2020年2月15日(土)に開催されたファッション・アパレル業界特化の採用合同説明会「READY TO FASHION OFF LINE 006」。本イベント内で行われたパネルディスカッションの様子をレポートしていきます。
パネルディスカッション第1部のテーマは「社員が語る販売職の魅力とキャリアについて」。
業態の異なる3社にご登壇いただき、自身の経験から想う販売職の魅力と未来のキャリアを語って頂きました。
パネルディスカッション登壇企業・登壇者
山本起大 (以下:山本)
株式会社ユナイテッドアローズ
BEAUTY & YOUTH セールスマスター
2012年に新卒でユナイテッドアローズに入社。
2017年BEAUTY & YOUTH丸の内店立ち上げの際に上京。
2018年にセールスマスターという資格を得現在に至る。
山口眞理香 (以下:山口)
株式会社リンク・セオリー・ジャパン
Theory luxe 新宿伊勢丹 Small Size店 店長
新卒で株式会社リンク・セオリー・ジャパンに入社し現在に至る。
望月貴弘 (以下:望月)
株式会社ティン・パン・アレイ
RAGTAG渋谷店 バイヤー
2007年に株式会社ティン・パン・アレイに入社。
店長などを経て、現在はRAGTAG渋谷店にてバイヤーを務める。
<目次>
新卒で現在の企業を選択した大きな理由は”出会い”
──皆様の共通点として新卒入社という点がございますが、新卒で現在企業を選ばれた理由をお伺いしたいと思います。
山本:新卒入社でユナイテッドアローズを選んだ理由ですよね。僕は学生の時、愛知県で体育学部に通っていました。洋服に携わっていたわけでもなく、さらには田舎の大学なので、皆様と同じように洋服にお金をすごくかけていたというわけでもないんです。
言ってみれば、興味はあったけれど、一歩踏み出せないという状態だったんですけれど、当時ユナイテッドアローズの名古屋店に先輩に連れて行ってもらって買い物をした際、敷居の高いイメージがあったんですが、ちょっと強面ですけどおしゃれなスタッフの方に接客をしていただき、話してみると物腰が柔らかく、おしゃれなんだけれど腰が低いっていう、そういうスタイルがかっこよいなと思って。そんな方たちと働けるって魅力的だなと思いユナイテッドアローズを選びました。
──ありがとうございます。出会い、というか。ギャップにやられてしまったということですか?
山本:そうですね。惚れたみたいになっちゃいましたけど、でもグッときましたね。
──では望月さんお願いいたします。
望月:私も普通の大学を出ておりまして、専門学校を出たわけではないんですが、当時では、なかなか買えないハイブランドを見たりするのがすごく好きな学生だったんです。その中で、友人からRAGTAGの事を聞きました。
初めて行ったのは渋谷店だったんですけど、RAGTAGでは私が着ていたコートを見て「どこどこのブランドですよね」と声をかけてくださって、こんなにたくさんブランドがある中で自分の着ている服をひと目見てわかるって本当にすごいなと感動しまして、そこから会社に興味を持ち、会社の説明会を通していく中で良い会社だなと思い、入社を決めました。
──ありがとうございます。やはり出会いというか。そういったきっかけがあるんですね。お2人ともファッションにあまり関係の無い大学を卒業されていますよね。ファッション業界に就職するのに「大学生」と「服飾学生」の違いはあるのでしょうか?
