アパレル 23卒 イベント

株式会社READY TO FASHIONは、2月16日(水)~18日(金)、 2月24日(木)の日程で、2023年卒業予定の学生向けオンライン合同説明会イベント「READY TO FASHION LIVE」を開催しました。

「READY TO FASHION LIVE」では、ファッション・アパレル業界の業種や職種、仕事内容について、人事の方が求める人物像などに関するお話を聞くことができるトークセッション・質疑応答を実施しました。

2月16日(水)の回では、小松マテーレ株式会社、タキヒヨー株式会社の2社がご参加。当日の様子をレポートいたします。

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繊維商社について知れる
無料オンライントークセッションを開催

内容:
・繊維商社とアパレル企業担当者とのオンライントークセッション
・業種の違いによる事業の違い、キャリアの違い、仕事の違いをトーク

開催日時:
2024年11月13日(水) 11:00-12:00
2024年11月20日(水) 11:00-12:00
2024年12月4日(水) 11:00-12:00
2024年12月11日(水) 11:00-12:00 

参加企業:
興和株式会社、豊島株式会社、モリリン株式会社、株式会社ユナイテッドアローズ、クロスプラス株式会社、株式会社エフリード、アイア株式会社、タキヒヨー株式会社、株式会社TSI、瀧定名古屋株式会社、サンラリー株式会社、株式会社SHIPS、信友株式会社、ヒロタ株式会社

イベント詳細を見る

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参加企業概要

小松マテーレ株式会社

小松マテーレは、時代の先端を走る技術を自らの力で商品にかえ、お客様に届ける「化学素材メーカー」となることを目指しています。新鮮、かつユニークで、世界中のマーケットに感動を与える化学素材を創造し発信していく。染色で培われた独創的な技術を駆使した機能性フィルムおよび、これらを用いたフィルム・ファブリックなどの企画・製造と全世界への販売によって独自性を高めマーケットの創出にもつなげています。これらの核となるのが、小松マテーレの持つ感性とハイテクノロジー、匠の技の融合による、独創的な“KOMATSUブランド”の確立です。高次加工技術や機械設備、薬剤等の独自開発とともに長年にわたり培ってきた「匠の技」を磨き、さらにマーケットを開発するなど、グループが一丸となり、ハード、ソフト両面で人々の感動を追求していきます。

タキヒヨー株式会社

名古屋に本社を置く繊維商社(アパレル商社)です。1751年創業以来、ファッション流通業界において有数のリーディングカンパニーとして、お客さまに夢と感動を提供し続けております。自社でトレンド・売れ筋情報をキャッチして、素早く商品化。企画・デザイン、生産、物流まで、ファッションをスピーディーに皆さまにお届けする一貫体制を備えています。

タキヒヨー株式会社

事業展開に見る2社の特徴

──1つ目のテーマは各社の事業展開についてです。ひとくちに繊維商社、繊維メーカーと言っても、取り組む事業は企業ごとに異なります。まずは小松マテーレ様、タキヒヨー様のそれぞれの事業についてお話を伺っていきたいと思います。

小松マテーレ・坂口:小松マテーレは、衣料分野そして非衣料分野の資材分野、最近ではB2Cに向けても多角的に事業を展開しています。私たちが特に力を入れているのが自主企画販売です。

モノづくりメーカーが自ら工場を持ってモノをつくるのが当たり前だと皆さん思うかもしれませんがそんなことはありません。小松マテーレは、そもそも絹の精練を委託で加工する専業メーカーからスタートしました。自社工場を持つという最大の強みを生かして、いまでは商品を加工してお返しするだけでなく、高水準の加工技術を背景とした信頼性の高い商品をお届けしています。また、弊社は社内に品質監査部門を設けているため、他社を仲介せずタイムリーに自分たちの目で検査を行えます。その点がお取引先様から信頼を獲得しているのかなと思います。

最近では染色加工時に出てしまう汚泥をもとにタイルなどの建築材料も製造しております。加えて水を綺麗にする技術にも力を入れており、モノを売るだけでなく、技術を提供するビジネスもスタートしております。単なるパブリックメーカーを超えて、新しい挑戦を続けているのが弊社の最大の特徴かもしれません。

タキヒヨー・森:タキヒヨーの事業は大きく分けて2つです。1つはメーカー機能を内蔵した商社。商社と聞くと、たくさんの原料などを仕入れてリスクとして持って各所に納品するイメージが強いですが、私たちは協力工場を使って自ら企画してつくれる点が特徴としてあります。

さらに、コーディネートから売り場やパッケージ、インフルエンサーを活用したプロモーションまで広く提案できるため、ハイクオリティな素材の供給からマスマーケットでの売り方提案まで行える点は、タキヒヨーの事業の強みと言えるでしょう。

