ける力”や、”謙虚さ”、”感謝する気持ちを忘れないこと”
──これからプレスに就きたいと思っている若者に対して何かメッセージはありますか?
井上:僕もまだプレスに就いて日が浅く、上司によく言われる言葉なのですが、”分からないことは分からないと素直に聞ける力”や、”謙虚さ”、”感謝する気持ちを忘れない”ということを伝えたいと思っています。また、やる気や熱量がスキル云々より大事な気がします。すごい難しいところでもあるのですが、カッコつけてやるより、がむしゃらに働いてみる。また年上の方が社内外問わず多く、そういう人たちと関わる仕事なので萎縮してしまうことがあります。それでも伝えるためにがむしゃらに話すということが大切だと思っています。若い方が可愛がられるし、面白いと思われる。自分も十分に出来ていないので、ここが課題だと思っています。
──最後に、何か伝えたいことはありますか?
井上:やりたいことを迷わずやってみることが大切だと思います。途中から方向転換はできますし、僕自身もしアパレルに就職していなかったら、プレスやってみたかったなと後悔していたと思います。でもビビりながら入ってみた結果プレスになれたし、やってみないと分かりません。実は僕にはこの仕事が本当はできないと思っていたし、向いていないと思っていたのですが、気持ちと行動さえあればどんな人にでも出来ると体感しました。
“小さな会社”とは
──続いて、人事の雫田さんに質問です。新卒採用に関して、どのような職種があるか教えていただけますか?
雫田:大きくは総合職/専門職の二つに分かれていて、販売職の採用という仕方はしていません。そのため総合職では、販売からスタートして、お店での経験を活かしてその後プレスやバイヤー、MDなどのいろんな職種についていただく流れとなっています。専門職はデザイナーとパタンナーの二つです。トゥモローランドはお店に任せている仕事の幅がかなり広く、お店で販売するだけでなく、お店のPRやイベントの企画、店舗の業態によってはバイヤーのアシスタントとして、自分の店に置く商品を出張で買い付けに行くこともあります。一つのお店が一つの会社として、店長中心に運営をしているんです。
──なるほど、それが”小さな会社”という意味なのですね。続いての質問ですが、他にない研修制度や独自の人事制度はありまか?
雫田:研修という形では入社して三年目くらいまでの方に定期的に集合研修を行なっているのですが、今考えているのはお店で自分のスキルを高められるように商品の勉強会をしたり、花の生け方や選び方の勉強会というようなコアな講座をやっていこうと考えています。人事制度では、何年目かになったら自動のローテーションで他の店舗に移動する、本社勤めになるというような制度はありません。しかし年次や経験に関わらず、自分でやりたいと声をあげたことに対してチャンスをもらえる機会はかなり多く、自発的に声に出してもらうということを一番大事にしているので、それがキャリアアップの一番の近道かなと思います。
お客様を常に考えながら
──今年のインターンシップの内容について教えてください。
雫田:8月中に2回インターンシップの実施をしたいと思っています。トゥモローランドらしさを体感できるように、一つの職種だけでなく、たくさんの職種を体験できる内容を考えています。会社のイベントや企画に参考になるようなことも学生の皆さんに考えて頂いて、まるまる実現するかはわかりませんが、そういった学生の意見を会社に取り入れたいと思っています。是非、自由な発想で来て欲しいです。
──インターンをする学生に伝えたいことはありますか?
雫田:アパレルにはたくさんの会社がありますが、私たちはメーカーから始めているので、服作りに対する細かいディテールや、洋服を着た時にお客様がどういう気持ちになるのか?を常に考えながら洋服を作っています。使う生地や縫製の仕方一つでもこだわりを持っているので、そこが商品の強みで、他のセレクトショップとは違うと思っています。また、会社の中上がった声を吸い上げることのできる会社で居続けるということの理念があるので、今までの経験やスキルに関係なく様々なことに挑戦して欲しいです。
──ありがとうございました。
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