山本:僕自身は気になったことは調べたくなるタイプなので、僕みたいなタイプは洋服屋に入って学ぶことが多いというのはすごく嬉しかったので、新しい知識を取り入れるという意味では、全く違う業種とか業界に就職するというのはすごく面白さがあると思います。
──飛ばしてしまったのですが、山口さんに新卒で現在企業を選ばれた理由をお伺いします。
山口:私もお2人と一緒で普通の四年制大学に通っていて建築を学んでいました。当初建築を学んでいく中で、レイアウトにすごく興味を持っていて、アパレルもあわせて見させていただいてました。
リンク・セオリー・ジャパンを選んだ理由は、出会いというところも大きくて、説明会の際、今の上司にあたる人間がものすごいかっこよくて、ブランド愛が強く、愛情がある方に出会うことができ、その方とお話していく中で、この方と一緒に働いてみたいな、Theoryの方々と働いてみたいな、という想いが大きくなり入社しました。
──皆様、人という部分に惹かれていらっしゃるんですね。飛ばしてしまいましたが会社説明をお願いしたいと思います。
株式会社ユナイテッドアローズ 今村:会社の設立は1989年10月で、昨年30周年を迎えました。従業員数は約4000名、男女比は女性が6割、男性4割です。平均年齢は33歳くらいで、下は新卒から、上は50代と幅広い年齢層の社員が活躍しております。販売員の中には50代の方もいらっしゃるので、販売で長くキャリアを積むこともできます。
ブランドは現在19ブランドございます。皆さん知っているところでいうと、「UNITEDO ARROES」「BEAUTY & YOUTH」「green label relaxing」等があると思うんですが、その他にも様々なニーズに合わせたブランドの展開をしていて、今年の4月にはもともとレーベルでやっていたブランドの新店も横浜エリアにオープン予定です。
昨年30周年を迎え、改めて創業時の理念を一新しよう、ということで、経営理念の見直しを行いました。私たちは「真心と美意識を込めてお客様の明日を作り、生活文化のスタンダードを想像し続ける」という経営理念の元、ひとりひとりがお客様に向き合っています。
その中でも、「すべてはお客様のためにある」という社是の元、従業員ひとりひとりがお客様に喜んでいただくため、満足していただくために何ができるのか意識して行動しています。
山口:リンク・セオリー・ジャパンは、メインブランドとしては「Theory」と「Theory luxe」になるんですけど、元々はファーストリテイリンググループのひとつで、ファーストリテイリング自体は、UNIQLOやGU等含めて9つのブランドで構成されております。
9つのブランドそれぞれ異なるコンセプトを持っており、お客様ターゲットを幅広く抱えているというのが私たちの会社の特徴です。私たちは製造小売アパレル業ランキング世界2位となっており、トップ10に入る唯一の日本企業としてがんばっております。
その中で「Theory」はどのようなブランドなのかを説明させていただきます。
我々は「コンテンポラリーマーケットをリードし、お客様の豊かなライフスタイルに貢献する」をコンセプトとしております。
従来のデザイナーズブランドは、いわゆる服を主役にした会社が多かったんですけど、私たち「Theory」はお客様自身、人を主役としているブランドです。
着心地、シルエットにこだわりを持ち、シーズン、年代を超えて心地よく豊かな生活をするためのお手伝いをするというブランドコンセプトのもと展開させていただいております。
望月:先程もお伝えしましたが、私が所属しているのは株式会社ティン・パン・アレイという会社です。会社名を聞くと分かり辛いかもしれませんが、「RAGTAG」「RT」という事業で、デザイナーズブランドのユーズドセレクトショップを展開しております。
簡単に言うと、お客様からお買取した品物を販売させていただくというサービスです。コンセプトは「おしゃれがしたいという純粋な気持ちを応援したい」。買いたいけど手が届かない方に、リーズナブルに、ハイクオリティなものをお届けしたいという想いを持っています。
──以前靴をお買取でお願いしたときに、靴を磨く専門の人がいるというのを伺ったんですけど、そういったケアの部分にも力を入れていらっしゃるんですよね。
望月:そうですね。我々の方で、ケアできるものに関しては、最低限のクリーング、損傷の修復を行い、できる限りきれいにして店頭に並べるようにしております。
──皆様も帰宅した際、これ着ないな〜というアイテムがあれば望月さん指名でお願いします。(笑)予約が大変なことになりそうですが。(笑)
望月:実は予約はやっていないんです(笑)。でも、指名制度があるので、日々お客様が指名していらっしゃってくださるのはありがたいですね。指名制の良さっていうのは、やっぱりその人に売りたいという信頼を形にできるところなのかなと思います。
ユナイテッドアローズのセールスマスターとは?