もう1つは新素材の開発。例えば、タキヒヨーは再生衣料アパレルブランド「BRING(ブリング)」を手がける日本環境設計株式会社様とアライアンスを結んでおり、ケミカルリサイクル技術を使った新素材を共同で開発しております。単に自分たちだけで取り組むのではなく、タキヒヨーでは周囲を巻き込んだ社会課題解決のビジネスの両立を目指しています。

小松マテーレから見たタキヒヨー、タキヒヨーから見た小松マテーレ

──今お話しいただいた内容を踏まえた上で、皆様にはお互いのイメージについてお話いただきたいと思います。小松マテーレ様から見たタキヒヨー様のイメージについてお聞かせください。

小松マテーレ・坂口:タキヒヨー様は自ら商品の企画をしているという印象が強く、話せば話すほど似ている点があるなと親近感を覚えています。弊社の営業部はタキヒヨー様と密にお付き合いさせていただいているのですが、ゆったりした社風という風に伺っております。他の商社とも違う雰囲気を持つ企業という印象がありますね。

小松マテーレ・井上:各商社様ごとにキャラクターの違いはありますが、やはりタキヒヨー様はかなり和やかな雰囲気を感じますね。また、タキヒヨー社長は積極的にメディアに出演されており、メディア戦略にも力を入れている印象です。弊社は製造業メーカーの背景が強いため非常に羨ましいなと。

──では一方、タキヒヨー様が抱く小松マテーレ様のイメージをお聞かせください。

タキヒヨー・森:やはり1番は地元石川・北陸に根ざした企業という印象です。北陸の、ひいては国内のモノづくりメーカーとしての誇りを強く感じますね。世界的にも北陸産地は評価された地域ですので、勝手ながら我々も誇りに感じています。

小松マテーレ様とは生機(染色・仕上げ加工前の布生地)に関するお取引を長年させていただいております。言葉で言うのは簡単ですが、小松マテーレ様に対して自然と覚える信頼感は、短い期間で培えるものではありません。安心してお取引できるため、いつも本当にお世話になっていますね。

──なかなか表からは感じ取れない2社間の関係性や雰囲気が垣間見えた興味深い内容だったかと思います。

小松マテーレが大事にしていることは〇〇だ

──続いてのテーマは「2社が大事にしていることは〇〇だ」。この〇〇に入るキーワードを3つをそれぞれお話いただければと思います。まずは小松マテーレ様からお願いします。

小松マテーレ・坂口:弊社が大事にしていることは、「アートインテクノロジー」「開発をやめない」「独自の研修プログラム」の3つです。

まず1つ目の「アートインテクノロジー」。これは弊社のコーポレートスローガンであり、美しい技術と日本語で訳しております。このスローガンには、私たちが日々大事にしている技術と感性の融合、芸術の工業化という2つのコンセプトが収斂されています。我々が主に取り扱っている繊維素材というものは、微妙な色味の違いや触り心地の違いなどのちょっとした曖昧さが特徴になるため、そういったモノをつくるためには繊細な感性が欠かせません。

弊社では年2回、顔替えコンテストという社内コンペを実施しています。技術者を中心に生地の表情=特徴を変えた自主企画生地をお客様のご依頼と並行して取り組んでおり、このコンペで生まれた商品がヨーロッパの有名ブランドで使用されたこともあります。そんなモノづくりを成し得るのは創業当時から培ってきた技術であり、それをいかに応用できるかが弊社の力の見せどころかと考えています。

2つ目は先の技術力にも通ずることではありますが、「開発をやめない」です。弊社の会長はこれまでオイルショックなど、幾度も厳しい時を乗り越えてきた経験から、そういう苦しい局面こそ独自の開発力をもって道を開いていくべきだといつも言っています。そのため、いかなる時でも先行投資で開発を進められるだけの財政基盤を弊社は備えています。その点は他にない強みと言えるかもしれません。

最後に「独自の研修プログラム」。弊社では、小松マテーレ学創という様々な研修プログラムを備えています。若手社員を対象とした講義コース、川上から川下まで精通した社員が若手社員にモノづくりを講習するゼミ形式のコースなど、小松マテーレには社内で社員を育てていこうとする思いが強くあります。社内では「うちは独特だから」という言葉が、合言葉のようになっているのですが、そんな社内の雰囲気がこの研修プログラムに現れているかと思います。

タキヒヨーが大事にしていることは〇〇だ

──続いてタキヒヨー様お願いします。

タキヒヨー・森:タキヒヨーは、「夢のある面白い事業を作り心の豊かな社会を目指します」「美を提供する小ぶりな総合商社」「グローバルチャレンジ」の3点を大事にしています。

