あなたが身につけているその服やアイテムを選んだ理由をすぐに説明できますか?流行に流されがちな今だからこそ今一度立ち止まって考えてもらい、自分の選んだアイテムに自信を持てるようになってもらいたいという連載企画「“知る”もファッションのうち。」第二弾は多くのインフルエンサーが載せているあの時計ブランド。ダニエルウェリントンについて、インターンAが調査しました!
ダニエルウェリントン
早速ですが、みなさんは、このようなインスタグラムを見かけたことはありませんか?インフルエンサーの人が「ダニエルウェリントン様から時計をプレゼントしていただきました。」という投稿、これ、実はダニエルウェリントン社のマーケティング(*1)なのです。
(*1)マーケティングとは?消費者がサービス(商品)を購入するようにするために、企業が行う活動のこと。
今回ダニエルウェリントンから時計をもらったことのあるインフルエンサーのIさん(仮名)にどのような流れでやりとりが行われたのか聞いてきました!
① DMが届く
ある日突然、ダニエルウェリントンから「当社の時計を紹介して頂けないですか?」という内容がインスタグラムのダイレクトメッセージ(DM)で送られてきます。そこからメールでのやりとりに変わり、投稿するときの条件の内容などに承諾をすれば、希望のモデルがインフルエンサーに届きます。
② 時計とクーポンコードが届く
時計と同時にアルファベットと数字が組み合わされたクーポンコードが届きます。
そのクーポンの書いてある投稿を見た人がダニエルウェリントンのサイトでそのコードを入力すると、割引される上に送料が無料になるという特典が付きます。
③ インスタグラムで投稿
時計とその人らしい写真をなじませて、指定の条件をインスタグラムに投稿します。
ファンはその投稿を見て「○○が持っているから私も欲しい〜!しかも割引クーポンがあるから安く買えて一石二鳥!!」という理由でインフルエンサー経由で購入するフォロワーも多いということです。
このインフルエンサーを使ったマーケティング戦術をその名の通りインフルエンサー・マーケティング(*2)と言います。
(*2)インフルエンサー・マーケティングとは、商品やブランドが周囲に影響を与える人物を見つけ、彼らに対して一次的にアプローチする方法。オピニオンリーダーや専門家を介し、好意的なメッセージが周辺に広がることを意図している。背景としては、BlogやSNSなどの普及により、一般消費者の発信活動が盛んになったこと、かつ企業側もインフルエンサーの探索が以前に比べ容易になっていることが挙げられる。
今の世の中、「あのモデルさんが着ていた服どこの?」から始まり、「私もこれ欲しい!」というニーズが生まれ、そのファンの子が買ってという形で普及しています。町中見たらその服あの子も!さっきの子も!えっまた!という調子にみんなが身につけているのが今の世の中です。そこを目につけたのがダニエルウェリントン!さすがですね。実際に日本で爆発的に人気になったのは、2015年に放送されたテレビドラマ「5→9~私に恋したお坊さん~」で石原さとみさんが着用して、一気に「あの時計はどこの?」という調子で私も欲しいと爆発的に人気になったそうです。可愛い子が身につけているものを気になるのは、当然だと思います。そして、今はほとんどの若者がインスタグラムを利用している。さらに、自分の好きなインフルエンサーと同じものが安く購入できる・・・という特典が付いていれば『はい!購入!!』となるわけですね。
ということはダニエルウェリントンを購入している人たちはみんなそうなのか???
インフルエンサーマーケティングの狙い通りに、「私も〜!」という人ばかりなのか?と疑問に思い、今回も私、インターンAは居ても立っても居られず、突撃インタビューしてきました!
interview
早速、茶色の革の時計を持っている女子大生に質問を投げかけました!
インターンA 「なぜあなたはダニエルウェリントンを買ったんですか????」
大学生A 「私は、男子バレーボール選手の石川くんが好きで、石川くんがダニエルウェリントンの時計をつけているのを発見して、私もお揃いを買おう!って思ったんです!!」
インターンA 「ありがとうございます。参考になりました!!(キターーーーーーーー!お揃い欲しいタイプ!!)」
続いて、NATO(*3)のストラップをつけている女子大生を発見!
インターンA 「なぜあなたはダニエルウェリントンを買ったんですか????」
大学生B 「大学生になったから時計を買おうと思って、シンプルでも可愛さもあって、文字盤とかも見やすくて自分の理想にあってるな〜と思って!」
インターンA 「ありがとうございます。参考になりました!!(ほ〜!デザイン性を重視したということか〜。なるほど!!)」
(*3)引き通し式のナイロンストラップ。NATO軍で腕時計のストラップとして、使われていることから、「NATOストラップ」や「NATOベルト」と呼ばれている。正規品は「NATO G10」
最後は男子大学生に質問!返答は…
インターンA 「なぜあなたはダニエルウェリントンを買ったんですか????」
大学生C 「誕生日にプレゼントとしてもらいました。ベルトも選べて、使いやすいとオススメされて」
インターンA「ありがとうございます。参考になりました!!(そうか、ベルトも選べて、服装によって時計のデザイン楽しめるのか!)
と結果は、以外にも予想外!?もっと「あの人がつけていたから!」が聞けると思ったのに!と少しがっかり・・・笑 でしたが、逆にみなさんそのブランドの良さ、魅力に惹かれて、欲しいと思っているということなんですね!!そんなみなさんに愛されているダニエルウェリントンの背景について、簡単に紹介したいと思います!
commentary
ダニエルウェリントンはスウェーデン発祥の時計ブランドで、ブランドができたのはここ数年前のこと、2011年。創業者であるフィリップ・タイサンダーが世界一周の旅に出かけている時に、非の打ち所のなく、しかも気取りのない魅力的なイギリス人紳士と出会いました。その男性は古い使い込んだNATOストラップのヴィンテージ時計をはめていたそうです。彼のスタイルに影響を受けて、フィリップは自身の時計のラインを立ち上げようと決意し、彼の名前をブランド名しました。そう、そのイギリス紳士の名前こそ、「ダニエル・ウェリントン」だったのです。この時計は彼との偶然の出会いからできた運命の時計。もしも彼が素敵な時計をしていなければこのブランドは生まれなかったというわけです。
そして、人気の理由はシンプルなデザインでどんな服にも合わせられるということに加え、高級感がありながらも、価格が手頃という点ではないでしょうか?このようなベースがあるからこそ、芸能人、インフルエンサーとの相乗効果が生まれているのではないかと思います。
Editors view
さて、連載企画「”知る“もファッションのうち」第2弾はダニエルウェリントンについて、簡単に説明しましたがこの時計のいろんな一面を知れた気がしませんか?自分のアイテムに自信を持って買っている人がいて、ものすごく嬉しいなと思いました。
今回は、インタビューだけではなく。インフルエンサーマーケティングについても少し紹介しましたが、ファッションのアイテムを流行らせる方法はたくさんあります。買い手側だけでなく売り手側のことを知るだけでファッションの流れが見えてきてファッションへの興味がどんどん湧いてきませんか?
自分の服をもう一度見つめ直して見てください。「なんで私これ買ったんだろう」そう思ったら調べてみるだけで新しい発見があると思います。見た目だけ敏感なファッション好きも良いですが、内側も同時に磨くことも楽しみの一つかもしれませんね?
Taxt&illustration : Akari.K(READY TO FASHION MAG 編集部)