──ここからはより深掘りして聞いていきたいと思います。セールスマスターって、なんとなくセールスのプロフェッショナルという感じはするんですけれども、実際の業務内容をお聞かせください。
山本:私は今、セールスマスターという役職に就かせて頂いているのですが、割合で言うと、ユナイテッドアローズ全社員が約4000名いる中、セールスマスターは大体100名〜150名ぐらいです。任期制なので、私の代までは2年制だったんですけど、来期からは1年ごとの更新になります。
セールスマスターは販売に特化したスペシャリストというポジションなのですが、事業部からの推薦、店長推薦、自己PRがあり、その後、事業部での書類が通ればセールスマスターになることができます。功績や努力が認められた人に与えられる、評価制度の一つですね。
仕事自体は他の通常の接客と変わりはないのですが、セールスマスターという名称をいただいているのと、別途賞与をいただいているので、それを継続していくため、接客を中心に通常のセールスパーソンをリードする存在にならないといけないと思っています。
──結構狭き門なのではないですか?
山本:そうですね。売上実績なども見たりするので、偉そうに言うようで本当に申し訳ないですが、誰もがなれるというものではないです。
──ありがとうございます。任期制ということだったんですけど、任期が終了するともう1回受け直すということですか?
山本:そうですね、なので今後は1年単位で要項を満たしているかという見直しが入るので、ずっと努力を続けなくてはならないですね。
店舗にいながら会社の中心人物として様々な役割を全うする
山口:私は今店長をやらせて頂いております。店長ってどんなことをやるのか、皆様もなんとなく想像はつくと思うのですが、弊社の店長は店舗経営者という役割で位置づけられております。いわゆる店舗に関わるすべてに携わり全てを管理する人間が店長です。
実際に店頭販売もしますが、それ以外にも、商品企画に携わったり、店頭のレイアウト、在庫コントロールも店長自ら行うということで、数値管理のみでなく、リンク・セオリー・ジャパンの店長は、会社の中心人物として、本社と連携し全てを任せていただけるという役職でございます。
──ありがとうございます。大学を出て商品企画というイメージはみなさんお持ちかと思うので、どのような計画で商品を企画しているのか、という実例等あればお願いします。
山口:
本社の商品企画部で基本のデザインは設けられているのですが、そこにプラスして、実際にお客様から販売員が拾った声、例えば「この生地だと洗えないから絶対嫌」という声を反映して、洗えるパンツがバリエーション豊かに増えるよう計画されていたりといったように、お客様の声を反映させるというところで、商品企画には大きく携わっています。
注目されるリユース業界のバイヤーが一番気をつけていること
望月:私たちのビジネスモデルですが、具体的にはお客様からお売りいただくものが弊社の全ての在庫です。お客様に売っていただけるということが大事なポイントですので、バイヤーが重要な役割を担っています。実際にお客様に売っていただいたものはリペア、クリーニングさせて頂いて、タグをつけて店頭で販売させていただいております。
バイヤーと言っても海外に買い付けに行くというわけではなくて、実際にお客様が持ってきたものを査定して、値段をつけるというのが仕事となるのですが、販売しているアイテムも5000ブランド以上ありますので、バイヤーはそれだけの知識と対応力がないとできない仕事です。
お客様はお洋服が好きで購入されていると思うので、お金の部分だけではなく、お話を聞きながら、どういう想いでそれを購入し使用してきたかをお伺いした上で、次の方にお繋ぎするということを一番大事にしています。
──ありがとうございます。僕も実際体験したんですが、基本的に個室で買い取り対応をして頂き、しっかりと商品に向き合ってくださるなという印象に加え、昔のマニアックなデザイナーズブランドも今のトレンドもきちんと抑えていらっしゃって、知識は本当にすごいなと感じます。
それぞれが語る販売の魅力とは?