まず、1つ目の「夢のある面白い事業を作り心の豊かな社会を目指します」は、私たちの経営理念です。ふわっとした理念のように見えるかもしれませんが、本当に大事にしています。社内では「やりたいことを止めない」を合言葉のようによく言い合っているのですが、弊社の社長は社員の提案を聞く時間をいかなる時でも必ず用意してくれます。700人規模の会社にも関わらず社長が常にフランクに構えてくれているのは、そういう企業理念から来ているのかもしれません。

2つ目は「美を提供する小ぶりな総合商社」。弊社の現在の主領域はファッション・アパレル領域になりますが、先の企業理念に叶うことであれば領域を問わないはずです。そのため、あえて美というあえて抽象的な概念を用いています。最近ではコスメ領域にも力を入れていますが、事業領域を自ら限定せず、広く捉えている点はタキヒヨーの強みと言えるのかもしれません。

最後の「グローバルチャレンジ」に関して、社内の海外留学研修制度や海外ブランドとのお取引などのことだけを想像されるかもしれませんが、弊社では社内全体のことを1つの世界として捉えています。先ほどの「やりたいことを止めない」にも繋がってくるのですが、社員ひとりひとりがこのタキヒヨーという世界の中で様々なチャレンジをしています。そういうチャレンジングな社員を見ていただきたいですね。

入社を決めた理由

──ここからは皆様からいただいた質問に答えていただきます。最初の質問は「皆様はどのような理由で同社への入社を決められたのか?」です。入社の決め手について、ぜひお聞かせください。

小松マテーレ・井上:私が入社したのはもう20年近く前の事ですが、学生時代は化学、微生物研究を専攻していました。専攻に沿うのであれば、製薬会社などが主な就職先になるのですが、私はスポーツウェアなどの開発に興味があったため繊維業界に進むことを決めました。大学がちょうど富山県にあったことから小松精練、現在の小松マテーレを知り入社しています。それなりに自分が思っていた方向に来れていると思っているので、皆さんにも仕事をするとなった時になにを本当にしたいのかを第一に考えて就職先を検討してみてほしいと思います。

──続いて、タキヒヨー様はいかがでしょうか?

タキヒヨー・筒井:実は私は前職でタキヒヨーにクライアントというかたちで携わっていたんです。私の場合は外から関わるうちに、タキヒヨーの事業領域の広さやモノづくりのクオリティ、社長の人柄や社風などすごいところをたくさん知るようになり、タキヒヨーの魅力をもっと広く発信したいと考えるようになり入社を決めました。

加えてミーハーな理由ですが、PEANUTS・スヌーピーが小さい頃から好きで、そのライセンスをタキヒヨーが持っていることも決め手でした(笑)。自分の会社がつくっていると自慢できるのは嬉しいですね。

企業研究を進めると業界最大手のシェアを持っていたり、独自の技術を持っていたりと、すごい企業は数多くあります。食わず嫌いせずいろんな会社の話を聞いて魅力を感じた道に進んでいただけたらいいですね。

2社の繊維商社が採用時に重視していること

──最後に、「各社担当者様に質問です。採用時に重視している点などはありますか?」という質問をいただいております。まずは小松マテーレ様からお願いいたします。

小松マテーレ・井上:弊社は製造業的側面が強い会社ではありますが、1人の人が幅広い業務に携わる場面が多くあります。必要なように思える専門的な知識や技術は入社後に習得していただければなんとでもなると考えています。それよりも、まずは与えられた目の前の仕事に全力で取り組む。そういう姿勢を持つ人に頑張っていただきたいですね。

──では、続いてタキヒヨー様お願いいたします。

タキヒヨー・森:過去のオンライン説明会などでお伝えする機会が多いため、せっかくなので昨年入社した中曽根さんに伺ってみたいと思います。求職者側から見て、タキヒヨーはどのようなことを大事にしていると感じましたか?

タキヒヨー・仲宗根:まず、学生側に情報を提供する機会がとても多い企業だというふうに感じました。会社の中でどのような仕事をしているのか、部署ごとにどのような人がどのような考えで働いているのかなど、細かく伺える機会が多かったため企業選びの参考になったように思います。

また、内定した同期を見て、素直な人が多いなという印象を持ちました。小手先の就活テクニックよりも本当に社長が最後に人柄を評価して選んでくれたのかなと、自分の自信にもなりましたね。

タキヒヨー・森:中曽根さんの言う通り、タキヒヨーは表面的な流暢さよりも、持っている思いを素直に伝えられる人を大切にしています。私たちは相互理解をキーワードに、誠意をもって自分たちの持つ情報をありのままにお伝えしてきました。先ほどのやりたいことを止めないという話に関連しますが、なにを大事にしているのか、なにを成し遂げたいのかを素直に口に出せる人を重視していますね。

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秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。