ファッションをテーマに活動している若者のリアルや、同世代へのメッセージを届ける連載企画「若者VOICE」。第17回目となる今回は大学に通いながら、『そこに美しさがあるのなら、性別はもはや関係ない。』というテーマのもと、KINDNESS PEOPLEのアーティスト名で自分のアートワークを製作している古賀 友理絵さんに語っていただきました。
関連記事:
【連載】「若者VOICE:vol.14 corekiyo / ファッションデザイナー」言葉添えて服を魅せる、ファッションは提案の時代へ。
【連載】「若者VOICE:vol.15 GLAMHATE/デザイナー」妬み嫉み、自己嫌悪をポジティブに。
【連載】「若者VOICE:vol.16 ELIOTPSYCHO/デザイナー」始まりはイギリスのユースカルチャー、細部詩音 20歳の挑戦。
【連載】「若者VOICE:vol.17 KINDNESS PEOPLE / アーティスト」そこに美しさがあるのなら、性別はもはや関係ない。
KINDNESS PEOPLE/古賀友理絵
大学に通いながら、『そこに美しさがあるのなら、性別はもはや関係ない。』というテーマのもと、オリジナリティ溢れる独特な作品を制作している。
Instagram:@kindness_people_
ー大学では何を専攻していますか?
KINDNESS PEOPLE(以下KP):主にデザイン系です。基本的に自分のやりたいことはなんでもできる学科なので、映像やタイポグラフィー、 詩、色彩論、デザインヒストリーなど、多角的な視点からデザインについて学んでいます。学科の座学と実技が大体同じ割合くらい。いい学科ですが、ただ授業を受けているだけでは課題が増えるだけで、本当に自分の作りたいものが自動で出来上がっていくわけではありません。私は一年生の終盤で大学に見切りをつけ、自主制作を能動的に進めています。
ー古賀さんの作品にはオリジナリティがあり、かなり独特な世界観があると思うのですが、どのようなツールを利用して作品を制作していますか?またその過程を教えていただきたいです。
KP:基本的にはメイク用品、一眼レフカメラ、照明機材、背景紙、あとは画像編集ソフトとしてPhotoshopを使用しています。作品制作をするとき、被写体のパーソナリティを尊重したいので、基本的に最初は対話から始まります。ポートレートの場合、個々のパーソナリティからインスピレーションを受けることが多いので、対話は私にとって非常に大切なものです。会話の中で被写体の性格や好み、隠れた人間性などをつかみ、それをメイクやポージングやスタイリングに落とし込みます。あとは撮影したものをPhotoshopで画像加工し、Instagramにアップするという流れです。
ー作品制作に影響を与えたアーティスト、もしくは事柄などはありますか?
ー作品制作の他に学生服飾団体「Keio Fashion Creator」にも所属しているようですが、そこでは何を行なっていますか?
ー古賀さんにとってファッションとはどのような物なのでしょうか?
ー「ファッション業界からの若者離れ」を問題視しているのですが、古賀さんから見てもそれを感じますか?
KP:私は「ファッション業界からの若者離れ」は、そこまで問題視することではないかと思います。今の業界は新しものの誕生が停滞しているように映ります。その原因は、今の時代柄、今までに全くなかったものを発信することがハイリスクだからと思います。ただその停滞自体は貴重なものだと思うんですよね。この停滞によって大手企業が潰れると、新しい若い世代の業界に対するフラストレーションが溜まりだして、また新しい面白いものが誕生すると思うんです。だから今はそのサイクルの中の、若い人達のフラストレーションが溜まっている段階なのではないでしょうか。
ーアーティストしての最終的なゴールはなんでしょうか?
KP:将来は活動の拠点を海外に置き、世界中でいろんな人を撮影して、ジェンダー問題だけでなく、各国の美や伝統を尊重しながら様々な固定概念を更新していきたいですね。あとは、アーティストでありながらもコンスタントにお金を稼いで、経済的な面でアーティストになるのを諦めてしまう人々の背中を少しでも押してあげる人になりたいです。クリエイティブディレクター的なことをしつつ、最終的にはやっぱり自分の事務所なり会社なりを立ち上げたいです。
ー日本国内ではなく、海外に拠点を置く理由は?
ー最後に、あと一歩を踏み出したいと思っているファッションが好きな若者にメッセージをお願いします。
ーありがとうございました。
text:タナムラリュウスケ(READY TO FASHION MAG 編集部)