──皆様それぞれ、現在のポジションに就かれているのですが、販売からキャリアをスタートされた皆様に販売の魅力をお伺いしたいと思います。
望月:弊社の販売員はカスタマーアシスタントという呼称がございまして、その名の通りお客様をの手となり足となり提案をしていくような事をやっていきます。買取もしているというところで、クローゼット整理も含めて提案できる、流行りの言葉を使うとサステナブルな対応ができているのではないかなと思います。
──サステナブルなプロジェクトもやってらっしゃいますよね。
望月:「Rプロジェクト」といって、どうしても買取できない商品が存在するので、それらを発展途上国に寄付したり、その中でも宗教上の理由などでダメなものは、廃棄することなく、クリエイターやデザイナーに協力いただき、リメイクした品物として販売展示する企画をやっています。READY TO FASHIONさんとも一度ご一緒させていただいたことがありますね。
──ありがとうございました。続いてリンク・セオリー・ジャパンの山口さんお願いします。
山口:先程もお伝えしたのですが、店頭に立つスタッフはお客様のニーズを直に感じているので、それを会社に伝えていく、お客様に還元する、と言うところが一番大きな魅力かなと思います。
それを超えて、お客様に感動を与えるが私たちの使命とされていて、ニーズを把握した上で、お客様に合わせた提案をすることが、ファッションアドバイザーという仕事になります。
自分たちからお客様をハッピーにさせるような服を提案させていただくというのを役割とさせていただいておりますので、商品での満足度が80%、プラスアルファの20%をスタッフが担うことで、お客様の満足度が100%になるというイメージ、全てがお客様の為にというのが一番大事とするところですね。
──ありがとうございました。続いて山本さんお願いします。
山本:自分の予定で出かけるとき、洋服を着て+αの気持ちで望めることってあると思うのですが、洋服ってすごくポジティブなもので、そういったものを取り扱うお店なので、働く上で、ネガティブになることはなかなかないと思っています。
接客では、たくさんの人に出会います。お客様、同業他社、こういったイベントもそうですね。色々な機会を与えて頂いて、出会いにすごく恵まれている業種だとおもいます。自分の価値観を徐々に固めていく、自己満足の部分と他者からの刺激、どちらも受け続ける、どちらも深めていける職種ですので、いろんな視点が生まれてくると思いますし、視野も広く持てます。
その中で、人生を豊かにしていくというのが販売の仕事ですが、人と出会うことによって、自分達の生活も豊かになっていくというのが販売員の面白いところですね。
──ありがとうございます。実際に1日どのくらいのお客様がいらっしゃるんですか?
山本:店舗によってお客様の数は大きく変わりますが、新宿店の場合、忙しい時期だと平日でも10,000名のお客様がゲートを通られますし、僕が今働いている丸の内店では、平日で600〜800名ほどです。
──これまでに震えた出会いなどはありますか?
山本:そうですね。僕は人から影響を受けやすいタイプだと思っているんですけど、やっぱりお客様との出会いはすごく恵まれていると思っています。名古屋で6年間働いていたのですが、当時名古屋でご案内させていただいていたお客様が、わざわざ僕の働いている、丸の内店でお買い物をしてくださったんです。名古屋にある洋服をわざわざ東京のお店で山本から買うよと購入してくださいました。
我々は全国で展開しているのですが、この人から買いたいと思っていただける、そういった経験をさせていただけるっていうのが嬉しくて、わざわざ手間と時間とお金をかけて僕のところで買ってくださったというのはすごく嬉しかったですね。
販売職はキャリアの出発点
──ありがとうございます。販売職を経た皆様にお伺いしたいのですが、先程とは少し視点を変えて、キャリアを見据えた時、販売職というものをどう捉えたら良いのでしょうか?
山口:一般的に販売職ってお店にいるスタッフさんという印象だと思うんですが、弊社では、販売職が全ての中心であると捉えています。販売員がお客様に一番近く、毎日毎日服に触れてお客様とお話をしてというところで一番大事な存在なんですね。色々なお客様の話に耳を傾ける中で、販売員自身も知識や経験を深めていくことができると思います。
弊社では、販売職を経て多岐にわたる仕事をするのが特徴で、店長はもちろんのこと、人事、MD、生産など、豊富な選択肢を与えてもらえています。なぜなら販売員がすべてを知っているからです。そういった意味では、色々な経験を一番積むことができるのが販売員じゃないかなと思います。
──それこそ新卒で入社されるということは、無限の可能性があるということですね。
山口:販売員って販売員だけなんじゃないかなと思われるんですが、そうではなくて一番色々なことができるポジションなんじゃないかなと思います。
望月:私も山口さんと同じようなことを考えていて、販売員として入社した時がレベル1だとした場合、社歴を重ね色々な経験を積んだ販売員は全然違っていて、それは何かと言うと、お客様との出会いであったり、経験であったり、その中で自分が成長した過程がそこに詰まっていると思います。
弊社でも販売を経験した後にいろんな役職に就くのですが、今の時代は、誰から買うのかというのがすごく重要になっていて、昔は会社やブランドにファンがつく時代でしたが、今は個人につく時代だと僕は考えております。
どんな人から買いたい、あの人がいるからこの店に行きたい、そういう入り口を作れるのが販売員だと思いますし、逆にゴールはないというのが販売員の面白さだと思います。
その中でキャリアステップを踏んでいくっていうのは大事なことだと思いますし、それぞれの道を極めることは応援したいなと思うんですけど、販売員イコール終わりということではなく、ずっと販売員を続けるというスタッフもいれば、弊社でもずっと現場で仕事をするという道も用意されているので、楽しく働けるんじゃないかと思います。
──限界がなく、ゴールもなく、どんどん努力してその先にいろんな形があるということですかね。
望月:そうですね、仰る通りで経験することでしか、自分の年輪というかスキルをアップさせることはできないと思いますし、経験に勝るものはないんじゃないかと思います。
──ありがとうございます。それでは最後に、ユナイテッドアローズの山本さん、お願いいたします。
山本:質問を頂いたときに、一言で伝えるのが難しいなと考えていたんですけど、販売職というとおおよその会社がスタートポイントとするところで、誰にでもできる、ハードルが高くない仕事っていう認識かもしれないんですけど、誰にでもできるからこそ人によって大きな差が生まれるのかなと思います。
販売職を極めたい人は販売員を応援してくれる会社をいかに選ぶかっていうことがすごく大切だと思いますし、自分たちのやりたいことをサポートしてくれる会社を自分の目で見極めてやることがすごく大切なんじゃないかと思います。
販売員が原点である以上、いろんな職種、店長、スーパーバイザー、MD、VMDなどいろんな仕事があるんですけど、店頭の経験を経たこと、店頭で学んだことが最終の判断軸になります。
先程、洋服はポジティブとお伝えしましたが、ポジティブとはいえ、仕事だとつらいこともあると思うんですけど、そこをクリアすることが自分の肥やしになる。自分のやりたいことにつながっていく。というのは、うちの会社に限らず、いい会社にはそういうシステムが整っていると思うので、いかにそういうとこを選んで、いかに誇りをもって仕事をするかというのがすごく大切なのかなと思います。
──販売を経験したことが今の土台になっていらっしゃるということですね。
学生より質問
学生:キャリアアップの中で、販売職の経験がその後のキャリアにつながる具体的な例を伺いたいです。
山本:ありがとうございます。自分達のやっていることがどれだけその後のキャリアにつながってくるかということですが、モノづくりってすごく難しいと思っていて、洋服がすごく好きなので、今でも、古着屋だったり、ほかのお店などで意欲的にいろんな服を見るように意識しています。
ユナイテッドアローズには、ブランドがたくさんあるんですが、イメージのずれっていうところが実はあって、トレンドを見て、ハイエンド、ベーシックの中間を作る上ことが大切かなと思うのですが、その判断基準はどこになるのかとなると、それは普段の接客なのかなと。お客様の声、持っているイメージをうまくヒアリングすることが大切だなと思っています。
例えば、男性だと、仕事用のトラウザーならクリースが落ちてしまうとか。お客様に試着していただいたときの「何か違う」に一歩踏み込んで、よりお客様が満足できる商品を作ることができるのは販売員の経験あってこそだと思います。
山口:日々販売員が何をやっているのかなというところがイメージ付き辛いのかなと思うのですが、先ほど山本さんも仰った通り、お客様の声を形にできるのもそうですが、もうひとつ、弊社ではスタッフもPCで簡単に在庫が追えるシステムがあるので、スタッフがやっていることは規模が違うだけで本社とやっていることと同じだと思っています。なので、日々やっていることが本社に行ってもそのまま通用するっていうところがキャリアアップにつなげやすいところかな、と思います。
望月:バイヤーに必要なのが対応力と知識という話をさせていただいたんですけれど、これだけたくさんのブランドがあって歴史がある中で、10年やっているスタッフと入ってすぐのスタッフでは経験と知識の深さがが違うなと思っています。経験の中でしか得られない情報は、お客様と実際に接する中で有益な情報を直接お伝えできるんじゃないかなという風に思います。
──本日は皆様ありがとうございました。
Text:READY TO FASHION MAG編集部